【※重要なお知らせ】Alfoo有料化への移行に伴う重要なお知らせ。
いずみださんの活動日記


◆ ◆ ◆ 7月28日 ◆ ◆ ◆
昨晩、マンダラ2リハーサル開始前に、ベースの丸山氏から、川村カオリさんが永眠された話を聞きました。

リハーサル中は、自分のやるべきことで精一杯だったため、上記内容をあまりリアルに感じとれないままに時間が過ぎましたが、今朝目が覚めてから、川村さんの訃報を改めて見た中で、言葉にならない悲しさと複雑な思いがこみ上げてきました。

思いだすこと、私が川村さんの癌再発の内容を耳にしたのが
昨年の10月2日だったこと、今でも鮮明に覚えております。
当時、出勤する前の目覚ましTVで話題となっておりました。
その後、すぐ勤務先のPCから、本人によるブログを拝見し、その日以来時々、川村さんは元気かどうか気になるようになっておりました。

日常の中で、生活するだけでも抱えきれない悩みや問題が生じますが、その多くは、「明日以降も人生が続く」ことが前提、先々の事(未来)を予測する上で、生じる悩みや苦しみだと思います。少なくとも私はそうです。

何気ない生活の中で起こる問題は、
「生きるか、死ぬか」→本当にこの境目を目の当たりにした時、私が抱える多くは、生命が継続できる上で、安定を感じているからこそ生じる悩みでなのであること、
川村さんの訃報までの今日、そういったことを考えながら過ごしておりました。
だから健康上問題なく過ごしている中で起こっている現実に対しては、今時点でどんなに苦しくても、健康でいる限り逃げないで取り組んでいく義務があると、痛感させられます。

そういった思いの中、川村さんのブログを読み返し、改めて思うことは
人間が生きる根本の本質、本当に生きる上で大事なことは、あらゆる場面での立ち位置がギリギリになったときに=「生死」という最大のテーマを目の前にして、はじめて気づかされることが多く、その実態は非常にシンプルでなもなのだ、と、川村さんの命削った活動の数々で、微量ではありますが、強く感じさせられました。

大事なことのポイントは、「生き続けたい」希望以外の欲を全て排除した時にしか見えないのかもしれません。
生き続けられることが当たり前の上に存在する欲が渦巻いているうちは、人はなかなか他者に対して本当の意味で優しくなれないし、自分の欲望だけで精一杯になってしまうのもなのだと、自分自身を見つめるだけでも、痛感させられました。



上記のようなことを思い巡らせながらも、もう一つ同時に気がかりなのが、やはり、残された愛娘ルチアさんです。
愛娘ルチアさんは、若干7歳とのことです。
川村さんが昨年1月、再発という現実を目の前にした当時、
川村さん自身、愛娘との未来をどう感じていたのか、親として当然子供の未来と一緒に生きて行きたい思いは強かったはずですし、同時に過ごせなくなった時のことも考えると、言葉を超えて居ても立ってもいられない思いでいっぱいだったのではないかと、想像できます。

愛娘のルチアさんも、お母様の現実含め大変な試練を現実とし、今後生きていかなければなりません。
これは、自分の経験からの実感したことですが・・・・
人間が様々な困難に打ち勝っていく原動力の一つに、積み重なった親子の間の関わり、思い出等、影響力が大きいこと、この歳になって実感させられます。
よって、自分と親との関わりを念頭にルチアさんのことを考えると、幼い時期からの大試練、言葉の範囲を超えて、ただただ涙がこみ上げてきます。

当分の間、ルチアさんは
小さな体では受け止めきれないほどの多くの悲しみを実感しながら、大人への道をたどっていかなければなりませんが、数多く生じる自分との悲しみから逃げずに、それらと取り組んでいくことで、その分(いや、それ以上に)他者の気持ちを感じ取れる、先見の目をもった人間になっていくはすだ、と、願っております。
その能力こそ、ルチアさんが抱える悲しみを乗り越えていくための原動力になる、と思っております。

