静かな十月を想像してみるんだよ。肌に感じる冷たい空気を、今、想像してるよ。

十月。小さな事を最後までやり遂げる。小さなものの、最後までを見通す。

去年の秋何も無いところから始まった。着替えの洋服もなければ炊飯器もない。テレビもネットもお気に入りの本もない。音楽も書き溜めた絵もない。そんな生活から、もうすぐ一年が経つ。振り返るには、何てわかりやすい一年なんだ。無いことは、自分の動作を愛しくさせる。知らないところに行ってしまったんじゃないよ。捨てたいわけじゃない。どこにいても、訪れる景色や空気が、本当に大好きさ。

丁寧に。整理整頓。ひんやりと冷たくて、じんわりと温かい。こっくん こっくん

滝のような雨があがった。まるで、泣いた後みたいだった。湿っていて、じんわり温かかった。少し引きずってはいたけれど、つっかえが取れたみたく清々しくもあった。

原稿用紙を手に入れたよ。さて。

ほっとする花。

子供達が走ることでできた風