「一輪って髪きれいだよね」
「また薮から棒ね。おだてても何も出ないわよ」
「本気だってば。柔らかいしいい匂いするし、色もすごく好き。私髪が硬めだから羨ましいんだ」
「あー。そんなこと気にしてたの? 私は村紗の髪の色好きよ、夜の海みたいで」
「みなみつ」
「じゃあ水蜜。……あ、昔からよく髪触ってきたのそういう理由だったんだ」
「そうそう。だから一輪は早急に頭巾取るべきだと思う」
「なぜそうなる」
「隠してるのもったいないじゃん」
「現に今こうして取ってるでしょ。いいのよ別に、一応尼僧なんだし」
「って言っても聖の影響でしょ」
「元々はね。まあ酒飲んだり肉とか魚食べたりしてる時点で仏門の徒としてはアレだし、せめて形から入らないと」
「ていうかそれ以前に寝起きに話しかけると問答無用で雲山使って殴りかかってくるのやめようよ」
「考えとく」
「……やっぱいいよ、頭巾取るの私といるときだけで」
「薮から棒その二。どうしてよ」
「なんか、……見せたくないっていうか。他の連中に」
「じゃあ最初から言わなきゃいいのに。水蜜らしいって言えばらしい気もするけど。……元から取る気ないから安心していいわよ」
「そだね、うん。えへへ」
「ちなみに雲山は?」
「あれは例外」


