ようやく熱が下がった。
抗がん剤の作用で減少した白血球(中でも好中球だったかな?)の増加を促す「グラン」という薬剤の皮下注射を受けると、人によって骨髄の刺激に伴い全身の大きな骨の痛みと発熱が起こるらしく、どうやら僕はその選ばれた人の一人に入ってるらしい(回りくどっ!!)。
前回は歯肉炎が原因と思われる感染症で40℃を超える高熱に悩まされたけど、今回はグランの影響と思われる38.7℃程度をピークとする熱が三日間続いた。
そして例によって骨の芯が重く痛むような疼痛(とうつう)にも悩まされたけど、今回はおもしろいことを幾つか発見した。
まず、それまで臀部に受けていた皮下注射を今回上腕部に変更した結果、以前は主に骨盤部や大腿部に現れていた疼痛が、今回は胸部(主に上部胸椎)や、肩関節・肘関節を中心とする頸肩腕部に現れた。
施術部位の変更で、ほんとにもう明らかに疼痛部位が変わったのには驚いた。
そして更に興味深かったのが、薬剤の効果のピークを感じた時間。
この手の皮下注射の場合、効果を緩やかに持続させることを狙って、抜針後に揉まないことは知られている。
つまり、注射後の部位を揉んだり動かしたりすると、薬剤が早く拡散して急激に作用し、効果の持続時間も短くなるという考え方。
実際、入院中ほとんど動かない状態での臀部への注射では、発熱も37℃代の後半で緩やかに推移したし疼痛の増減も極めて緩やかだったのに対して、日常生活で動かすことが多い上腕部に変更した今回は、熱も高かったし疼痛のピークも急峻で強いものだった。
そしてそれが更にはっきりしたのが、三日続けた注射の最終日。
この日は午後からコンサートがあり、午前中に注射を受けてから会場の小学校へ。
コンサートを終えて帰宅し、夕方の5時を過ぎた頃から急激な発熱感と体幹上部から肩腕部にかけての激しい疼痛がやってきた。
それまでの二日間は発熱や疼痛のピークが深夜から未明にかけてだったのに比べると、この日のピークは明らかに早い!!
考えてみればそれもそのはずで、注射を受けた左上肢は、ギターを弾いてる間常に以下のような状態を持続していたことになる。
肩関節: 屈曲・外転・内旋
肘関節: 屈曲・内旋
手関節: 屈曲
手指: 強い対立運動でピックを握る
まあようするに、ピックを握って弦を弾く格好で常に腕を動かし続けてたわけで、皮膚の伸縮に伴って、注射液は極速やかに全身に拡散していったんだろうぜ(ぜ??)!!
それが証拠に、熱や疼痛の持続時間も短く、夜の10時を過ぎた頃にはずいぶん楽になっていて、三日間で唯一熟睡することができた。
U先生、このデータも貴重な症例の一つになりませんかねー(笑)。
そんなこんなで、27日(金曜日)の新堀小学校創立60周年記念事業としてのコンサートは、前日の注射による38℃前後の発熱と骨の痛みの中でのステージだったけど、またまた子供達の素直な感性とパワーの中で、とても素晴らしい時間を過ごさせてもらった。
この日の1曲目に選んだのは「夢きらきら」。
歌い終えて「みんな…星が見えた??」って振ってみると「見えたよ!」と大きな声で応えてくれた子供達の感性に、思わず涙ぐんでしまった!!
「2匹の犬」では、「生ゴミの臭いがした」という、大人は決して笑えない歌詞の部分で、低学年の子供達を中心に笑い声が起こったけど、それは仕方のないことだと思う。
あくまでもこれは僕の主観だけど、テレビのトーク番組やバラエティー番組を中心に、無理にでも笑い(受け?)の部分を前面に出した制作放映がされている。
幼い頃から親と一緒にそんな番組ばかり観ている現代の子供達は、言葉を聴いて頭の中で整理して適切なフィードバックをするということが苦手で、とりあえずおもしろそうな言葉が聞こえたら「笑っとけ」的な、言わば赤ん坊のような反応しかできない子が多くなっていて、その年齢が次第に高くなっている気がする。
…おっとっと……話がずれてきたぞ!!
この問題を語り出すと切りがないので本題に戻るけど、書きたかったのは「2匹の犬」を歌った後の子供達の反応!!
「泣きゆう!」「泣きやあせんわ!!」「泣きよったろう!」「泣いてないよ!!」・・・・・
前列に座っていた低学年の子供達のあちこちから、そんな囁き(ささやき)の会話が聞こえてきた。
こんな素晴らしい感性を持った子供達の将来が幸福であることを心から願わずにはいられなかった。
「僕が5年後に生きてる確率は半分半分かもしれないって言われてるけど、僕は必ず生きるよ…そしてまた必ず会おうね」。
エンディングでそう言って退場する僕を追いかけてきた高学年の児童が「佳さん、僕も必ず生きます」と言った。
サングラスの中で、眼球の無い目の中いっぱいに涙が貯まったから、こぼれないように少し上向き加減で歩いた。
U先生、腫瘍マーカーの数値の変化はどうであれ、子供達との約束を破るわけにはいかないので、僕は絶対に生きます。
またいろいろ相談に乗ってください。
それにしても、注射初日の水曜日に「腫瘍マーカーの変化が少し気になります」と言われた時よりも、翌日「ブログでかなり落ち込んでたみたいやね!」と優しい声で言われた時の方がマジびびりましたよ(笑)!!
思わず去年の9月からの日記を全部読み返しましたからね(爆笑)。
けど読んでくださってるのは嬉しい限りです。
…おっとっと……今度はU先生への個人メールみたいになっちゃいました!!
ってなことで、今回は脱線しっぱなしの日記で大変失礼しました。