今まで通りで良かったのに。もう今更だから。もう掘り返さないで欲しかった。過去について思い出したくも、考えたくもなかった。すれ違った上辺だけで満足だったのに。人間て気持ち悪い。せっかく造りあげた自分の世界を。居場所を。隅からだんだん食い千切られてしまった気分だ。私の敷地に私じゃない誰かが土足で入ってきた心地だ。もう二度とこうならなければいいのに。こんな吐き気のするようなことは。早く過去の産物になればいい。早く、早く、早く。

小さい人。小さい人。何故泣いているの。人の生き様を虚しく思うの。誰も彼も生きるにはあまりに小さくて。取るに足らないから。許せないの。もっと輝けもっと叫べ。生きていることを。小さな人、もっと暴れろ。世界はこんなに大きい。小さな人、君は私。私はこんなにも自由。小さい人、もっと苦しみもがけ。君は生きている。取るに足りるほど多いに叫んでやれ。今ここに生きて居ることを。際限ない苦しみの中、もがきながら生き続けていることを。世界中に主張しろ。

孤独に住み着いた赤鳥

奪ってった。理不尽な雨の中。髪も濡れて寒くて。全てを夢を。逃げる場所もない。現実を睨み付けた。叫んでやろうかと思った。こんなの望んで無いんだって。わけも分からず。意味も無く。私は狂って何かいない。正しい。おかしいのはおまえらだ。あぁ何もかも壊れればいい。こんな現実。不毛な未来は見え透いている。誰か殺せ。誰か私を殺してくれ。もう全ては終わったんだ。お前達のその声が、くだらない笑い声が気に触る。

鏡の前で知らない誰かと向き合って。白々しい警戒の目付きで軽蔑していた。そいつがだれか何てどうでもいい。ただ気色悪かった。