今日もまた大寝坊。マリオンの病室に到着したのは９時半を回っていた。
その時点でマリオンは一人で歩行訓練を３回もやったそうだ。しかし今日のマリオン
は少し不調気味。
幾度か襲われる吐き気。そしてソワソワした様子から僕はナースさんに頼み頓服にレ
キソタンを処方してもらう。
元気無さ気な様子と裏腹に、とにかく今日はよく歩行訓練をやった。
９回の歩行で計８００メートルから１キロ近く歩いたと思う。
むしろ珊内で生活している時の数倍は歩いているだろう。だから珊内生活より鍛えら
れているのかも。
晴天の空の下、２・３度外に出て風にあたる。ヒンヤリとして気持ちが良い。
おかげか足の痛みを訴える。筋肉痛だと思うが、夜の歩行訓練は少し控えめにした。

今日の写真を不思議に思う人も多いと思うが、これは腸を描いたたつもりである。
僕はマリオンに＜イメージトレーニング＞としてメモにへたくそな腸の絵を描きそれ
を揺すって見つめるように言う。
それで自分の腸が動いているようにイメージするのだ。　とにかくあらゆる手段で回
復に立ち向かわねば。
どなたか腸の動きを良くする方法をご存知ないだろうか。もし知っている方があれば
ご一報を！　


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朝、半そでの開襟シャツで霧雨降る外に出た瞬間　失敗と思うほどひんやりとしてい
た。　長袖に着替えようかと迷いながらもそのままマリオンの病室へ急ぐ。なんたっ
て病室は２８度に保たれているので暑いから。　今日もマリオンの気は増しているよ
うに思える。歩行訓練は頻繁に行い、おかげで折角婦人科まで訪ねてくれる外科の回
診を午前も午後も逃し、結局診察受けられず。　それほど歩行に精を出しているの
だ。それにも関わらず、何故腸は活発に動いてくれないのだろう。　　ナースさんが
「何か心配な事とかありませんか？」と尋ねた。するとマリオンは「本当に良くなる
のかと心配です」と答えた。　毎日朝から晩まで介護している僕の目には、明らかに
日一日と表情や動きに進歩が見られ確実に足取りは珊内に向かっているのだが、本人
の心中は不安で一杯なのだろう。　その後、病院１階の軒下で霧雨を眺めながらあら
ためて「心配なのか？」と問うと、「だって体に何本も管を通して思うように歩けな
いんだよ。」と悲しげに呟く。僕は「今の自分と入院前の自分をいきなり比べちゃー
ダメよ。昨日の自分、１週間前の自分、手術直後の自分と比べてみると明らかに今日
が良いのがわかるでしょ。たまには疲れて昨日より不調なこともあるけど。しっかり
と進歩しているから　取りあえず明日を見て行こう。焦らないように」と励ましたつ
もりだが、果たしてマリオンに届いただろうか。　　僕は明日、睡眠不足が解消され
ていれば珊内に行ってこようかと迷いながらビールを飲むのであった。パソコンから
コレを書きこむと文字列が変になってまうなぁ。


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どんよりとした天気。予報では雨だったが、結局降らなかった。気温も最高気温が
１８度との予報だったが、それよりは高めに感じた。　　　午前に造影剤を使ったレ
ントゲンの結果、未だに腸の動きが悪いとの残念な結果、鼻からの管は取れなかっ
た。が、マリオンは消沈することなく勇んで外への歩行訓練に挑む。目元も足運びも
しっかりとしてきている。やはり入院前より精神的な強さを培ったのかもしれない。
　今日は残念な事より嬉しいことも・・・お腹の管が一本抜け、水分の摂取制限
３００ccが制限無しに。しかもジュースもＯＫ。　　ナースさんがマリオンに「何か
食べられるようになったら何を食べたい？」と質問。答えは「梨」。僕は早速梨を
買ってきてまだ固形物を喉を通せないマリオンに、今日の写真のように梨を小さく切
りビニール袋に入れ、原始的に握りつぶして汁を絞りビニール袋の端に小さく穴を開
け果汁を吸わせた。　　日々気力は回復に向かっているようだが、お腹が動いてくれ
ないことには退院できない。予測としても今月中は難しいと思い、僕は思い切って仕
事を来月も休ませてもらえるように電話する。神恵内村は台風１８号の被害で大変な
時であろうが、「しっかり奥さんの看護しなさい」と今月来月を休職としてもらえ
た。これで今月だけでなく来月も付き添いが出来る。そして退院で一緒に僻地へ帰れ
るのではないだろうか。　でもそれはお腹次第だが。そして職を失う恐れは無くなっ
たが、休職に伴う無収入をどう切りぬけるかは、まぁその時に考えりゃーいいか！


