初夏の風が撫ぜる新緑の葉の影が、ゆらゆらと揺れる。
合間から覗く、青空は遥か遠く、一筋の飛行機雲を描く。
ふう、とそれを追うように紫煙が空へ上がってゆくのを目で追った。
ぎし、ぎし、と廊下の板を軋ませる。
その音に反応したのか、否か、ゆるりと柘榴色の眸が此方に向いた。
瞬きを、一度。
またゆるりと、視線を外す。
その仕草を追うてみれば、そこには何も無く、無いというよりは、何も見ていないというのが正解か。
「何やってんだ」
「別にィ」
ふぁ、と大きく欠伸をしてから、ごろりと縁側に頭を出して仰向けに寝転がる。
「今日は」
あねうえの、
「誕生日なんですよ」
「――・・・嗚呼、そういや、そうだな。」
「姉上はもう居ないのに、誕生日は来るんですねェ」
ちょっと吃驚しやした
「そりゃあ、その日だけどっか消えるわけねェだろ」
「そうですよねェ。そうなんですけどねェ」
吃驚、したんですよ
いつもより、表情は機嫌良くけらけらと笑ってみせる姿が、太陽に透ける。
土方さァん、俺ァね、
「姉上におめでとうって言いたいんですよ」
「姉上にプレゼント渡したいんですよ」
「姉上の声が聞きたいんですよ」
「姉上に、」
あいたいん、ですよ
「なら、会いにいきゃあ良い」
「死ねってことですかィ」
「そうなるな」
「そうなりますかィ」
死ぬ、か
すう、と肺を膨らませる。ゆっくりと吐き出す。
「そりゃァ、嫌だ。あんたが死ぬのを見届けてからじゃなきゃ俺ァ、」
死ねない、ですねェ
「じゃあ諦めろ」
「土方死ね」
「お前が死ね」
へへっ、
「いー天気ですねェ。絶好のサボり日和だ」
「仕事しろよ」
死なないでって云うのは呆れるくらいに簡単 だから云わないよ
御題⇒
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