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今日は空が泣いてる
雨の音は何もかも打ち消して この身体のどこかわからない場所に浮かぶ様々な感情を全て洗い流し,無の世界を築いてく 目の前で不規則に垂れていく雫を見つめてると,SET YOU FREEとの思い出が地に染み込んで行くような気がして,切なくなりそっと手を差し出してみる 冷たいような温いような衝撃が手の平にあたってすぐ引っ込めた 小さく疎らに浮かぶ水滴を見つめると,子供の頃に拭った涙にそっくりで 少しだけ大人の風に吹かれた気持ちになる
あの日も雨が降ってたっけ
車を運転する父と,助手席に話し相手の兄がワイパーと水滴の景色に良く溶け込んでた 「明日のイベントは来た方が良いよ」 車内ではそのイベントに出演するバンドマンの楽曲たちがスピーカーから零れてきて,そんな言葉が兄から野球ボールのようにポンと後部座席に放られる まだライブハウスにもギターにもバンドにも触れたことのない普通の円周率3.14の高校1年生が座ってて, 何故かその高校生はふとした興味心からグローブを瞬時にはめ その翌日 未知の世界に手をかけることとなる
そのイベントがまさにSET YOU FREEだった 会場は宇都宮KENT,扉を開けると今まで触れたことのない空間が暴れてて,熱気と汗と歓声とが全て入り混じった雰囲気にただただ圧倒された その中で遠くに光る演者達を見て,まるで映画のワンシーンを覗くように その映像に夢中になり,やがて吸い込まれた ライブ後,SET YOU FREE Tシャツを片手に会場から吐き出された俺はSET YOU FREEという概念に染められた
”SETYOUFREESETYOUFREESETYOUFREESETYOUFREESETYOUFREESETYOUFREE...”
何故か光彩に引き寄せられる虫たちの気持ちがわかってしまうくらい,魅力がたくさんたくさんあの箱には詰まってた こんな世界を作ってしまう金髪の強面のひとに憧れと尊敬を抱き,それからというものSET YOU FREEに出てるバンドを次から次へと調べ,また魅了されてく自分がそこにはいた DiSGUSTEENS,Wimpy's,piggies,DUDOOS,NOT REBOUND,GOING STEADY,LINK,WATER CLOSETその他,数えればキリがないくらい
憧れのSET YOU FREE いつか自分もそのステージに立ちたい そんな思いが歳を重ねるにつれ強まっていった
大学生になりオリジナルバンドTHE MONMONSを結成し,東京,横浜でのライブ活動を続け,3年生の時には兄のバンドTHE CiSTEMSのギターとしても加入した,ライブの文字で埋め尽くされた大学生活に充実はしていたけれど,どこか1ピース足りないパズルの上で生きてるような そんな気がしてた
”SETYOUFREESETYOUFREESETYOUFREESETYOUFREESETYOUFREESETYOUFREE...”
