悲しい夢を見ていた。とても苦しくて目が覚めた。外も部屋もまだ暗く。すごく胸の辺が痛んだ。
悲しい夢を見ていた。生きる気力も湧かなくなるほど。身体が重く石になってしまいそうなほど。今でもまだ身体は熱い。全然まだ起きれるほども寝てないのに、目が覚めた。悲し過ぎる夢を見ていた。ずっとずっと繰り返し。悲しい夢を見ていた。
下の部屋から聞こえる物音に。助けを求めるように歩いてった。足元に力が入らずまま立ち上がり。暗い階段を降りて行った。
悲しい夢を見ていた。物音は朝食を作る母のものだった。それはいつもと変わらない平凡な風景だった。外はだんだん明るんできて。胸の辺りに残る息苦しさと。曖昧だった意識が覚醒してくる。何故かとても安心した。あれが夢だったと確信がもてた。母は『おはよう』と言ってくる。私も『おはよう』を返した。
悲しい夢を見ていた。終わりの無い終わりの夢を。壊れ続けるこの世界を。ずっとずっと繰り返していた。とても苦しくて目が覚めた。そこにはいつもの平凡な現実があった。平凡過ぎてつまらなかったはずの現実が…。