チャンカーはマリオン


 ●●●  非情な現実
非情な現実
大阪から舞鶴。舞鶴からフェリーで小樽。小樽から札幌。そして某医大病院の夜間診療を受ける。
大阪から札幌への移動は困難を極めた。マリオンは歩けず、言動は意味を成さず、とにかく見るのも痛々しいマリオン。この移動には大阪の友人・札幌の友人・なによりマリオン姉の助力が無ければ絶対に不可能だった。見事に自分の非力を思い知った。
札幌ではそのまま入院。マリオン姉は明日の仕事も家庭もあり最終の地下鉄に間に合うように帰っていただいた。僕はマリオンの容態が心配でベッド脇にへばりついてた。落ち着かず動き回り空想話を口にしている。ついには同室の患者さんが夜中にも関わらず部屋を替えるまでに至った。 とにかくマリオンが寝つくまで、僕はマリオンの横にへばりついた。 点滴でようやく落ち着き眠りについたマリオンを確認して僕はホテルへ向かう。空が薄っすらと白んだ午前3時半。 7時に起きて8時にはマリオンの病室へ向かう。意識混濁状態で落ち着かないので一人部屋に移される。昼間僕は札幌でのウィークリーマンションの契約のため街まで出て某医大の近くのウィークリーマンションにチェックインした。大阪でのウィークリーマンションの倍の広さはある部屋だった。部屋に入ってすぐさまマリオンの病室へ走り看護を手伝う。 今日の検査の結果を聞かされた。。。。。。。。「手の施しようがありません。明日ホスピスに転院してください」と手続きをすすめられた。 今日マリオンに「今どこに居るかわかる?」と聞くと途切れ途切れの小さな声で「釧路のホテル」と答えていた。こんな状態のマリオンに今日の結果が理解できるわけ無いのは幸いだったのかもしれない。 僕は荷物をウィークリーマンションに置いてくるからとマリオンをナースさんに頼んでウィークリーマンションに急ぎ足で向かった。部屋に入り、この広い部屋では僕一人で過ごすことになった予期してなかった事実に恥ずかしい話だが、僕は声を出して泣いた。パソコンでマリオンのサイトを見て また泣いた。泣きながら神、仏、すがれるもの全てに腹腸を搾り出すように懇願した。 明日はホスピスへ移る。今夜はマリオンについていてあげたくて付き添いを申請。夕方は水物をよく飲んでいたので精神科からの薬を飲ませるとぐっすりと睡眠に入る。そのまま夜になり消灯になる。夜は大阪から送った荷物を受け取りに一旦マンションへ。そしてまたマリオンの横で過ごす。よく寝ている。夜中2時前一服するために僕は外に出て戻るとマリオンが苦しんでいる。9度近い熱を出して言葉にならない声を出して唸っている。僕はナースコールを押ししばらくナースさんと手当てに追われる。 僕にはマリオンが病と戦っているように見えた。ナースさんが処置に走りまわり病室を出た時、僕はマリオンにささやいた。「戦っているのなら絶対に負けるなよ。俺が加勢してやっるから絶対に負けるな!」
マリオンはお腹が痛いのではないかと感じたので、僕はお腹を静かに擦ってやると落ち着いてきたように思えた。痛み止めの点滴が効いてきただけなのかもしれないのだが・・ 落ち着いたマリオンを見て、僕も一休みしようとウィークリーマンションに戻ることにする。時計は午前3時。しかし部屋に戻っても眠れず今5時。少し横になって7時頃にはマリオンの所へ行こう。
2005/06/07 (Tue) 4:25

 ●●●  援軍
援軍
いよいよ今夜が最後の夜。荷物をまとめて宅配便に出した。  マリオンの状態はハッキリ言って昨日より悪い。何がどう悪いか。 昨日までは今居る所は大阪と自覚していたが、今日「ココはどこか分かる?」と聞くと弱々しい声で「旭川」と答えた。10分寝ては目覚めて意味不明の言葉をこぼし また寝るの繰り返し。昨夜は流石に僕も寝てしまい5時間は寝たので、今日はどうにか持っている。昼 札幌のマリオン姉から今夜大阪に行きますとメールが来て、僕は救われた気持ちだった。フェリーで一緒に帰ってくれるのだ。僕が一人でマリオンを連れてフェリーの旅を想像した時、一瞬たりとも気を抜けない緊張感を感じてたが、これで少しは気を抜くことができる。ありがたくも申し訳なくも感じる。 僕は急いでこのウィークリーマンションのシングルを押さえた。本来最低3泊からのウィークリーマンションだが、特別に2泊で泊めてもらえることになり、部屋代を払った。僕が部屋に戻ってしばらくするとフロントの人がやってきて「従業員で話し合ったんですが、義姉さんの宿泊費は頂かない事になりましてお返しにあがりました」と、、、、、昨日のドクターといい、ここの従業員の方たちといい、浪花人情に泣けてきた。この都会でどうしてこんなに優しくなれるのか。自分の郷土を愛する気持ちが人情を生むのだろうか。根無し草の僕には驚きと感涙の思いだった。 本当に 本当にありがとう 大阪!
2005/06/03 (Fri) 19:10

