愛知県三河産のイチジクが店頭に並んでいて、
思わず買って帰った。
イチジクは、好きな果物の一つだ。
故郷の実家の庭に、
一本のイチジクの木があった。
外の洗い場のすぐ横にある
丈の低い、そのイチジクの木は
毎年美味しい実をたくさんつけてくれた。
娘たちに食べさそうと、
父が植えてくれていたのだろう。
我が家の庭には、
実のなる木が何本か植えてあって、
イチジクの木もその一つだった。
夏休みの暑い一日の終わりに、
庭の花木に水やりをする。
そして、
その水道の蛇口のそばに熟した
イチジクの薄茶色の実を
もぎ取ってほおばる。
イチジクの実をとると、
その採ったところから
白い液体がにじみ出てくる。
それが、皮膚に触れるとむず痒かった。
でも、
よく熟した実は、
とても甘くてやわらかくて
本当においしかった。
そんなイチジクの木が植えられていた
あの故郷の庭も家も
もう無くなってしまった。。。
遠い故郷の懐かしい思い出の風景。
想えば、遠く
そして
長い日々が過ぎてしまった。