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落ち着きがなくて,いつもふらふらしてるタイプで,余計なこと言ったり,何考えてるかわからなくて,身長が小さくて,サッカー部でもドリブルが好きだけどあまり相手を抜けなくて,中3の時に宇賀神さんが好きで俺が宇賀神さんと話すだけで嫉妬して,ゲームが好きで,小枝みたいに細くて,そばかすを気にしてて,ハリーポッターの主人公に少し似てて,授業中はいつも寝てて,起きてる時が珍しいくらい
今,目の前に映る幸太はあの時の小粒の,小枝の幸太じゃない いつの間にか大木のようなたくましさを兼ね備えた立派な男性がここにいる 身長も今では俺より高い
「俺結婚するわ」
その言葉には幸せが帯びていて,いつまでもいつまでも鳴りひびいてほしいその響きが,俺の言葉をひどく詰まらせる 嬉しいのに,嬉しいのに, どこか現実味がなく,ブラウン管の世界から急にこちらに飛び出して来たような 不思議な感覚に陥る 精一杯振り絞った結果
「おーおめでとう。」
だった 言いたいことなんて山程あるのにその中の一欠片すら拾えない
小学校中学校と毎日同じ古臭い建物を目指し,白と黒が入り混じった丸いボールを必死に追いかけて, まさに青春を共にした幼なじみが一つの門出をむかえようとしてる 嬉しい限りだ
幸太は周りに流されない たしかに小枝のようにふにゃふにゃしてるはずなのに, 小さい頃からどこか絶対に曲がらない芯が通ってて 周りから外れることを恐れた学生時代という荒波の中で幸太は一切ぶれずに堂々と生活していた 昔,幼ながらに幸太のそんな一面を垣間見れた時に尊敬を覚えた
立派な家庭を築いてほしい 心からそう思う
ふぅ 時間なんてあっという間 瞬きしてる間におじいちゃんだ 瞬きを如何に遅くできるかは自分次第
あんなに小さかったこうたがねぇ… こんなに勇ましくなるなんて 生きてるといろんなことがあるんだね
では
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