 ●●●  謝罪
マリオン、
ごめんな。

先行きの不安でいっぱいのマリオンを知らない土地大阪に連れてきて、いくつもの病院を回り疲れてたんだな。
マリオンの財布には病院の診察券が増える一方。なのに思うように自分が元気になれず不安ばかり増殖してたんだろうね。  僕は僕で治す事で焦ってテンポが走ってしまって それがマリオンの不安を増やしてしまったのだろうね。演奏でも走ってし、曲の出だしと終わりでは倍くらい早さが違う俺だから日常でもそうなんだろうね。 ごめん。
昨日「吟ちゃんは結婚するの?」って聞いて来たけど、ここで返事をしておく。
「俺はマリオンという嫁さんがいるから、もう結婚はしないよ」  もう少しで北海道に帰れるから、一緒に帰ろうね。 ストーマのフランジ・パウチの交換、全部俺が引き受けた。 オケチュから液体が出てきても俺が世話したるから心配するな。
マリオンのテンポでいいから、ゆっくり歩いていいから、笑えるギャグを考えるから 一緒に帰ろう。
ごめん マリオン。
2005/06/03 (Fri) 7:27

 ●●●  救急車
本日で4回目の免疫点滴の日、、、だった。ここ2〜3日マリオンの様子が妙だと感じていた。痛みや嘔吐や発熱は治まったが、目が変だと感じてた。昨夜マリオンが目覚めて夢遊病のようにトイレへ。見るとマリオンのケツがビショビショだ。 肛門から大量の液体が漏れていたのだ。 そして 朝 マリオンの言動は確実に統合失調症患者のものだった。 今日点滴を受けるクリニックに電話して行けそうに無いと伝えると救急車を呼んだ方がいいとのアドバイスに従い救急車を呼び救急病院へ。 頭のCTと血液検査の結果、頭には異常なし。血液は肝臓機能値とコレステロール値がかなり低く水分も足りないと診断された。しかし別に緊急性は無いので栄養点滴打って返された。 しかし部屋に戻ると やはりマリオンの言動は統合失調症。倶知安の精神科のドクターに電話してアドバイスをもらう。 免疫点滴のクリニックのドクターから電話があり、今日の点滴を無駄にしたく無いからと、仕事が終わってから部屋まで点滴を打ちに行きますと本当に感謝感激の申し出を受け、わざわざ我がウィークリーマンションまで来ていた
だいた。北海道に帰ってからも何でも相談してくださいできる事はやりますと涙が出そうな言葉をもらった。 僕がジイ様なら「ありがたや先生様」と合掌して拝んでただろう。 明後日4日、マリオンの楽しみだった夜行寝台トワイライトは満席だったので舞鶴から小樽までフェリーで北海道に戻る事にした。札幌ではすぐに精神科と外科にかかる必要がある。
2005/06/02 (Thu) 23:16

 ●●●  ペインクリニック
ペインクリニック
今日はちょっと忙しいスケジュールだった。ペインクリニックと病院のはしごであった。行きはかもいユースの友人が車を出してくれて助かった。ペインクリニックではブロック注射が痛くていやだとマリオンが言うのでブロック注射は無し、ただ食事をとってないので栄養補給の点滴をうってもらう。 それからタクシーを拾い病院へ。 ここ2,3日熱は出なくなったが、高熱の原因として尿管のステントの感染症の疑いがあるので、次回高熱が出たら抗生剤の点滴を受けるように言われた。痛み止めの薬は増量して処方される。 昨日リンパ球療法のクリニックから北海道で継続治療をひき受けてくれるクリニックが見つかったと連絡があった。 しかもそのクリニックがな・な・なんと、珊内で我が家が毎週買い物に行く岩内のクリニックだったのであった。 元々そのクリニックがその治療をやっているわけではなく、大阪のクリニックが探しに探して受けてくれるクリニックを見つけ出してくれたのだった。が、しかし問題が・・・・  マリオンはリンパ浮腫やペインクリニックを受ける必要があり、それらの病院は札幌にあるわけで我が家としてはリンパ球療法が終わるまで札幌に滞在してその間ペインクリニックやリンパ浮腫の治療を考えていたので、札幌滞在は必要なのであった。だから毎週岩内まで通う必要が出てきた。  一昨日、僕は札幌郊外にある緩和ケア外来のある病院を友人から教えてもらっていたので、そこに連絡を入れてみた。返答は明日になるが、どちらにしろ北海道に戻れるのは確実となった。狂祭のヨサコイソーランの終わった6月13日札幌入りを予定。
2005/05/31 (Tue) 18:25