自分の悲しみが、他者の気持ちに対する洞察力と優しさに還元できるような人生を送れるよう、周りの大人もルチアさんに対して、大事に接していかなければならないと、思います。

いうまでもなく、私の立場から直接関わることはできませんが、願うことが許されるのであれば、遥か遠い存在ではありますが、ルチアさんの成長、影ながら見守らせていただきたい思いでいっぱいです。

「しっぽっぽ!」を長年みていただいている方にとって、
「エンターテインメント内容を日記に採り上げること自体、非常に珍しい」
と思っている方、多いのではないかと思いますし、自分でも世間の内容を話題にあげることを、長年控えてまいりましたが、川村カオリさんを通してこの9ヶ月様々なことを考えさせられ、私自身にとっても影響力が大きかったこともあり、この場を借りまして、自分の思いを書かせていただきました。ご了承ください。

以上、長くなりましたが、最後に


よく一般でいわれる
「天国でゆっくりお休みください」「天国から見守ってください」等の、「天国」や「見守る」こと自体、本当に存在することなのか・・・こればっかりは、生き続けている限り解明できない永遠のテーマでありますが、
今日だけは「ある」ことを前提に、書かせてください。


川村様、安らかにお眠りください。そして、ルチアさんはじめ、川村様
の大事にしてきた方々に至るまで、今後、それぞれが希望を持って生き続けていかれるよう、天国から見守っていてください。

心より、ご冥福をお祈りいたします。


2009/07/29 (Wed) 12:23



◆ ◆ ◆ 残念なご報告 ◆ ◆ ◆
梅雨も明け、非常に暑い日が続きますが、皆様、体調崩さずお過ごしでしょうか><

本日も非常に暑いですが、そんな蒸し暑さの中、
皆様に残念なご報告があります><。。。

皆様のご協力のおかげで奇跡的に獲得できました、「でれんの?サマソニ」セカンドセレクション以降の通過結果ですが、
昨日、その通過者だけにメール連絡がくるという設定のもと先方からのご返事を待っておりましたが、
残念なことに、Tail'zにはメールがありませんでした(涙)。。
よって、セカンドセレクション通過になりませんでした。

長期にわたる投票、皆様から与えていただいた力を、私達の力不足により、偶発的な運まで持っていくことができず、
ご協力していただいた皆様には多大な苦労と疲労だけを残す結果となってしまいました。

今回の結果に対し、この場を借りまして深くお詫び申し上げます。

残念な結果となってしまった今回の参加ですが、通常範囲を超えた企画に対する取り組みは、Tail’z一同、今後の活動に絶対多大なる影響と力になるはずですので、
我々の力不足は多分にあるものの、今後とも変わらぬお力添え、エール等、宜しくお願い申し上げます
改めまして、本当にありがとうございました!

・・そして、内容は変わり・・・
今回の悔しさを今月20日から続くライブに生かしていきたいと思っておりますので?!!
ご都合あうことがありましたら、悲しみの涙と途方にくれている我々を、是非応援しに来ていただけたら幸いです><
改めまして、宜しくお願い申し上げます(涙)

●7月20日(月・祝) Jazz Live Bar・東京倶楽部
Music Chage1500\(+テーブルチャージ¥630+飲み別に含む)
→テーブルチャージが高いことで、お支払い総額が高くなるため、Music Chageに関しては値下げ交渉をしますよって、正式な値段は、また後日お知らせさせてください)
※共演、somari45
※時間/
19時10分〜40分/somari45
20時10分〜40分/Tail’z
21時10分〜40分/somari45
22時10分〜40分/Tail’z

東京倶楽部//東京都千代田区神田駿河台2-11-16
さいかち坂ビル地下1階
03-(3293)-6056
http://www.tokyo-club.com/intro/


改めまして。。。
この約一ヶ月にわたる企画に対し、熱い声援とご協力を与えてくださった皆様へ、Tail'z一同、この場を借りまして深くお礼申し上げます!!
本当にありがとうございました
2009/07/16 (Thu) 12:34


◆ ◆ ◆ 長い間、ご協力くださり、ありがとうございました!! ◆ ◆ ◆
この度、長い期間のご協力の甲斐あり,
特に問題発覚せず、サマソニ投票によ
る1stセレクション通過することができました!!