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今日もマリオンは頑張った。５〜６回の歩行訓練に挑んだ。確かに足取りとスピード
に進歩を感じる。とにかく腸の働きが回復する事を祈る。　　　今日の歩行訓練での
一場面でハプニングが起きた。　　病院玄関から外に出た時、点滴が地面に落ちてし
まった。　　同行していたマリオン父に病棟に走り本日の担当ナースを呼んできても
らう。　　ナースさんが駆けつけ急遽訓練中止して病室に戻された。　しかし　その
後大きな問題は無いとの判断で再びの外での歩行訓練を許可された。
昼前には今日も連日でマリオン姉が次女を連れて見舞いに来てくれた。
次女はマリオンにお見舞いの品として自作のオブジェをプレゼントしてくれた。　　

そのオブジェが今日の写真になっているのだが、小学１年生が作った物としては大変
良く出来ていると思う。大人になって失った子供の感性を感じた。　　
昼には僕のサイトのお客さんで札幌でマッサージを生業としている坂野さんが、僕の
宿にまで訪ねてきてもらい、看病疲れを癒しますとボランティアでマッサージを施し
ていただく。　ずいぶん体が楽になる。
今夜はマリオンがファンであるジャイアンツが勝っていて、気分上々だったので、僕
は８時半あたりで退散。
今夜は大阪の友人と札幌在住の友人と飲む約束になっていた。
たまには看病と言わず息抜きで飲もうとススキノで飲んだ。
その友人はマリオンを心配するだけでなく、僕の事も心配してくれた。
マリオンの看護に当たっているナースさんに珊内だよりを読んでいる人がいる。　　
ここであらためて敬意と感謝の意を込めて感謝します。　　そして今日マリオン・僕
に関わってくれた人々にも深く感謝します。　　


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僕の滞在する宿は病院の近くのため、珊内では年に一〜二度しか聞けない救急車のサイレンが頻繁に聞こえる。ニューヨーク・マンハッタンに住んでた時、アパートがファイアーデパートメント近くの交差点に面していた。あちゃらの緊急車両のクラクションはけたたましい轟音を響かせる。そのためサイレンが聞こえるとクラクションに驚かないための心の準備が必要だった。
ここ２・３日、マリオンの病室がある６階までお百度を踏むつもりになって階段を使う。一段一段マリオンの快気を念じて踏む。 これは良い運動にもなるが考えてみると、珊内で暮らす上では階段を上り下りする事が無いので慣れない筋肉を使う。 全く体が僻地仕様になっている。
マリオンは未だ鼻管は抜けないが、水の摂取が３００ｃｃまで許された。 そして外へ出る事に積極的だ。それは携帯メールのためもある。マリオンが外に出る度、僕は喫煙する。マリオンも手術日の朝まで煙草を吸うほどのスモーカーだったが、今や僕の煙がかかると怒るような嫌煙家になってしまった。 こりゃーマリオンの退院までに僕も禁煙の必要あり！ 歩行訓練の足取りがスリ足から僅かにスリッパの足音が聞ける程の歩行に進歩した。 日増しに気を感じる。
明日のマリオンを楽しみに寝ようと思いつつ、今夜も寝つけず。

今日は曇りの空に少々蒸し暑さのある一日。 今朝は寝坊も無くいつもと同じ時間にマリオンの病室に到着。 鼻から管を入れた姿は痛々しいが、本人はいたって積極的に歩行訓練を願いでる。 腸を動かす点滴を僕は【至上最悪の点滴】と呼んでいるが、本人には本当にに辛い物らしい。 その点滴が午前と午後の二回ある。 点滴が始まる時は、テレビをつけ 僕は足裏マッサージの体勢に入り気を紛らすために奔走するのだ。 これぞ闘病を感じさせる一時。 坑癌剤治療に至れば、もっと地獄の苦しみを味わっている患者さんも居るのだろうが、今のマリオンにはこの点滴が毎日の地獄なのだ。 とにかく早く腸が働き食事が取れるようにならなければ退院もできない。 だから頑張っている。
夕方マリオン姉家族が来られた。 旦那さんはコンピュータ関係の仕事をされている。 実は僕は自分のノートパソコンを持って来ていたが、ネット接続環境になかった。そこに小樽の友人が わざわざ新品のモバイル接続機器を買い、貸していただいたのだが、接続がうまく行かず困っていた。 そこで旦那さんに見てもらったところ、見事ネット接続に成功。 わざわざ近所のホテルのロビーにある１００円１０分のパソコンでメールチェックする必要がなくなった。 皆さんのおかげで僕は、マリオンは、救われております。
蒸し暑さも落ち着いた夕方、マリオンは突然外に出たいと言い、車イスで玄関先へ。 横に並んでお互い言葉無く携帯でメール交換してました。
夜は風が出て雨が降り出した札幌の夜、眠れずに居ます。

