なんて情けない人間。なんて非力な生き物。誰かさんの一言で私の思考はめちゃめちゃだ。動揺してしまって震えてる。ハリネズミまで起き出す始末。この先への不安。明日への不安。一秒先への不安。灰色のもやもや。うるさいくそったれ。

夢を諦めては行けないと。私に教えてくれたのは誰だっただろうか。生きろと言ってくれたのは誰だっただろうか。たくさんの人が無意識にそう語りかけてきた気がする。この広過ぎる世界と。いつまでも終らない時間の海。何も出来ないことが有るだろうか。この先何があるか分からない。使い古した言い聞かせ。そのとおりなのだけど。良くも悪くもそのとおりなのだけど。結局は素晴らしい世界なのだ。人も国も夢も現実も。全て全てひっくるめて。素晴らしい世界なのだ。そこにこうして生まれたんだ。

はらはら時が流れ出る。鈍った感情。悲しみに溺れた私を置き去りにして。嗚呼見えない。君の素顔が今が見えない。誰に届くだろうかこの叫びが、思いが。まだ足りない。足りない。言葉も感情も闇も光も何もかもが足りない。また。見えなくなっていく。全てと自分。白くもなく黒くもなく灰色に紛れて。灰色の世界に埋もれて。時と共に過ぎて行く鉛色の不安定な曇り空に埋もれて。声を奪われて。安定をかき消されて。私の叫ぶ声が灰色に消えて行く。誰の手も、誰の声も届かない、灰色に消えて行く。灰色に消えて行く。

心に穴が開いたような。ずきずきとするこの痛みは、別れのためだろうか。孤独のためだろうか。ただ疲れているだけだろうか。やり場のない悲しみが無意味な涙を流させる。誰に頼るでもなく。自分へのいたわり方も知らず。こぼれるのは重いため息ばかり。はぁ心が重たい。

身近な人が死ぬのってどんな感じ。あぁそれならもう知ってるよ。