連日投票に関わってくださった皆様!
いきなり意味不明なメールを受け取る羽目になった皆様?!含め、
この16日間、時間と労力ともにお力添えしていただけたこと、
この場を借りまして、深くお礼申し上げます(涙)

本日より、総勢206組からさらに絞られるみたいですが
…ここまで歯磨のようにご協力していただいたにも拘わらず、
キャリア無きTail'zは正直、非常に難しいと思われます

2ndセレクションは、もう運にまかせるしかありませんが、ご協力してくださった
皆様の力強いパワーが、普段あまりツイテいないTail'zに、偶発的な運をもたらして
いただけるよう、本日からメンバー全員、神頼みしたいと思っております?!

まだまだ結果がでない、微妙な期間ですが、
改めまして、この長期間にわたるお力添え、この場を借りまして深くお礼申し上げます(涙)
本当にありがとうございました!!

泉田

2009/07/07 (Tue) 18:20


◆ ◆ ◆ 困ったぞ。。。汗 ◆ ◆ ◆
いつもお世話になっております><
実は皆様にお願いがあります(涙)
先日、友人のお薦めで、サマーソニックの出演応募をしたのはいいのですが・・・
投票数が必要であることから、あまり人気のないTail'zにとっては、厄介な事態となっております。。。

ぜひぜひ哀れに思ってくださるところ多分にありましたら 清き一票宜しくお願い申し上げます><

一人一日携帯とPC合わせて2票まで投票可能ですので、 合わせて宜しくお願い申し上げます(涙)

web投票期間:6月18日(木)11:00〜7月6日(月)18:00

投票はこちらから↓
>PCアドレスから
http://eplus.jp/meets/

>携帯アドレスから
http://emeets.jp/mobile/artist/1870.html

お忙しい中、本当に申し訳ありません。。
個人メールを登録する必要は一切ありませんので
ぜひぜひ宜しくお願い申し上げます(涙)
2009/06/19 (Fri) 5:37


◆ ◆ ◆ 忘れないうちに書き残したい感想 ◆ ◆ ◆
私は大学院の頃から、時間がある限りインプロライブに足を運んでおります。
言うまでもなく、自分が「音」の持つ面白さに目覚めさせてくれた切欠は、インプロでした。

今まで観た中で、最も印象に残っている即興デュオのひとつが、大泉学園インエフでの上野洋子さんと坂本弘道さんのボイス&チェロでした。

音同士が「合う」という概念、そして楽譜がない、全く「0」からスタートしていくなかで、ある一つの「概念」と「意味をもった」展開になって行き、「結」にいったときに、はっきりと言葉で表すことができなくとも、関連性ある形ができあがっている凄さに、音の持つ可能性を見たこと、今でも鮮明に覚えております。

ただ、ここ最近自分自身も楽曲を作る、アレンジを手がける機会がノンストップで続く中、リスナーとして「インプロ」に対して求めるものが「音の合わさり」「展開」意外にあることがはっきりしています。
それは、
『0から発生していく流れの中で、一つの概念をもった展開になっていくのと同時に、「世界観」をも導いていく構築力』です。

まだまだ人に語れるほど、インプロライブを観切ってはいないのですが、作品としてはじめから出来上がっている楽曲を発表していくライブでも、舞台上の行為があって始めて作られていくインプロライブでも、作リ出す手法・発表の入り方が違うだけで、最終的には、関わるアーティスト自身の
「個性ある世界観」が表示されなければならないのは、根本的に一緒であると常に思っていたことです。

普段から時間のある限り、様々なミュージシャンを見に行く中、
「音質の合わさり」「展開」まではあっても「世界観」まで到達するインプロライブは、ここ最近出会いが無かったように、思っておりました。

