それまでもちょくちょく書いてはいた携帯日記。
去年は後半、雨のせいで携帯を出せなかったので、
今年はゴール間近になったら
カウントダウンみたいな感じで出したいと思ってた。
あと何キロ、あと何キロって。
残り10キロになり、そろそろと思い携帯を取り出すが言葉が出て来ない。
「暑い」「つらい」「しんどい」
と、愚痴しか出て来ない。
見てくれてる人もいるだろうし
あまり後ろ向きな言葉ばかりよくないな、という気持ちもありつつ
でもホントそれしか出て来ない。
言葉少ないながらも、
そして愚痴ばかりのカウントダウンを始めた。
スタートしてそれまで
みゆきとは連絡を取らずにいた。
むんさんには時々メールを入れていたみたいだけど、
オレは電話もメールもしなかったし、みゆきの携帯日記も見てなかった。
コース上2度すれ違い、
その時はさすがにハイタッチとかして
みんなは話してたけど、特別オレとは会話はなかった。
あれは残り1キロとかそんくらいだったと思う。
みゆきから電話がかかってきた。
「今どのへん?」
とっくにゴールしてたみゆきは
それぞれの携帯日記を見てくれていたんだろうか
全然戻って来ないオレ達を心配して電話をくれた。
オレもはもうその頃は息上がっちゃって、
もう少しだと分かってはいても、
やっぱりつらかった。
「もう少しだと思う」
「多分、1キロ切ってる」
「そんな、何百メートルもないはず」
そうオレが言うと
「わかった」
「そっち行くわ」
残り数百メートルになり、オレ達4人は手を繋いだ。
深夜、つらい時むんさんが手を差し伸べてくれた事もあったけど、
40前のいいオッサン2人が手を繋ぐなんて恥ずかしくて遠慮した。
今はそんな気持ちはない。
むしろ、そうする事が正しいと思えた。
途中に長女、次女、
仕事終わりで妊婦のベティがいてくれて
もう僅かでゴールだという事が分かった。
ひと言ふた言話してゴールを目指す。
遠くから小さな女子が走って来た。
みゆきだ。
走って来たんだぜ?
もちろんコイツも100キロ歩いてんだぜ?
走れる?普通。
かなわないよコイツには。