 ●●●  名古屋
昼過ぎから急いで一人名古屋へ行く。去年マリオンが手術入院してた時から気になっていたヒーラーの方が居ていつもは東京で活動しているがたまたま29日名古屋でヒーリング会があり、たまたま僕の母が来てた事もありマリオンを見舞ってもらい、僕は新幹線でひとっ走り名古屋へ行ってきた。 母にとっても義理娘になるマリオンと接する時間が持てるとの考えもあった。ヒーリング会で願う事を紙に書くのだがマリオンの治癒・体力回復・等書く。ヒーリングはあっと言う間に終わり、そそくさと地下鉄に乗り万博でごったがえす名古屋駅から新幹線で大阪に戻った。約3時間の名古屋訪問だった。 帰ると僕が母に頼んでいた『かっぱ巻』がテーブルに並び我が部屋に母が居た。その時はマリオン 食欲がわかず食べなかったが母が自分の部屋へ戻ってからマリオンは一本食った。残りを僕が勢いよく食べていたらマリオンは「アレー全部食べるの〜?」と恨めしそうに僕にうったえる。「まさかぁ。これマリオンの為に作ってくれたんだから」と2本残した。僕も名古屋のコンビニでおにぎり一個しか食べてないので空腹だったのだ。あっそーだ! 僕は早
朝まで眠れず6時頃友人からもらったホットケーキの粉をこねくっつ焼いて食ったんだ。どーりでおにぎり一個で夜までもったわけだ。
さてヒーリングの効果を心底期待しよう。今日のマリオンは痛みは少なかったようで熱も上がらなかったようだが、貧血気味は続いている。吐気は処方されてる薬に慣れるまで二週間くらいは続くらしい。 明日僕は髪を切る予定。
2005/05/30 (Mon) 1:23

 ●●●  母来たる
北九州の僕の母がマリオンの見舞いに来た。今日はマリオンの熱が一日中8度を上下してる。吐気から食欲も無いようで、昼前に僕は買い物に出て大根とグリーンボールを買い、大根サラダを丼いっぱい作り、マリオンはそれを一日かけて食べた。食欲があれば僕の母が料理を作るつもりだったのだろうが、何をしてやれるかと思案してるもよう。
今日 札幌のとあるクリニックに電話してマリオンの治療を継続してもらえるように頼んでみた。 そこは同じリンパ球療法を行っているのだが、そこのリンパ球療法担当医が診察して判断した上でなければダメと言う。担当医は四国から月いちしか来ないので次回は6月下旬。待ってられないし、電話での応対がひじょーに不親切。病人を相手にする仕事ならもっと計らいと思いやる気持ちが必要だと思うが、電話口の声からは欠片も感じない。しかもこちらはガンという深刻な病での相談なのだ。 それを「無理です」と繰り返すだけ。 やはり札幌の医療機関である。
母の兄弟に長く大阪に住んでた叔父がいるのだが、その家庭で「大阪の病院は親切だった〜!」と言ってたらしい。話しから察すると、どーも札幌の医療機関が傲慢なので無く、大阪の医療機関が特出して極めて親切・丁寧なのかもしれない。ナニワ商人の流れが生きづいてるのかも。 なにはともあれ、病人にとってはありがたい大阪だと感じる。
さっきマリオンがアイスクリームが食べたいと言った。即座にコンビニへ走る。 美味そうに食べてた。すぐにアイスクリームを買ってくるなんて珊内では不可能。 コンビニまで車で40分。アイスクリームが溶けてしまう。 明日はマリオンが少しでも体調が良い事を祈り、『オンアロリキヤソワカ』
2005/05/28 (Sat) 2:23