すべての人がそうではありませんが、目に見える、わかりやすい「音質」「ニュアンス」「異質同士の対比」「フレーズの展開」、ここまではできていても、流れの中で徐々に生まれてくる「あるひとつの関連性を帯びた展開=形」まで読み取っていく洞察力と勘は、そう簡単に身に付くものではないと
最近、プロを見に行くと尚更痛感します。

そんなリスナーとして、表面的なものを越えた「先」が見たい!と思っていたところに、「世界観」まで構築できるインプロライブに出会いました。

Tail’zのメンバー全員が大ファンであるのと同時に、勝手に尊敬させていただいている、フリージャズアーティスト藤井郷子さん、田村夏樹さんの率いるインプロバンドのライブです。

昨晩のライブの共演は、今、若き才人として注目されている山本達久(Dr) さん、チェリー・チュルコ(G)さんだったのですが、昨年同じメンバーで観たライブとはまたアプローチが違っていて、本当に面白かったです。

リスナーの一人として、一番物足りなさを残すインプロライブは

「出し物を出すだけだして、展開が間延びするもの」
「それなりに展開があっても、2回、3回やると手法が一緒で、結果的に何を構築していきたかったか、曖昧なまま終わってしまもの」

なのですが、昨晩の藤井さんと田村さんのインプロステージは、一回一回、手法として被るものがなく、しかも無駄のない展開と流れの結論を決めるエンディングのタイミング、そしてなんと言っても、展開の繋がりから関連を帯びる、ある一つの世界観が見えてくる「創作力」「空間構築の洞察力」は、私でも言葉に書き表せないほどの素晴らしさでした。

私があえて言うまでもなく、藤井さん田村さんは、本来あるべき即興の本質をわかっている、数少ないアーティストの一人であると強く思いました。
昨晩のライブを見ていくうちに、(日本に即興教育の基盤があまり根付いていないのが原因かどうかわかりませんが)

「自身の行為だけで終わっていることに気づかない即興プレーヤー」プロでも多いこと、そして音楽に限らず、一番獲得することが難しい感覚は
『自身の形を見抜き、表面に出す能力なのだ』
と、強く感じました。

確信もっていえることは、ジャンル関係なしに、表現の向かう先は「オリジナリティー」追求なのだと思いますし、オリジナリティーの真髄を追求する道こそに、表現を超えた人間の人生の本質があるのだと、自分の中にある様々な思いがリンクされていく感を感じ取った夜でした。
本当に心から深く感動させてもらいました。
また行かせていただきます!

2009/06/18 (Thu) 4:36


◆ ◆ ◆ 嬉しいお知らせ ◆ ◆ ◆
先日お伝えさせていただいた、J-WAVEネットラジオ『MUSIC HYPER MARKET』6月6日更新分で、Tail'z「Pendulum」が、(→「Montage」から「Pendulum」に変わっていたのが少々疑問ではありますが・・?!何時の間に?!)皆様の拍手ボタンのご協力いただいたおかげで、21位から8位に一挙ランクアップされていました!!

遅れましたが、この場を借りまして深くお礼申し上げます(涙)

そして、その上記番組6月13日放送更新分で、2週連続「Pendulum」が流れているのですが、埼玉県のユウリ様からのリクエストが切欠との内容でした!

自分たちのテリトリーを超えた方々から聴いていただける幸せ、それがたった一人でも二人でも、人数関係なしに嬉しい気持ちでいっぱいです(涙)

ユウリ様!そして、普段からTail'zの楽曲を聴いてくださる皆様、改めまして深く深くお礼申し上げます★

本当にありがとうございました!!

