ある日私は元気だった。その日の夜生きていることが申し訳なくて仕方なくなった。昼間の反動だろうか。とても憂鬱だった。ある日私は泣きたかった。その日の夜誰彼と遊びはしゃいだ。昼間の分まで笑えた気がした。一日数日のサイクルで変動していく陰陽の気分。気分など誰のもので無く私のものだけど。現実の事柄にそぐわない妙な陰陽の変動。自分の気分に振り回されているようだ。

愛情不足だとかんちがった親が。ある日を境に急に愛情を与えだした。それがあまりに下手くそな表出の仕方だものだから。見ていて吐き気がするようになった。だからそれを「汚ならしい愛情」と勝手に名付けた。

自分は頑張った。そう自己暗示する。なんて情けない人間だ。頑張った人間と情けない人間。その狭間で揺らいでいる。真実はどちらだか。そんなの誰にも分かりゃしない。現に私の精神は挫折したし。それを情けないと言うか。頑張ったと言うかは。人の自由でそれぞれだ。

まるで夢の中を生きるような現実感。白い光に包まれ流れ出して行く日常。ねぇどこへいくの風。ノイズの混ざり合う町並みに。消えてしまいそうな君。青い酸素の色が空に浮かぶ。見えないはずの淡い色。陽なたは色褪せて―

本当に大切なものが分からない。プライドも無理矢理消した。信念がわずかに残留して行動を左右する。アイデンティティーと言えるものは崩壊して原型を止めない。上も下もない宇宙空間にいるかのように。空回りしてすかすかの生き心地。漠然と生きている。分からない中で思考がループして。また分からない。何時までたっても分からないまま。思考が進まない。何かおかしい感覚。生きてる気がしない。