これまでの入院中、「髄注」→「リツキサン投与」→「CHOP療法」と、それぞれ1日ずつ(つまり計三日間かけて)行ってきた治療を、今回から二泊三日の短期入院で受けることになった。
つまり、二泊三日の入院初日に「髄注」を、翌日は「R-CHOP療法」をほぼ終日かけて一日で行い、三日目に自宅に帰ってステロイドなどの内服薬を飲むというもの。
何しろ、約一ヶ月に一回の抗がん剤投与と、その後約二週間前後で訪れる白血球の減少を抑える注射を2・3日する他は、ほぼ経過観察だけのために毎日病床に居続けるのがどうにももったいない気がして、主治医に相談したところ「副作用も比較的大丈夫そうだし、これだったら通院での治療もできそうですね」と教えてくださった。
ただ僕の場合、通院回数が増るのも、それはそれで大変だろうということで、抗がん剤治療は二泊三日の入院で、白血球の増加を促す注射は2・3日の通院で、その他の日は自宅療養をしながら少しずつ社会復帰に向けて仕事もしていくというプランを組んでもらった。。
そういうわけで、「R-CHOP」を一気に一日で投与されるのは初体験だったけど、お陰様で、今のところ今回が特段に副作用が強いという感じは無く、これだったらなんとかやっていけそうかな!!
もちろん「手指や足底の痺れ」や「倦怠感」など、以前からの症状は相変わらず有るし、その上に「ステロイドによる軽い心身の不安定感」「不眠」など、毎回おきまりの症状も今日からまた急激に現れてきたわけで、前回の日記を書いた時とは全く別次元の世界に居るのは紛れもない事実。
いやむしろ、痺れや倦怠感などの慢性的な副作用は、治療の回数を重ねるごとに少しずつ重くなってるような気もする!!
事実、主治医の話によると、最初は全く大丈夫だった人が、3回目とか4回目になって急に倒れてしまうこともあるので油断は禁物だとのこと!!
いや、けど今一番きついのはしゃっくりが止まらないことかな!!
正確に言うと、なんとか止まったと思っても、30分とか1時間とかするとまた復活するというのを昨夜から繰り返してる!!
化学療法を受ける人には時々有ることらしいけど、これってなかなかきついよな〜(/_;)
とにかく、自分の心身と真っ直ぐに向き合い、全てに感謝する気持ちを忘れずに、病気に対しても謙虚な気持ちで付き合っていかなければと改めて思う今日この頃です。
ところで、今回入院した17日、なんともおもしろいというか嬉しいというか、微妙な体験をした。
午前10時過ぎに入院して間もなく、某病院スタッフが「yサンという方をご存じですか?」とわざわざ部屋に訊きに来た。
フルネームや職業を聞いてもぴんとこなかったので「ちょっと分かりません」と伝えると「お友達とか先輩とか言っておらえたんですけどね?」とのこと。
その人は突然電話をかけてきて「堀内佳が入院してるでしょう? 彼は友人だから是非会ってパワーをあげたいから部屋番号を教えてほしい」と言ったらしい!!
実はその人は、同じ病気で昨年ここに入院していた方だという。
したがってスタッフは当然彼のことを知ってるし、悪い人ではないことも分かってるけど、一応「プライバシーの関係で入院しているか否かも応えられない」と極めて真っ当な対応したものの、その元気な60代の男性yさんは「入院してることは分かってるんだから部屋番号を教えてほしい」とさらに熱く迫ったという!!
そこで「本人に確認してから」ということで僕のところに来たんだけど、上にも書いたように、僕としてはどうにも該当者が特定できない!!
ただ、病気とは無関係ながらほとんど病的に記憶力が減退してる僕は、ひょっとしてお世話になってる人だったら大変な失礼になってしまうと思い、とりあえず部屋番号を伝えてもらうことを承認した。
久々の病院での昼食を済ませ、午後からあの恐ろしい髄注も終わり、夕食が運ばれてきて今正に箸を付けようとした瞬間!!
「堀内さん、yさんという方がお見えです」というスタッフの声!!
もっのすごく正直に言えば「せっかくの熱々のおかずもお茶も冷めてしまうやんか!」などと思いつつも、部屋居入ってこられたyさんという男性の快活で大きな声に圧倒されるように「あどうもこんにちは!」と思いの外僕のリアクションも明るく元気だったらしい。
Yさんは僕の手を握りしめながら語り始めた。
「僕はあんたと話をするのは今日が初めてやけど、ずっとラジオも聴きよったし、同じ病気で入院しちゅうと聴いたから、なんとか少しでも話をして元気になってもらいとうて!!」
「え?そしたら友達っていうのは〜??」
「ああ…あれは嘘嘘(笑)、長いこと入院しちょったき、スタッフもみんな僕のことは知っちゅうがよ!!」
「そっそうなんですか!!」
「この前の生放送の時も、なんとかちょっとでも会おうと現場に駆けつけたけど、丁度ラジオカーで出発するところやって……、けど窓越しにちらっと見えた顔が元気そうやって一安心したよ!!」
「あっら〜…わざわざたたき工房に来てくださってたんですね〜!!」
僕はまだおかずやお茶が冷めることを多少気にしながらも、次第に彼の話に波長を合わせていった。
本人の弁によると、Yさんの場合、体幹部のリンパ節等に夥(おびただ)しい組織病変が広がっていたとのことなので、おそらくは僕よりも悪性度の強い「びまん性」のリンパ腫だと思う。
それでも抗がん剤だけの治療で緩解し、一年経った今も全く異常は無いという。
Yさんは僕の手を握る手に更に力を加えながら熱く語った。
「余計なお節介やとも、非常識やとも思うたけど、とにかく僕の経験を少しでも参考にして元気になる材料にしてもらいたかったし、この僕の手から、できるだけ沢山の気を受け取ってもらいたくて、いてもたってもおられんようになってここまで来てしもうたがよ!!
佳さん、あんたには絶対に元気になってもらわんといかんがよ!!」
最後は涙ぐみながら声を震わせた初対面のYさんの気持ちに、思わず僕までもらい泣きしそうになった。
そして、同じ病気を体験された人生の大先輩からいただいた心のギフトを、胸の大切な部分にそっと仕舞ってお見送りしてから、少し冷めかけた豚肉のショウガ焼きを最高に美味しくいただいた。