千葉はなさんの手紙
http://s.ameblo.jp/youmoutoohana/entry-12015374408.html先日の平成27年4月8日、アコースティックユニット「羊毛とおはな」のボーカルである千葉はなさんが、乳ガンにより他界されたニュースは、
目まぐるしい世の中の変動の最中にありながら、
非常にショッキングな一報でした。
4月17日になって、千葉はなさんご本人が余命1ヶ月をきった3月21日に付けで書かれた手紙の内容も、
所属事務所から通じて更新されましたが、
読めば読むほど、ただただ涙が溢れるばかりの内容です。
実は、表立って話題にもあげておりませんでしたが
私も昨年8月末に受けた健康診断で、
悪性の疑いが強い結果を出したことがありました。
(最終結果は良性でした)
当時、悪性の疑いから再検査を受け、二次検査結果のでる11月下旬までの2ヶ月の間、
「生死」の狭間に直面した、
今までに味わったことのないほどの
強い不安と恐怖の日々を過ごしたことを、
千葉はなさんの一報を知ったのと同時に
リアルに思いだしました。
私の場合は、
「この結果が本物であるなら、音楽活動継続以前に関わる家族、仲間に対し清算しなければならないことがある。
結果によっては、活動休止しなければならないことも覚悟しなければ」
と、悶々と考えながら、いざ本当に癌だった場合どうしたらいいのか分からなくなり
実際、癌治療によりメンタル面に至るまで逃げ場の無い方があげたblogや、
病名が決定された後でも仕事を継続して生きている方、
また、両親が働けない中で家計を支えていた方が、生活費に追われて医療費がなく進行していく腫瘍を放置したまま、
ご両親に病状をかくしたまま8ヶ月間働いてから治療を受けた方…
等、病気に直面している方々の内容を
ひたすら読みあさっていた日々を思いだしました。
自分が癌である可能性があることだけでも言葉にならない悲しさと孤独、恐怖心が募る中で
実際、本当に癌と向き合わなくてはならない、また共存していくしかない現実、それを真っ向から受け止めなければならない状況は、
年齢関係なく非常に大変なことだと思いました。
そのような思いが募る中で、
千葉はなさんの生前最後の手紙は、
発症から手術、再発、余命告知に至るまでの間、
想像以上に怖かったことだろう、辛い思いを抱えたことだろう、と、私の主観ですが
文面の裏側に含まれた心境を、受け取らせていただきました。
千葉はなさんの手紙の末尾にかかれた
内容は、まさに「生」と「死」の狭間にたたされた立場でしか見えないもの、
また人間の浅はかな欲や競争心等、虚栄心など問題にもならない位置に立った、
人間としてどう物事を受け止め、生きるのが本物であるか……
その答えがちゃんと表記された、悲しくも素晴らしい内容だと思いました。
自分自身の中にある、恐怖と孤独、「死」に直面した立場でなければ
知ることのできないであろう、
人間としての優しさやあったかさ、他者に対する深い思いやりが集約された内容だともおもいました。
わずか36歳にして、自分の辛さをかえし、
他者に対し最大の思いやりと優しさを知り尽くした、千葉はなさんの手紙は
ご本人が「悲しまないでください」と表記していても、
千葉さんの、これまでの辛い過程が文面の背景にしっかり焼き付いているからこそ、やはり悲しいです。
この手紙から、私の今後の生き方、在り方を考えるうえでの課題が大いに詰まった内容であることも
強く実感させられた次第でした。
「本人の肉体が無くなっても、残された言葉、表現力が強い生命力を持ち続ける…」
千葉はなさんの文章は、ご本人の存在が無くなっても、肉体を通りこして
受け止める側の感性に強く残り、また永遠に生き続ける強さをもった、凄いものです。
正に表現の本当の本質であり、力がここにあると思いました。
ご冥福をお祈りいたします。