ベランダの前の琴似発寒川の水面が凍りつき、犬の散歩の人々の足跡が残っている。
アラスカやスウェーデンやカナダで見てきた光景だったが、窓の外にそんな光景が当たり前のように見られる事にちょっと感動していた。
今の部屋は前々から狙っていたローケーションであり、貧しいながらも自分なりに凝ったレイアウトの室内で気に行っていたのだが、間もなく転居する。
最大の要因は、1月初めに越してきた階上のバカ住民のただならぬ生活音。
やはり音にこだわる者として、音の悪環境はイケない。
そして・・・・
毬音を喪って5年8カ月。 まだまだ喪失感は拭えないけれど、独居には健康上不安が付きまとう年齢になった事もあり、毬音を含めて僕を受け入れてくれる人との同居に踏み切ったわけである。
彼女は猫を飼っていて、現在僕の住居はペット禁止なので転居とあいなった。 僕もサイレンを喪って久しいし、毬音も猫好きだった事から、ひょっとして毬音の導きなのかもしれないとも思っている。
ある意味、やっと毬音を解放してあげられたのかもしれない。
毬音にとっても、安堵を得られる事だろう。









