チャンカーはマリオン


 ●●●  余命
余命
体調が悪くて今日バイトを遅刻した。明日は休んで病院へ行くように上司に言われた。
夜に母から電話があり、千葉の叔父が癌で余命二か月らしいと聞かされた。本人はそれを知っているのか気になる。
毬音の場合、2005年4月の段階で医者から「持って年内」と言われながら6月に逝ってしまった。毬音本人には余命の事は伝えなかった。希望を持つ事が免疫力を強化すると信じ「来年アラスカにオーロラ見に行くぞ」と約束していた。結局その希望は叶う事なかった。僕がアメリカ入国出来ない事情もあり、約束のアラスカではなかったが、毬音のサイト「no―run」の北欧旅行記の結びに『次はカナダ・イエローナイフかアラスカに行こう』とあったのでカナダ・イエローナイフに毬音の遺骨と一緒に行きオーロラの舞う下で遺骨の粉になった一部をわずかに撒いた。
とにかく 余命 という言葉で、これだけの想いが噴出す。
叔母の今の気持ちを思うとたまらない。

人が人を想う気持ち。その矛先を失う恐怖と喪失感。

愛する人を腕の中で喪う絶望を味わって初めて知る感情もある。
僕の人生は絶望がメインテーマかのようだ。
2007/10/31 (Wed) 0:38

 ●●●  珊内は雨
珊内は雨
今週は日曜月曜とバイトは休み。日曜は天気に恵まれながらも一日中部屋に引きこもりゴロゴロ寝たり起きたりして過ごしてしまった。おかげで夜中に目覚めて恐怖の退屈(実は孤独感)に襲われてしまう。本当ならば、ここ二か月さぼっている動脈瘤の定期検査に行かねばならないと思っていた。しかも最近糖尿の気も感じるのでことさら行く必要を感じるのだが、現在の我が家の経済状況は医療費の余裕は無い。まぁ痛くて動けないわけではないからいいとする。だが、この孤独感は危機的状況と思えた。だからあえて毬音の思い出多き珊内まで走る事にした。今の珊内は僕にとって毬音を喪った想いより、唯一毬音と逢える場所となっているようだ。夜中三時半に家を出発。余市を過ぎ古平手前から雨になる。珊内到着は五時半。夜が明ける前だ。
やはり僕には動脈瘤の定期検査より、時々の珊内の海の方が必要なのだ。今日の海は良い感じで吠えている。
得るものより失うものが多いと感じる今、すでに死を目標に生きているような気がする。人はみな生まれ落ちた瞬間から「死」が終着なのだから、僕の持つ考えが特別とも思わないが・・・。
僕の人生で心から愛せた、そして偏屈な僕を愛してくれた毬音という存在を得られただけでも生まれて来た甲斐はあったというもんだ。 このあとは余生。流れに任せよう。 なるべく人様の迷惑にならないように祈りながら。
やはり僕の人生には毬音しか居ないらしい。
さて 海のほとりで波音聞きながらひと眠りするか!
2007/10/29 (Mon) 12:56

 ●●●  ギグ@てるてるぼうず
ジャズの生演奏にはちょっとミスマッチな店名と思われるだろう。僕も初めての店だった。見ると本来バー・スナックとして営業してるようで、今日は特別にテーブルと椅子を取り除けてライブスペースをさいてくれていた。今日のメンツはピアノ・ケニー(れっきとした日本人)ベース北山雅之とのトリオ。ケニーとはここしばらく一緒に演る機会が多い、と言うか彼がギグを回してくれるのだが、今日の演奏である事を実感した。彼の呼吸が伝わり僕の呼吸も読んでくれている事をヒシヒシと感じ取れて楽しい演奏だった。ベースの北山も良い! ソロのセンスも良かった!ケニーに薦めた甲斐があったというもんだ。確かに僕のリーダーライブの時とは雰囲気も違い破壊的な音は出さないけれど、僕の好きなピアノトリオスタイルで演れるのは有り難い。
ケニーはギグの度に名前が変わるという謎のピアニストなのだが、彼の音は美しい。毬音も満喫しているだろう。少し残念なのは店の都合上デジタルピアノ使用が多い事。北山と言ってたのだが、ケニーと生ピアノで演ってみたい。
さて てるてるぼうず店内にはケニーのおかげで、いつものように年齢層高めのお客さんで満員。中には僕を覚えていただいたお客さんも居たりしてケニーには感謝あるのみ。
今夜は演奏後 車でニセコまで行くつもりだった。今日ニセコでは小樽ジャズ倶楽部というサークルが、僕も以前何度か参加させてもらった合宿をしている。今夜は一人で居るのがちょっと嫌な気分だった。かと言って誰も時間を共にしてくれる人も無し。たまたま今夜は合宿だと思い出し、行こうと思ったが、帰宅してみると疲れが出て2時間の単身ドライブが億劫になり断念。明日 天気が良くて気力があれば珊内まで行こうと思う。

