汗とも涙ともわからないような水滴がゆっくりゆっくり頬を伝い,しょっぱい成分をたっぷりしょいこんで口元に滑り込んでくる
目の前の「ローリングストーンズ来日??」のポスターとずっとにらめっこをしていて,よく見てみるとメンバーの一人にいたずら書きが施されていて,ミッキーの耳がかわいらしくついてる
ディズニーランドに2歳の頃行ったことがあるらしいけど全く記憶ないや
神戸太陽と虎の楽屋でライブを終えた俺はボーちゃんになっていた
心臓はバクバクいってるし,呼吸も荒いし,身体も汗で濡れてるし,頭も真っ白だけど
どこかの気持ちがぷわぷわ浮いてるような感じがして少し嬉しかった
時間が経つと思い出っていうのは少しずつ忘れていくものだし,記憶も少しずつ削除されていってしまうし,それはしょうがないこと
でも亡くなった人にしてみたら
自分の存在を忘れられてしまうことが1番悲しいことだと俺は思う
俺だったらそう
”あの人とこんなとこに行ったな”
”あの人はこんな面白いこと言ったな”
”あの人はこんなやさしさをくれたな”
こっちの世界のふとした日常の中でそんな風に思える時間がとても大切なんだと思う
過ぎ去った過去を悲しむのではなく,
その過去があったからこそ今の自分があると思いたい
空の上から安心して見てもらうためにも
胸を張って自分のしていることを全力で伝えたい
花が大好きなあの人はきっと空の上で生花をやっているに違いない
昔,花を綺麗に生けると自慢気に見せてきたけれど幼い頃の俺は全て右から左へ受け流してたな
「体に気をつけてね」
ふとそんな声が後ろから聞こえたような気がして振り返ってみる
振り返るとBeeBeeが座ってた
この世に偶然にも生まれ落ちた俺達兄弟はまだ見ぬ世界を求めて歩いてる
「2人がバンドを組んだら面白いことになるかもね」
10年前にお父さんが言った一言がふいに思い出されて急に涙が出た
日付が変わって今日は子供の日だ
悪くないね
次のライブは明日,京都メトロ
是非お待ちしてます