 ●●●  点滴治療・3回目
点滴治療・3回目
古い友人に車でクリニックまで送ってもらい、3回目の点滴を受ける。やはり今日も左脚が痛いようで、座った状態がきついらしい。思えば家に居る頃は横になると脚が痛み椅子に座ってると楽だったためにリクライニングのイスを買ったり車の座席で寝たりしたのだが、今は逆。だから睡眠を取る分にはまだ楽とも言える。クリニックの帰りはタクシーの座席に座ると痛むだろうからとゆっくりした足取りながら地下鉄で帰ってきた。 脚の痛み以外では吐き気もあり、帰りの途中でビルのトイレを借りてゲロした。食欲は少し出てきたのか好き嫌いの多い偏食ではあるが、少量だが食うようになった。  実は、先日僕がクリニックにお願いしてた事がある。 点滴治療を札幌で継続できないかという事なのだが、大阪のこのクリニックからはOKが出てクリニック側が札幌で治療の継続を受け入れてくれる病院かクリニックを探してくれていたのだ。札幌でマリオンがホスピス緩和ケアを受けていた病院はどうだろうと僕がクリニックに提案、それがベターだということで札幌のホスピス病院に電話してお願いしてみた。 札幌の病院は難色を示したが、僕は頼み込み明日回答が来る予定。 しかし大阪で3軒の病院・クリニックを回り感じたことがある。 大阪のドクター・ナースはとても親切で本当に親身になってくれる。ここまでやってくれるの? なにか下心があるのか?と思えるくらい親切なのだ。札幌および北海道でも親切な医療関係者はまれに居るが、大阪では今まで関わった医療関係者全員が親切で、それで普通、それが医療者として当たり前と思われ、札幌および北海道の医療関係者が患者に対する応対が異常なのだと思えた。 北海道では医者は偉くて患者は従うもの的なムードがある。今のところ大阪では患者が卑下する必要はまったく無いと感じられた。患者の要望に対してなんとか対処しようと頑張ってくれている姿勢がよく分かる。 北海道には閉鎖的な一面があり、それがお山の大将を作っている部分はいろんな分野に感じるが、医療関係にも如実に表れているというところだろうか。 とりあえず札幌で受け入れられれば来月中旬までには札幌のウィークリーマンション滞在となる。なんとか梅雨を逃れられるかも。
2005/05/26 (Thu) 22:01

 ●●●  涼しい大阪
涼しい大阪
今日の大阪は大阪とは思えないくらい涼しい一日だった。そんな中ペインクリニックへ通院。今日のマリオンは左脚がかなり痛かったようで、タクシーの中でも座っているのが辛いようで、「もうすぐクリニックだから。クリニックに着いたら治療してもらって楽になるから。」と励ますことしか出来ない。 ペインクリニックで今まで処方されていたモルヒネ系痛み止めが日数分なくて節約して飲んでいた事を告げると、「あれは飲んでいてもらわないと先週やった硬膜外ブロックも効果が出ない。飲んでなかったのなら痛かったでしょ。辛かったでしょ」と取り急ぎ医師が今日中に処方できるように駆けずり回り手配してくれて、とある病院へ急いで行く事になった。時間はすでに4時を過ぎてその病院の受付時間も診察時間も終了していたが、嫌な顔ひとつせずに医師もナースさんも丁寧に親切に診てくれた。いろんな病院職員が帰り始める時間でありながらも具合の悪そうなマリオンをベッドで休ませてもらい、処方箋薬局が閉まる時間が迫っていたので、ご主人が会計して薬を受け取ってきてくださいと言われ、僕は急いで会計・薬の処方に行ってマリオンのベッドに戻った。そろそろ帰ろうかとした時もナースさんは「もう大丈夫ですか。まだ横になってても構いませんよ」と言ってくださった。 帰りもタクシーに乗り部屋に帰りつき、夜になって今日処方された薬を飲む。 今日の薬は今までの倍量処方されていて、てき面で効いたようだ。「よし!元気がでてきたぞ!」とマリオンは発しペペロンチーノが食いたいと言い僕がコンビニに走る。そしてマリオンはペペロンチーノをほぼ食ってしまった。 よかった、よかった。 ただ薬が薬なだけにロレツの回りが悪いのだが、とにかく食うマリオンを見て嬉しかった。
眠たいと寝ていたマリオンが、今突然起きて「寿司食いたい」と言っている。いっちょまたコンビニに走るか!
2005/05/25 (Wed) 1:01

 ●●●  happy bithday to MARION
happy bithday to MARION
昨日はマリオンの3●歳の誕生日。友達がユーハイムのバタークリームケーキ(僕の大の好物)を買って来てくれた。やっぱりユーハイムのバタークリームは美味い!!マリオンの誕生日というのにマリオンは発熱して食欲も無く一切れ食っただけで後は僕の腹に納まってしまった。寿司でも食うかと計画したいたが、それもオジャン。マリオンの発熱は一日の中で発熱と解熱を繰り返している。嘔吐もある。体温が高い時で8度から9度になることがあり、下がれば5度代。こんなに差が生じれば体力も消耗してしまうだろう。今日は陰陽療法に出かけたが、やはり歩くのが辛そうでタクシーに乗ったら、4千円もかかってしまった。しかし帰りは運良く陰陽療法を施してくれた方がついでの用事があるからとウィークリーマンションの前まで送っていただけた。ありがたかった。明日はペインクリニック通院。発熱と嘔吐を伝えてなんとか処置をお願いしたい。マリオンの食欲が戻るようにしてもらえればありがたいのだが。脚の痛みはどの治療が効いたのかかなりマシになているようだ。
2005/05/23 (Mon) 17:16

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