●6月13日(土)更新分J-WAVEネットラジオ『MUSIC HYPER MARKET』
Tail'z「Pendulum」放送中!
http://www.j-wave.co.jp/radiobar/ms_contents.htm
(画面右上のPLAYボタンをクリックすると放送が始まります!)
2009/06/15 (Mon) 5:43


◆ ◆ ◆ ひたすら面白いものに向かって進む ◆ ◆ ◆
皆様、早いもので6月も一週間経ってしまいましたが、季節の変わり目、体調崩さずお過ごしでしょうか??
気が付いたら、ここ最近楽曲アレンジ譜面作成やスタジオアレンジが続いていたことから、日記としてまともな文章を書きそびれておりました。。。申し訳ありません(涙)

今年からのライブを振り返り、自分自身からみても、はっきりとわかるくらい、ライブにおける楽曲アプローチの仕方に多少とも変化が現れております。

特にベース丸山氏を迎えて半年経ったあたりから、今までやりたくても出来なかったこと
「説明でない、音の素材の持つ面白さ」

を重視したアレンジに挑戦できる機会が増え、その手ごたえを先々月のマンダラ2ライブから感じはじめるようになりました。

そして、そこで得たものを継続し、5月から先日の6月7日高田馬場・四谷天窓でも披露させていただきました。
今回の四谷天窓ライブでは選曲の面において特に、今までのTail’zサウンドのイメージとはまた違った印象を(結果的に)与えてしまった流れとなりました。

今回の選曲は、オリジナルバージョン「ベンチ」以外、すべてここ一年以内に作成・アレンジしなおされたもので構成されており(→選んでから気づきました。。)
今時点での作者の私・チーム全体が抱く、音楽にたいする考え方、捉え方がダイレクトに出た流れとなりました。

よって、リスナーの反応は様々なもので
「2番目と5番目の楽曲のアプローチに、Tail′zの新たな可能性を感じた」と前向きに受け止めてくださる方から

「あれでは売れない、もっと構成もシンプルで歌詞もわかりやすくメロディがきれいなものを何故やらないの」

「ふり幅が多くなった分、今までのアプローチに物足りなさを感じているんでしょうね、まぁ、ある種の成長なのかも」

「ベンチが一番よかった」
・・・等、賛否でした。

上記のような意見(特に「何故シンプルで美しいメロディーのもの、売れるものをやらないの」)は、昨年自主制作アルバム「Vestige」を出したときから言われ続けていたことなので、自分の価値基準と、その意見の視点の置き場所の違いを、自分でどう受け止めていくか、年始めのころまで凄く考えておりました。

そういったことをクヨクヨと悩んでいたとき、ギター壬菜嬢の働きかけが切欠で、世界で活躍されている音楽家・F氏とお話させていただく機会がありました。
考えに煮詰まっていた私の心の奥底まで響く、とても素晴らしいお言葉をいただきました。

私は以下のようなことを話しました。
「私の周りの音楽関係は、一般に知れ渡っている音楽理論にもとずいて和音を聞いたり、音楽を分析する方が比較的多く、そういった「型」を持ち出された上で私の楽曲を聴かれると、「泉田さんの和音の使い方は間違っている」といわれたりすることが多くあるんです。ただ、私自身、音楽理論の前に表現ジャンルすべてに共通する制作する上での共通概念があると、私は思っているんです。その概念は、音楽にも美術にも料理や文章、あらゆるすべての表現手段に精通すると思っているのですが」
といった内容をF氏に聞いていただきました。

その内容に対し、F氏は後に以下のようなメールをくださいました。
「理論ももっといろいろな種類があり、突き詰めると面白いですし、結局100パーセント自由だということを立証できる理論が一番確立されたものではないでしょうか。フランスの作曲家、ドビッシーが、学生時代に教授から「君はどの理論に従うのか」と聞かれた時に「私は私の内なる声に従うだけです(→フレーズはこうだったかどうか覚えていませんが)と言ったそうです」

音楽畑とはまったく持って無縁の道のりを歩んできた私が、人間のオリジナルの素材として「肉声」ほど本人そのものを表す素材はない、と深く感銘してから、後先考えず真っ裸に近い状態でバンドをはじめて早5年半、その中の出会いで、純粋に音楽畑で過ごしてきた方との物事の捉え方の違いをマジマジと痛感せざるを得ない場面も多々ありました。

特に「Vestige」を出したとき、ボイストレーニングでお世話になっていたクラシック出身のトレーナーから「自由すぎる」といわれ、彼の言う「音楽」の理論にのっとって意見をいわれました。

