12月に入り、急激な寒さを感じたのは私だけでしょうか。。。
本日も朝から寒い!!!
体温調節が上手くいかない体質の人間にとって、寒さは一番の天敵である今日この頃が・・・
先週の浜川崎「川崎ファクトリー主催、アートカフェライブ」、無事終了することができました。
http://www.owat.net/owat/ ただ・・・11時からオープンしたカフェ営業、私達の力不足のおかげで、13時からのアートウォーキング一行が戻ってくるまでの15時過ぎまで、お客様不在状況が続き、私達は担当者の前でのみ、ずっと朝〜夕方まで贅沢なほどリハーサルをしておりました(汗)
リハーサル途中、スタッフの方からカレーまでご馳走になる展開・・、
「私たちは浜川崎にまで来て、ただご馳走になっていただけではないだろうか。。」
と、罪悪感に見舞われる瞬間も多々あり、主催側にご迷惑をおかけしたような感も多々ある中、集客面に関して一切問われることもなく、かえって多く気を使っていただきました。
そして、アートウォーキングのアーティストの皆様との交流も含めて、普段都内ライブハウスでは味わうことのできない、芸術、クリエイティブな環境を久々に感じ取ることができる、素晴らしい時間を過ごすこととなりました。
川崎ファクトリー主催であり、渡辺建築都市設計事務所の所長である渡辺治氏は、HPの経歴をみていただけると一発でご理解していただけるとおり、建築界において大活躍されている方です。
その多忙な日々と同時に、川崎を拠点に様々な形でのアーティスト活動の支援、芸術推進活動を展開なさっております。
そのような、タダモノでない方と、アートウォーキング参加アーティストの皆様の、鋭い洞察力と目線の中、ギター壬菜ちゃんやピアノの麻莉ちゃんも、途中までビビッていたようですが、カッコウつけたくてもつけるだけの知恵もネタもないため、普段どおり演奏させていただきました。
演奏終了後、渡辺所長と約2時間ずっと立ちっぱなしでお話させていただきましたが、
その会話は全て芸術思考からくる内容でした。
渡辺所長の作品の洞察感は一言で言うと全て「オリジナリティ」に精通する、とても厳しくもあり、でも芸術においてゆるぎない根本的へ向かっているのです。まさに「芸術一色」の内容に、私の心の中に置き去りになっていた、本来であれば当たり前のクリエイティブ思考がよみがえってくる充実感を味わっていました。
その会話中特に、一番印象深い内容・・・
「芸術、表現は、自分との孤独と取り組んでいくこと」
この言葉は、私がかつて、大学の恩師から学び得たオリジナリティーの概念とそのまま精通するものでした。
その内容を説明する際、渡辺氏は、現在活動休止となっている「クナウカシアターカンパニー」主催、宮城氏のお話を話題にあげておりました。
毎年川崎ファクトリーでも行われる、元クナウウカのメンバーで開催される演劇公演を、静岡からわざわざ観にこられる際、今年公演された「お米」という作品に対して、宮城氏が公演関係者におっしゃっていた意見
「今回の作品は、まだ(孤独と)取り組みきれていない。」と、実際使用した言葉は違うかもしれませんが、「孤独」というポイントを掲げた指摘だったそうです。
その宮城氏の意見を聞いた渡辺所長は
「宮城さんが皆に言っていた意見、本当は自分自身に言っていたのだろうね、自身の孤独に取り組みきれていない苛立ちを言っていたのではないか」
私ごとですが、昨年自主制作盤「Vestige」をバンドのオリジナル作品集として発表して以来、音楽をエンターテイナーという方向から作品を見ている方々からは、ある種の「型」にはまろうとしない思考に対して、非難をぶつけられる瞬間がありました。
実際世の中で表現という素材を通して利益を得たければ、「これはいいものですよ」といった、誰もが納得する形での裏づけの立証が必要となってきます。
よってTail'zのVestigeは、「立証できないもの」=「売れないもの」と、判断され、鑑賞すらしてもらえない場面、いやというほど経験してまいりました。
この傾向は企業だけでなく、都心に近いエリアほど音楽リスナーにまで浸透している考えなのです。もっと率直にいえば
「企業の型に、購入者まで左右されている」
現状であることが、様々な地域で活動させていただく中、痛感しました。
芸術やクリエイティブなものに対して「本物」がいったい何であるか・・一言では表せないほど多くの意味を持っている言葉ですが、
私から言わせれば「自分の道のりからしか出てこない形」が、本物の作品なのではないかと、制作を通して実感します。自分の道のりでしか生まれないものは、他の人生体験に似たものではなく、自身の価値観でしか存在しない世界なのですから、これほどまでに強い個性はないように思います。
そういった考えは、音楽を商業として扱うライブハウスや一般企業からは、受容人数が限られてしまうものとして処理されぎみですが、受容状況関係なく、クリエータ・表現者はこの高みに向かっていくしかないのだと思います。
その価値観を、渡辺所長もおっしゃっておりました。
「あぁ、ここでは普通に芸術的発想が、余計な概念を邪魔することなく通じる場所だったんだな・・」
と感動してしまいました。
感動したのと同時に、ここ一年間、芸術性の概念があまり通じない現状から、娯楽・芸術の世界自体、これから先どうやって生きていったらいいのか、考えれば考えるほど分からなくなってしまっていました。
そんな突破口のない日々に、渡辺所長との出会いを通じて
「やはり、私がやりたいものは、普遍的なクリエイティブの追及そのものなのだ。
世の中の歪に流されるべきではないし、私にも日本のアートシーンがもっと受容高くなるために、積極的活動に取り組んでいきたい。人間の精神力の回復のためにあるアートを、もっと活性させるなにかをしたい。しなければならない。」
と、30台半ばになった今、新たな方向性を感じ取った時間しでした。
上記の希望を抱きながら、次回出演させていただく際には、自身の温めているクリエイティブな方向性より強めた空間演出がしたいですし、もっと総合的なアートの世界の面白さを引き出せるライブがしたいと、次回に向けての展望を思い浮かべながら、場所を後にしました。
もっともっと書き残したい内容は多々あるものの、いい加減長くなってきましたので、この続きはまた時間があれば書かせていただきたいと思っております。
最後に・・・
このたび、Tail’zの出演の際に、度重なるやり取りにご配慮してくださった、川崎ファクトリーの大沢様、川合様、そして、主催者の渡辺治氏に、心より深くお礼申し上げます。