「えいっ!」

「うわあっ」


″最強のサイボーグ様″が、間抜けな声をあげた。
だからか、彼女は楽しそうに笑った。


「何を付けたんだっ!?」

「お札!」

「お札……」

「難しく考えすぎると、″きょんしー″になっちゃうわよ?」

「はあ?キョンシーに?」


そうよ、と言って笑う彼女はすぐにボクの部屋を出ていった。


ぺりっ


「……『堅物』!?」



―――――

009

メンバーからの然り気無いいやがらせ
10/02/07



 
ボクは一日に最低、八回は妬いている。
……いや、九回?

ある日は二十回だったり、最低基準の九回だったり。

兎に角、ボクは嫉妬深い。


誰かが″ボクのフランソワーズ″に近付くだけで、ジェット曰く『最強のサイボーグ様モード』で睨む。
彼が言っていたけど、

「その辺のヤツなら、視線だけで死ぬかもしれねえ」

と言われるくらい、ものすごいんだ。


困った事に、無意識で『最強のサイボーグ様モード』になるときもあるんだよね。
仲間に向けてだったり、フランソワーズの男友達だったり。

嫉妬深いって、ちょっと困るよね。


『最強のサイボーグ様モード』の島村ジョーの悩みは″嫉妬深い″こと。

最強のサイボーグだって、悩みぐらいあるよ。



―――――

ジョー。
10/02/07


 
「ん、やぁっあ…っ」

「キミの持ち主は、ボクだよ」


何処にも行かせない。
キミをそう簡単に手放さないよ。


「……逃げよう、なんて思っても無駄だよ?」

「…思って、ない、わ」

「ウソ。やっぱり、首輪と鎖で繋がなきゃダメだね」


009から逃げ切れるなんて、思っちゃダメだよ?

003が逃げても、009が必ず捕まえる。



―――――
9
病み期到来
10/01/18


 
「″ちーずばーがー″っておいしそうね」

「じゃあボクと半分こ、しよ?」

「んじゃ〜我輩は、″なげっと″を」

「あいやー…中華風はないアルか」

「アメリカ発なんだったけ?あ、ボクは普通のハンバーガーで」

「オレも同じの、頼む」

「……おいジェット、紅茶ねえのか?」

「ああああ!うっさい静かにしろ!恥ずかしいだろ!?」


ジェットが少し前、ハンバーガーショップにアルバイトを始めた。
ハンバーガーを知らないのか、仲間達は興味津々で彼のバイト先にやってきたのだ。


「……ただでさえ大人数で目立つってのに…つか、ジョーが知らないのは意外だな」

「あまり知らないんだよね…行く機会なんてなかったし……ね、フランソワーズ、これ半分こしようよ」

「ええ、いいわよ。あ、ジェット、イワンでも食べれるのってあるかしら?」

「ないんじゃねえ?つか、早く注文決めろよ」

「あら、残念……帰りに買いましょうね」

「ワカッタ」

「おい、紅茶はないのかニンジン」

「な…ニンジン……!?アルベルト、オマエはコーラでも飲んでろ!」


二席を陣取る外国人のグループとアルバイトのやりとりを、レジにいた店員は微笑みながら見ていた。



―――――

オール

ジョーはフランと半分こがしたいようです
10/01/10


 
……苦しいな。

そりゃあ、今まで好意に気付かずに笑顔でいたボクが悪いんだけど…。
気付いてやっとのおもいで告白したのに……彼女は付き合う前と同じ態度。


ボクだって女の子に限らず、困ってる人は放っておけないよ。

けどさ、キミのは何と言うか……無防備?
そう、無防備で心配になるんだ。

そのままぱくっと、食べられちゃうよ?

……絶対ダメ!!
まだボクだって食べてないんだよ!?…じゃなくて!


今すぐテイクアウトするしかない。うん。


「…ねえ、フランソワーズ。キミを食べていい?」


――ボクだけに笑顔を向けてくれれば、いいのに。



―――――

93
血迷ってる9
10/01/09


 
キミの瞳に視えるモノ。

キミに聞こえるモノ。


人混みで意識しなくても聞こえてしまう、視てしまって苦しむキミを、連れ出した。


任務に支障が出てしまうから、と009が命令したんだ。

彼女が苦しんでいるから、はやく助けなくては、と島村ジョーが命令したから。



「ごめんなさい」


それは、003…?
フランソワーズ…?

どちらが言ったの?

それは、誰に向けて?



―――――

93
10/01/05


 
「……やっぱり、昨日のフランソワーズも可愛いけど、いつものフランソワーズも可愛いね」

「なっ……!」


彼女は持っていた箸を落としそうになり、皆は不思議そうに見ていた。

何となく察知したジェットはニヤニヤしていたけど。


「な、なななにを言うの…!?」

「あとで教えてあげるよ」


……フラン、覚悟しといた方がよさそうだぞ。

ジョーはいつもの笑顔だけど、男にはわかるんだよ。
その首の痕を見れば、男女関係無しに、な。


「ジェット、ニヤニヤするのやめなよ。奇妙だよ」

「ピュンマ…お前は酷い子になっちまったな……」

「平常心くらい保ちなよ」


もしかして、みんなわかってたのか…?

まあ、みんな男、だからな。



―――――

93

わかってないのはイワンと博士とフランだけ(笑)
10/01/02


 
「翔」

虚ろな灰色の瞳が視線をさ迷わせ、一瞬だけ目が合った。

「ん、なぁに…?」

「…なんでだろ。翔の事、監禁したくなる」

「……ふぇ?」

「…何でもない。あのさ、もう10時だけど……学校、行くのか?」

「じゅうじ…ふにゃ…?!」


漸く、意識が覚醒したらしい翔は、じぃっと十代の顔を見る。

「アニキ、いつから起きてたの…?」

「んー……6時かな」

「お、起こしてよ!」

「だって翔の寝顔見てたらさ、起こすに起こせなかったんだよ。しかもちょっとさ……」

「……目を合わせて言いなよ」

「や、やましい事考えたから、落ち着くのに時間がいるというか……」

「……学校行くよ、アニキも」

「……ごめんなさい」



―――――

十翔
09/12/28


 
「やだ……やだぁああっ!」

「言う事を聞かない兵器も、超音波には敵わないな」


ズキズキと頭を割りそうなくらい響く痛み。

この音は、改造されたボクでは耐えられない。


一番、苦手なもの。



「あ、ああああっ。あ、や、やだっ、やだ…!」

「連れて帰るからには、どうなるかわかるよなぁ?」

「……か、帰りたく、ない…」

超音波で、頭の中がぐちゃぐちゃになる。

また、閉じ込められちゃう。


自由が無くなる。

光を見れない、暗い暗い世界に鎖で繋がれる。


嫌だ。

嫌だよ……もう、やだ…!


「やだぁああああっ!!」

「自由の効かない身体で何を言おうと無駄だ。脱走出来ない様に監禁でもするか……」



叫びは虚しく、ただ響くだけ。




―――――

オリジナルキャラのラル

実験場から脱走失敗
09/12/28


 
人間である部分

人間でない部分

自分は生き物なのか、生き物でないのか


まだ目覚めたばかり

少しずつ、他人を、人を、同じ境遇の仲間を


知っていく



―――――

ジョー

クラウスも望まないのに、サイボーグに?
09/12/28



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