「もうし、もうし、柳川じゃ」
関西・九州旅行を満喫してもう1ケ月になる。先日JR西日本「瑞風」から小荷物が届いて、開けてみたら我ら夫婦の車中での記念写真付きのスタンドだ。本当に思い出がぎっしりと詰まった旅だったな。そうだ、書き残しておきたい訪問地がもう一つあった。それは福岡県の南端「柳川市」で熊本県の大牟田市や有明海に近い。今度の旅行計画の段階ではJR九州が走らせる豪華列車「ななつ星in九州」も魅力的で、調べたらそのルートに「柳川城跡とうなぎの昼食」があった。「ヤナガワ」といえば65年も前高校生の頃、男性合唱で歌った組曲「柳河風俗詩」で今でも不思議に北原白秋のその歌詞を覚えている。「もうし、もうし、旅の人、、馭者は喇叭の音をたてて赤い夕日の街に入る、、」。舟下りのできる水郷の町と聞いていたけれどんな所だろう、と好奇心が募った。下関からレンタカーを借りれば高速で2時間くらいだ。
現地に着いてみてわかったよ!知らずに口ずさんでいた「馭者」とは西鉄の「柳川駅」から旧市街地まで「馬車鉄道」があってその御者だった。ラッパを吹いて発車や到着を知らせたんだな。そして歌詞に出てくる「かね(銅)の鳥居」「欄干橋」「のすかい屋」の意味も納得した。詩人「北原白秋」は城下町「柳河」の名家の生まれで、若いころに離れた郷里に思いをはせて「柳河風俗詩」を書いた。後に作曲されて初演は昭和30年に京都大学の合唱部が披露し、その5年後には私も高校の合唱部で歌っていたのだ。。。旅行のその夜は「柳川」藩主立花家の孫が城郭の中で料亭を開業したという高級旅館「御花」に泊まった。梅雨時のせいかほかに誰も泊り客がなく全く貸し切り!柳川名物の「鰻のせいろ蒸し」や白焼きに舌鼓を打った。翌日雨上がりのお濠「舟下り」も貸し切りで、竿をついて船頭が歌う白秋の「まちぼうけ」が水面に響いて・・・
今週のジャパンタイムズの特筆すべき記事はWhat it takes to save lives on Mount Fuji (富士山の遭難者救助に必要なもの)という見出しで、山梨県側「吉田口」では今年も7月1日が開山の日になった。静岡県側の「富士宮口」「須走口」などよりも10日早い。副題にはWith the iconic peak set to open July 1, rescue teams brace for unprepared hikers. (富士山の開山を7月1日に控え、準備不足の登山者に対し救助隊はいっそう気を引き締めている)。with〜は「付帯状況」の構文で、節ならWhile the iconic peak is set to〜とも言える。記者は1972年3月の大きな遭難事故を伝える新聞をイラストに載せている。However, what began as an ordinary day on Japan’s highest and most iconic peak would soon turn into a nightmare.(しかし、日本の最高峰、象徴的な山頂での普通の一日で始まったその日はまもなく悪夢に変わるのであった)。天気が急変し、雨・みぞれ・強風による低体温や雪崩のために死者18名、行方不明5名の史上最悪の山岳遭難事故であった。(その40年後、2014年9月27日に木曽の「御嶽山」では突然の大噴火で死者58名、行方不明5名の史上最悪の火山災害となったが。)
その年1972年秋、静岡県警山岳救助隊が組織され今では28名が活躍している。五合目登山口では協力金として1000円をお願いしていたが、今シーズンからは入山料として徴収することになった。山梨県では昨年は2000円だったが4000円にして静岡県と歩調をあわせた。。Climbing fees have also been raised to \4,000 per person to help fund safety and environmental measures, (安全登山と環境整備の基金として、入山料も1人4000円にあげられた)。鉄製の頑丈なゲートを建造した吉田口の登山は一日4000人の上限で、 Yamanashi has also strengthened the authority of its Mount Fuji Rangers, who now have the power to turn away climbers who lack the appropriate gear. (山梨県は富士山レインジャーの権限を強化し、適切な装備を持たない登山者は拒否する権限をもっている)。 尾上