最近思う・・・ 毬音は恋しいし想う気持ちはあれど、一人で過ごす時間の虚しさに打ちのめされそうだ。時間を共有してくれる人は居ないだろうか? そんな相手がもし現れたとして、、、いいよね!毬音。
2007/10/28 (Sun) 1:45

 ●●●  遠い世界
流れ者の定めは、流れる事にある。水の如くとどまれば腐る。
だからそろそろ遠くへ行くべきなのかもしれない。取り巻く環境・状況がそう促してるように思う。しかし経済的には叶わぬ現実。
運命は俺をどうしたいのだろう。毬音を喪い、更に希望を奪い、人格を卑屈に変え、絶望だけを見せつける。

毬音に再会叶う旅はいつ発てるのか…

う〜〜ん 最近思考がネガティブだ。
どんなに無様でも生きていかなきゃ。
2007/10/25 (Thu) 2:17

 ●●●  ライブ@ロンド
昨日・一昨日と風邪でバイトを休んだ。これは死活問題だが仕方なかった。年齢的に風邪ごときでも体力を奪われ労働できなくなってる自分が悲しい。しかし演奏となると別なのか、昼の倦怠感は何処吹く風、ドラムの前に座ると気分上々。
だが、、、、、天気が悪いせいかお客さんが・・・・ まぁバンドメンバーより少なくはなかっただけ良かった。マンツーマンの演奏と言いますか、ネェ! 僕の体調も万全じゃなかったし。。 鼻水垂らさなかったから良かったとしましょう。なぁ毬音!お客さんの一人からはメンバー全員に「おひねり」も頂いたし。
本来今日の出演はギター・ベース・ドラムのトリオだったのだが、ギタリストが風邪でダウンしたらしく急遽サック島谷かよに依頼した。サックスのしまかよは以前このロンドで毎月一緒に演奏してたし頼りになる。ありがとう!
しかし巷では風邪が流行っている。皆さんは大丈夫ですか?僕の風邪は頭のフラツキと咳が残ってるものの熱は下がった。
明日もバイトだ。ハイネケン飲んで帰ろ!
2007/10/21 (Sun) 0:08

 ●●●  28回目の月命日
土曜日に毬音の好きなオムライスは頂いたので、今日はカッパ巻と好物だったインスタント焼きそばのやきっぺを作った。僕はやきっぺを作るのが下手で、生前のマリオンが作ったやきっぺが好きだった。マリオン曰く「水分をあまり吸い込ませないうちに仕上げる」のだそうだ。今日はその通りに作ってみた。なるほど、硬めの麺が美味い!  デザートにはやはり好物のひとつシュークリームと乳酸飲料ソフトカツゲン。ほぼパーフェクトなメニューと思われる。しかし料理しながら頭がフラフラしている。食後に検温したら7度3分。微熱ありだ! 昨日に比べ喉の痛みも薄らいだから治りかけと思っていたが、そうでもなさそうだ。そして風邪との因果関係は不明だが、また舌がしびれて軽い味覚障害をおこしている。物の味がうまく味わえない。そのうち治るとは思うのだが、すでにステロイドの投与はしてないので、前回の味覚障害は薬の副作用だろうとの予測は間違っていたのかもしれない。だとしたら何だ??  最近投げやりな気持ちになることが多いが、突き詰めて精神を病むより投げやる事も必要なのかもしれないと自分に言い訳してみる。
あぁ悪寒がする。鼻水鼻づまり。咳。めまいが・・・バイトを休むのも死活問題だから、今日は早く寝た方がよさそうだ。
2007/10/16 (Tue) 20:14

 ●●●  ギグ@Bar SAGARA
ギグ@Bar SAGARA
2〜3日前から急に冷え込んだ。我家も急遽トイレ用の小さな温風ヒーターをつけて暖を取るも、昨日辺りから頭がふらつき喉も痛く咳が出るようになった。風邪だ! 近所の公園に夏前半あたりからホームレスの男性が住み着いていた。僕は旅人と呼んでいた。その彼もついに寒さに耐えられなくなったのか、居なくなった。たぶん南へと旅立ったのだろう。
さて、ロンドまでしばらく演奏の無い寂しい日々と思っていたが、一昨日急遽今日のギグが舞い込んだ。ギグの場合、毬音が喜ぶと言うより僕の生活が大変助かるわけである。サックスの蛇池さんとは幾度か顔を合せてはいるが、共演は初めて。なんとも綺麗な音色のアルトサック奏者でフレーズも僕好みの音使い。おかげで実に楽しいギグになった。
風邪で熱があったのか、演奏中目を開けているのが辛く目を閉じて演奏してると頭がボヤ〜っとしてしまう場面が少々あったが、集中力は大きな空白を生むことなく演奏できた。ただ、ドラムスペースが狭く何度かピアノに手をぶつけてしまい動きに制限があった事が残念だった。しかしお客さんのウケもヨシ!演って楽しかった事でこの面子での演奏は、また機会があるだろう。
昨夜、僕のライブをよく聴きにきてくれる小樽の方がわざわざウチまでお米10キロ・風邪薬、毬音にお花・手作りのオムライスを持ってきて頂いた。まったくもって皆さんに支えられて暮らさせてもらっている自分である。
明日は風邪を治すために一日グータラと寝て過ごす予定。
演奏は楽しく、ギャラも入って助かった、何も文句の無い一日だったのだが、帰宅途中とてつもない虚しさに襲われた。帰宅して即頭に浮かんだのは、昔僕が作った俳句「こんなに寂しい夜もあるのか」だった。 なんだか自分に負けそうな夜だ。風邪のせいだと思うけど・・・・
もう何も当てに出来ない世の中を知らねばならない。