毎日 朝８時半までにマリオンの病室に入っていたが、今日は寝坊した。 起きたのが９時過ぎ。慌てて顔を洗い出かけた。
いつも通る道すがら、非常に気になる家がある。そいつが今日の写真なのだが、夜に灯りがついて無いので空家と思われる。周りはコンクリのマンションや閑静な住宅に囲まれポツンと建っている。 僕は結構 心惹かれている物件。 見て懐かしさを感じる。
本日　マリオンに実に気の毒な事が降りかかるとは露知らず、僕は呑気に病院へ通った。 鼻からの管が抜け、明るい兆しが見えていたのだが、毎朝のレントゲンでどうにもお腹の動きが鈍く、またガスや排冩物が溜り管を通さざるおえなくなり、何も悪い事して無いのに午後にまた鼻から管の刑に科せられた。とんでもなく辛い事だったはずだが、今日のマリオンはチト違う！日差しも無く、沙場への歩行訓練はなかったが、病棟内の歩行訓練をナースの呼び掛け無しでも僕に「歩くかぁ」と自ら実行を持ちかける。まったく頼もしい。 ひょっとすると、今回の入院・手術はマリオンの精神力を強くしているのか、はたまたボーダーを越えた所に達してヤケになってるのか？ できれば前者であってもらいたいが、どーであれ お腹のためには運動は必須。動こうとする姿勢は僕まで嬉しくする。 だから喜んで歩行訓練を手助けし付き添う。 回数が多ければ多いほど喜びだ。 やはり鼻から管の刑は 相当こたえたか、もうこれ以上勘弁、という気持ちがマリオンを動かしているのだろう。

朝から爽やかな一日。微熱が残りながらも、今までがかなり辛かった事でマリオンの表情も爽やか。
午前と午後の二回 外の駐車場で歩行訓練。午前は元気で愉快なナースさん付き添いでマリオンと僕の３人バカ話で笑いながらのホノボノした訓練だった。 午後はベッドから起き上がるにもナースの補助無しで僕とマリオン二人の共同作業で歩行訓練。 病室からエレベータホール、一階へ降りて外の駐車場へ出て大きく歩いて回る。途中へばった時のため僕は車イスを押しながらマリオンの歩行を見守る。
今日はマリオンの調子も良好なので、僕のわがままを聞いてもらう。 それは たまたま昨日気付いたのだが、僕の宿近くに【くう】というライブハウスがある。９月１５日が２ヶ月に一度のジャムセッション だったのだ。 ここ２週間スティックも握って無いので、うれしいグッドタイミングだと思いマリオンの付き添いを夜７時で切り上げさせてもらい参加してきた。
この【くう】という店は、２年ほど前、札幌のアガルタ通信という派手なバンドで臨時メンバーとして一度だけ演奏させてもらった事がある。 だから店に入るのは二度目。
ファーストステージで２曲叩きインターバル中、店のマスターがやって来て「前に出演してもらいましたよね！アガルタ通信で。」と話しかけられた。 【くう】は外国や東京からのミュージシャンも出演する店。たった一度の出演で しかもそれ以外店に顔を出した事も無い僕に声をかけてもらえ恐縮した。 実は １８日はアガルタ通信の出演。 都合がつけば聴きにいこう！
セカンドステージでは２曲四分の一叩く。四分の一とは 今日は４人のドラマー居て、最後の一曲を代わる代わる叩いたからだ。 久々にスティックを握ったこともあり、セカンドステージでようやく調子が出てきたが、そこで終了。 予期せぬ楽しい一時を過ごせた。 マリオン ありがとね。

今日も朝から雨。しかも風が強い。台風１８号で倒れた大木達は大掛りな切断・撤去工事で片付いたが、弱ってた木々の枝が折れて垂れている。台風の影響はまだ尾を引いているようだ。
今朝マリオンは昨日に引き続き半眼で無口なウツ状態で、またもやレントゲンへ。 しかし 病室に戻って間もなく外科医が数人やって来て僕は退室させられた。２０分ほどしてナースに入室を許され入ると、そこには別人のように明るい表情のマリオンが居た。 鼻の管が消え、首からの点滴が手首に移っていたのだった。 管が喉を通らないので声も出すようになり、胸元のゴチャゴチャした管がなくなって手元の動きがわりとスムーズに。 しかし こんなに一気に人の表情は変わるのかと感心した。 ただ体温が今だ３７度５分をウロチョロしてるのが気になるが、解熱は明日のノルマに回しても 今日の進展は充分に喜び余る。
昨夜はあまり眠れなかったらしく昼間にあくびを連発しウトウトしているマリオンを僕は゛しりとり゛なんぞやらせながら睡眠を妨げる。
やっとこさ回復への道は、これが第一歩なのだ。 来週あたりから食事を取れるだろう。そこからセカンドステップが始まる。今夜もマリオンは安値に釣られて買った、こどもトラベルセットのメロン味歯磨きをしているのだろう。

↓の日付は９月１３日の間違えですわい。