珊内で暮していた頃、愛猫サイレンが姿をくらまし、ほぼ死亡したと確信するくらいの時間を経た頃、マリオンはよく僕に尋ねていた「サイレンは今頃どの辺かなぁ?」
その都度僕は「三万光年くらいの所かな!」と、死後は宇宙の果てに魂が帰って行くかのように答えていた。
今毬音はまさに宇宙に解放された存在。と言うより宇宙と一体になったわけだ。 そう、この世で肉体に縛られ苦悩している微小な存在の僕には構う余地もないし、僕が毬音を惑わせてはならない。 僕は僕自身でこの苦悩を乗り越えるべきなのだが、やはり現状では孤独感を拭えない。
愛されるより、愛する事が自分の本分だとわかっていても、愛されたいと欲をかく自分に嫌悪を抱きながら生きるしかないのだね。
毬音の居る宇宙空間に辿り着くまで、あと4年と9ヶ月ほどだな!