明日16日は毬音の月命日。僕の命持ってくか?毬音。
2007/10/15 (Mon) 0:48

 ●●●  インソムニア
寝むれない。
いや、寝てしまえば寝るのだが、寝付けない。考える事が多すぎるのかな? 眠気を感じながらも寝ようとしない自分が居て、寝かせてくれない。
これが「秋」というものなのか。
諦めない事の難しさ、周りの流れとのバランスを取る難しさ、自分を位置付ける曖昧さ、信頼という迷信への疑心、、 生きてるのも気怠い。
とか言いながら明日も笑う事のある一日を過ごすんだろうなぁ。

こりゃ ライブ増やさなきゃいかんな!

これじゃ毬音が心配するよなぁ。
2007/10/10 (Wed) 2:45

 ●●●  音座なまらいぶvol9
音座なまらいぶvol9
9回目を迎えた小樽の音楽イベント・音座なまらいぶ。生前のマリオンも楽しみにしていたイベントなだけに、僕も参加する意味は大きい。ましてマリオンとの出会いの店、フリーランスでの演奏。今回はリーダー・アルトサック島谷かよ、ギター小谷宗且、ベース北山雅之での出演。わずか40分ほどの一回ステージと短いが、昨日からの落ち込み気分を晴すかのように叩いた。自分自身の評価としては十分な点数をつけられないが、やはりドラムを叩く事は僕には欠かせない事と思い知る。祈りであり、自己解放と研磨であり、伝達。
ここ数日珍しくライブが続いたが、これでしばらく間が空く。そうなると自分の精神バランスを取る手段を他に考えなければ。
毬音よ!今日は楽しかったか!?
2007/10/08 (Mon) 1:05

 ●●●  ギグ@和音
ギグ@和音
今月の和音は先月よりお客さんが少なかったようだが、相変わらずユニークな客層だった。ステージ途中、店のママさんが「札幌ブルース」(ブルースと名はつけど内容は演歌)やタンゴ調の曲を歌う生オケ状態もあり。なんだか昔 神戸のキャバレーで演歌のバック演奏してた時を思い出して苦笑いがもれたね。でもこれもシノギにつながるわけである。ここ和音でのバンドリーダー・バンコック(仮名)の選曲は僕好みであり楽しめる。

ネットのとあるサイトで知り合った九州の女性と一年以上メールや電話を交わしていた。知り合ったきっかけは彼女がジャズミュージシャンの彼氏との離別の苦しみの相談を受けた事から。自殺を考えてたり自暴自棄になり酒に酔い潰れ道端で寝たとかの話を聞く度に叱咤したり励ましてきた。僕は僕で時折激しい孤独感や絶望感に襲われた時、タイミングよく彼女からメールや電話をくれて幾度も救われた。
しかしここ最近絶縁状態となる。 彼女が寂しさから好きでもない手みぢかな男性と不倫関係になった。もし彼女がその男性に真剣な気持ちを持っているのなら応援するつもりだったが、あまりにも彼女の身勝手な態度に僕は呆れてしまい怒ってしまったのだ。 彼女の寂しい気持ちは解るが、人の気持ちを考えない彼女に悲しくなり、ちょっとキビシイ事を言ってしまった。以来連絡が無くなった。 また一人数少ない知り合いが消えたのかもしれないが、それはそれで仕方ない。 人の気持ちをもてあそぶ奴は許せないが、自分の気持ちまでももてあそぶ奴は大嫌いだ! その点、僕は自分自身も大嫌いな部類になってしまうが・・・・

和音の帰り道、慣れない道を車で走っていたら、知らないうちにマリオンが手術をした病院の前に出てしまった。とたんに涙が溢れ出した。 マリオンが余命わずかでもまだ元気だった頃、「よーこは死ぬのかなぁ」と口にしていた。嘘がつけない僕はその度に「よーこが居なきゃ俺はダメなんだよ!」と直接の返答を回避していた。が、今 本当にそう思う。
やっぱり僕には毬音しか居ないのか!と。生涯を孤独に過ごすしかないのなら、もうこの辺で勘弁して欲しいものだ。
2007/10/07 (Sun) 0:48

total : 152281


<<PREV   HOME   NEXT>>