俺の心からの度重なる祈りが通じたのか ある日,地元宇都宮のSET YOU FREEにTHE CiSTEMSが誘われた 嬉しくて嬉しくて,はちきれんばかりの感情が溢れ出す 煌めく星々が目から飛び出すあのクレヨンしんちゃんの姿を容易に連想できた
様々な気持ちを抱き,光る場所へと歩を進める,思いはヒトツダケ SET YOU FREEに爪痕を残し,SET YOU FREEと共に全国へ,様々な土地へ, 爪痕を残したい ただそれだけだった
だが
結果は擦り傷さえつかなかった それ以来,宇都宮以外どこにも呼ばれることもなく,平行線な日々が何年か続いた
そして
THE CiSTEMSは解散
数週間が経ち 途方に暮れる俺とbeebeeが描いた景色,それこそがKiNGONSそのものだった
KiNGONSとして幕をあけ 初めて宇都宮のSET YOU FREEに出た時, 正直自信はなかった 長年挑んできた強敵にやられ続け, その敗戦の香りが知らないうちに自分の心に媚びりついていたせいなのかしれない
しかし
ライブ後,千葉さんから初めてプラスの言葉をもらったのを今でも覚えてる 面食らった気持ちになり喜んでよいのか少し戸惑った でも やっぱり
嬉しかった
それからだ SET YOU FREEに少しずつ出演の機会が増えはじめたのは 浅草を皮切りに高円寺,郡山,いわきと 小さな雨粒が水溜りに落ちて,波紋を広げるかのようにKiNGONSは少しずつではあるが,全国へSET YOU FREEと共に羽を広げていった
そして いつの間にかKiNGONS号の助手席に乗り,ライブ日程を決めてくれる千葉さんがそこにはいた SET YOU FREEを乗せて走る車内で 後部座席から見える金色の髪が目に映る度に 嬉しくて嬉しくてたまらなかった
2012年初のkjバースデーライブが神戸SLOPEで行われ, ライブ後,少人数の打ち上げの席で千葉さんに言われた5文字の言葉が今でも忘れられない
◯◯◯◯◯
こんな1+1=2のような単純明解な言葉がのび太くんの部屋の引き出しみたいに 時を超えてkjmonmonの心をいつでも動かしてくれる
4年間
俺たちと千葉さんは年間150本近くのライブをして, たくさんの時間を積んできた 忙しく,辛い日程の中でも その大半は笑ってた
疲れてるはずなのに車内はいつも元気で, 真っ暗闇に見えない光が灯るような気がして, 高速道路に延々と転がる笑い声に励まされて,
世界共通の言葉が英語とするなら
俺たちと千葉さんの間には英語以上のものが沢山あった
全国色んな土地へ飛んだ 日本だけでなく,台湾,アメリカ,イタリア,フランス,スペイン,ドイツ,ベルギー,オーストリアと様々な場所を駆け巡った
嬉しい時も,悲しい時も,楽しい時も,辛い時も, 家族よりも誰よりも この5人で共有した時間は最も多く,揺るぎないものだった
4年間の月日は そっと俺たちをすり抜けて, 沢山の思い出を引き連れて, 別れの切符を手渡しに,
2015年7月4日京都磔磔へと辿り着く
京都磔磔ワンマンライブ
この日を持ってSET YOU FREEと バイバイした
大好きで大好きで 憧れていたあの光輝くイベントに手を振った
2002年初めてSET YOU FREEに出会った時に購入したSET YOU FREE Tシャツ あの時の衝動を纏うようにしてアンコールに挑んだ ”時は金なり”っていう言葉が身に沁みるほど 瞬く間にアンコールは去って行った
楽屋に戻り Tシャツをがむしゃらに脱ぐと SET YOU FREEの文字がライブ後の 俺の黒目に飛び込んでくる 13年も経つと生地もボロボロでロゴも見づらくて辛うじて”5th ANNIVERSARY”が見えるくらい酷いもんだった
でも やっぱり大好きで
Tシャツのロゴが見えずらいのは
俺の瞳のせいで
俺が弱いせいで
涙は嬉しい時にも,悲しい時にも出てくるから 出たがりで まるでKiNGONSのメンバーみたいだなって思った
そんな俺らを 本当に… 4年間どうもありがとうございました
続けていればきっと交わる点がある 音楽は点と点を繋ぐ作業をしてくれる いつかまた会う時に
”We are KiNGONS!!!!!!!!!”
って胸を張って言えるように
”◯◯◯◯◯”
って言われるように
SET YOU FREE
ありがとうございました
千葉さん
ありがとうございました
そして
7月4日京都磔磔ワンマンライブに来てくれた皆 ありがとうございました 企画してくれたしのやんさん ありがとうございました 騒音寺のみんな 来てくれてありがとうございました
ここからが出発だ ここからが新たな出発なんだ
うん
これからのKiNGONSを
楽しみにしててくれ
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