日向の紫陽花。七色来世。

ただ単にゆっくりでもいいというだけで。誰も止まってもいいなんて言ってない。

幼い頃。私は世界に飽きた。だから世界を変えようとした。けど無理だった。だから自分が変わることにした。変わらない世界のなかで私は私を変化させた。若しくは壊していった。壊して壊して壊した。私は簡単に壊れた。世界を壊すよりも全く簡単に。私は壊れた。世界は変わった。私が見ている世界は私と共に壊れた。綺麗にあっさり崩壊した。私は泣いた。壊れた世界が余りにも不毛だったから。壊した世界は進むべき道を絶たれてしまったから。退屈な世界に泣いた。

私の親友。緑色をしてる。ギザギザで薄くて。日々成長してる。日を追うごとに成長してる。まるで私を置き去りするように。みるみる成長して行く。迷いも戸惑いも無いと言わんばかりに真直ぐ成長してる。私は羨ましくて頭をちょんぎった。一つだけあった頭をちょんぎった。明くる日会ったら頭が二つ成長してた。また真っ直ぐ生きていた。私の知らないところで。空を目掛けて二つの頭で揺れていた。綺麗な薄い緑色を広げて。生きていた。

私は今。結構な幸せ者だ。涙溢れるほどに幸せ者。危険なほどに幸せ者。堕落してしまいそうなほどに幸せ。全く夢にも見なかった。予想と想像の範囲を超えている。誰かの不幸を請負ってもいい。そう思うほど幸せが有り余っている。今までが不幸過ぎたのか。今が幸せ過ぎるのか。分からないが。あまりにうまく行き過ぎて不安だ。とても不安だ。