私が美術の視点を通して学んだ、表現に対する究極の本質は「自由」でした。
その自由は自分自身にあまい意味での「好き勝手」という意味ではなく、最終的に自分の感動する軸を太くしていきながら、制約を設けずに自身のオリジナルに突き進んでいくことです。

よって、トレーナーから「自由すぎる」と言われてから

「何故自由ではいけないのか、何をもって自由では駄目であるといっているのか。
音楽を勉強すると自由を否定する考えに行ってしまうのであれば、私が絵画を通して確信もっていた「表現は自由だ」という考えとは真っ向から対立してしまう。
もし、トレーナーの言うことが正しいのだとすると、私の表現そのものの永遠のテーマである
『表現媒体・ジャンル関係なしに、どのジャンルにも作品形成の上で共通する法則さえあれば、表現することは可能である』
といった考えが間違っていることになる。
音楽と美術などのアプローチ方法が違うもの同士、もっと極端にいうと
『人間が生きていくことと、表現することがイコールである』
という考えも全くもって別に考えなければならないのか。
だとすると、表現の存在は人間にとってどんなポジションなのかわからなくなってしまうのではないか」

といった、少々大げさではありますが、私の考えの主軸が本当に根拠をもったものなのか、問う時間が続いた中で、F氏の「100パーセント自由であるということを立証できる理論が一番確立されたものではないでしょうか」という言葉、私の疑問を解き放つものとなりました。

それと同時に、あらゆる理論を知り尽くした上で「自由」であると言い切れるF氏の凄さに感銘したのと同時に、自分の考えがまだまだ一方向からしか捉えていない、あやふやなものであることを痛感しました。
「根拠のある核心」を、完全に持ち合わせていない自分の勉強不足の点も痛感したしだいです。

その素晴らしいお言葉をいただいてから、やはり私たちのやるべきことは根拠のない表現からの評価を獲得することではなく

「打ち出す側として、『心の底から面白い』と思えるもの、自分の視点に厳しさを持った形での確信もてるレベルのものを、提示することなのではないか。
ただ、ひたすらその部分を見つめていくことでしか、アーティストも鑑賞者も共に成長しないのではなか」

と思うようになりました。

アーティスト活動を維持していくために、言うまでもなく利益は大事ですし、実際バンドとなれば、絵画アーティストや、ソロ活動の方とは違って仲間の人生もあるため、いつまでも不利益な状況でやれること自体ありえないにしても、「自分たちが本当に面白いものとして立証できる視点」まで無くしてしまっては、またそんな作品を世の中に出したところで、文化の発展はないと思います。

どの意見もある意味正しいからこそ、どういった手段であり人の心にダイレクトに響く、面白い視点を見つめていきたい、と、6月7日のライブが終わって、改めて思わされました。

これからのTail‘zライブは、これまでの印象であった「アコースティック系、癒しサウンド」(→この点に関して、実は本人自体、癒しサウンドと意識したことは一度もないのですが)
を確実に打ち破っていく流れになる場面も多々見受けられると思います。

今後のライブでのアプローチの中で、癒しを求めに聴きに来てくださった方にとっては、期待を裏切る場面もあるかもしれませんが、その分責任もって新しいアプローチの面白さも伝えていけたらと意気込んでいるところです。

どうか、これまでの「癒し」と今後の方向性は、別物ではない「一貫したもの」として、見届けていただけたら幸いです。

改めまして、宜しくお願い申し上げます。

●2009年高田馬場・四谷天窓
1)グリンピースは何故嫌われる??(サンバ)
2)コスモロジー(その2)
3)ベンチ
4)なけなしの青
5)死等のワルツ(その3)
6)Straggle

All Songs By Rika Izumida / Arranged By Tail'z
Tail'z are 泉田理歌 壬菜 齋藤麻莉 丸山聡史


>追伸・・・YOUTUBEでリハーサル風景をアップさせていただきました!
http://www.youtube.com/watch?v=5IKol7wz-8U



2009/06/09 (Tue) 2:59



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