汗の乾く間もなく駆け抜けた今年の夏。
親父を見送ったあの夏以来久々に、背中一面に汗疹が出た。
それでも確実に季節は流れ、後から重なる出来事の全てを焼き尽くすのではと思うほど熱かった思い出の上にも、秋色の優しい思い出が降り積もっていく。
2日(土曜日)、土佐市の県立高岡高校の文化祭にお招きいただき2時間のステージを努めた。
土佐市は盲学校卒業以来15年間、鍼師として病院に勤務し暮らした懐かしい町で、市制50周年記念の歌も作らせてもらっている。
5歳からの寮生活を終え、いきなり一人暮らしを始めた生意気極まりない若造に、人生の何たるかを、時に厳しく時に優しく教えてくれたこの町には、若気の至りという言葉では片付けられないような痛い思い出も沢山有る。
生徒会長のT君と担当のM先生がわざわざ足を運んでくださり、堀内佳を呼ぶに当たっての熱い思いを語ってくれたとき、そんな若き日の懺悔やら感謝やら諸々の気持ちを込めて歌わせてもらおうと心の深い所から沸き上がってくるような感情を覚えた。
「あの〜…一つお願いがあるんですけど」
事務的な打ち合わせが終わる頃、徐にそう切り出したT君は、生徒と一緒に校歌を歌ってほしいという。
先生によると、節目の式典等で校歌を歌う場面で生徒があまり元気に歌ってくれないとのこと。
一瞬「この時期に歌詞を覚えるのは大変だな…」という思いが心をよぎったけど、上に書いたような事情もあり「少しでもお役にたてれば」という気持ちで承諾した。
いただいた音源を聴いてみると、
「れつじつの いきにきたえつ しばはゆるにわ ちからにみてる われらがぼこう」
「きわみなきそら きょうももえて たんきゅうの ひとみかがやく すずかけのまど」
……とまぁ、歌詞は音だけを聴き取り覚えるには案の定なかなかに難解なものだった。
コンサート当日、土佐市での出会いから生まれた「徳弘のおじいちゃん」と「さくら」を歌った後、そのまま例の校歌をスローバラードで歌い、その後おおよそ以下のようなMCを挟んだ。
「みんなどう? ギターの弾き語りやとまた全然違うやろう?? 意外といい感じって思ったんじゃない?? それじゃぁ一緒に大きな声で歌ってみるか!!」
そしてギターのテンポを上げ促すと、高校生達はとても元気な歌声で答えてくれた。
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件名: 感動と生きる力をありがとう
▼本文
(前略)
私は今○○才です。
今まで生きてきた○○年間、○○才で母が死んでからは、私には生きる理由が見つかりませんでした。
ただ、呆然と死ぬのを待っているだけでした。
でも、今日のコンサートを聴いて、生きている事の素晴らしさを、少し感じられたようなきがします。
もう少し生きてみようと思います。
本当に
ありがとうございました。
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件名: 件名無し
▼本文
(前略)
そう言えば堀内さんがこの指とまれと
言う曲を歌っている時
それまで外暗かったんですが
一瞬晴れたんですよ
みんなでビックリしていました
後校歌を堀内さんバージョンで
歌ってくださった時なんか
違う曲のように聞こえました
私はいつもあまり声に出して
校歌を歌ったりしないのですが
今日は自然と声が出ました
(中略)
本当に思い出に残る良い1日でした
私はこれからもずっと
堀内さんの事覚えてますよ
なので堀内さんも今日
高岡高校に来た事忘れないでください
(後略)
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改めて生きていこうと思ってくれたこと、歌をきっかけに窓の外が明るくなったと驚く感性を持ってくれたこと、そして校歌を見直し歌ってくれたことetc.
早速寄せられた多くのメールから、改めて大きなパワーを貰った。
↓一つ前の日記へ続く↓