大阪難波のホテル、10階に取ってもらった部屋で目覚めた朝。
二日酔でもなく、睡眠不足でもないはずだけど、いろんな意味の緊張感で、なんとなく心拍が不安定で落ち着かない感覚……!
自分の中でちゃんと整理して早く落ち着かなければ……
推挙してくださった三好師範の顔を潰すわけにはいかない。
それにしても・・・・・
大阪の夜を初めてかいま見たけど、とにかく音と人がほとんど無秩序に乱舞してるって感じ!!
もちろん東京も賑やかではあるけど、大阪の賑やかさは首都のそれとは少し質が違う!!
難波から道頓堀方面を歩いたけど、悪名高い路上駐車は言うまでもなく、赤信号でもみんな平気で堂々と横断してる!!
そして道路沿いのあらゆる店が外向けに設置したスピーカーから、点でバラバラな音楽を、ただ大音量だけを競うかのようにばらまき続けてる!!
それはもはや喧噪以外の何者でもなく、町を歩く人達に、それぞれの店の個性をアピールする効果など全く無いばかりか、人の心をグチャグチャにかき乱して、落ち着きのない人間達がただ蠢くだけの危険な夜を演出してるだけのように思える。
無秩序に入り乱れた大音量の音楽・想像を絶する数の車が走り回る騒音・そしてそれらに負けじと大声で会話する人々の叫び声……etc.
こんな音の洪水に24時間365日晒されて生活してたら、身の回りの小さな音の風景を感じることなんてできなくなるだろうし、よほど強い刺激にしか反応できない人間になっていくのは極自然な流れ。
そして都市に渦巻くのは音だけじゃなく、おそらく光もその強度を競うようにしてばらまかれてるだろう。
強い刺激に順応し、身の回りの小さな営みや出来事に気づけない……
つまり、実は身の回りに沢山有る小さな楽しみや喜びに気づけず、より強い刺激を求めて行動してしまう……!!
ツバメの親が運んできた餌を、雛が大きな口を開けて並んで待ってる愛おしい音の風景に、心から感動できる子供達を育てるのが、今を生きる大人達の急務だと強く思う。
ツバメの声と実際の動きを結びつけられるように僕に説明してくださったユニゾンの田村和郎社長に心から感謝です。
そういえば、和郎さんも大学時代を東京で過ごされたんですよね♪
さて・・・・・
世界各地の代表がここ大阪に結集し、府立体育館を会場に開催されている全世界空手道連盟新極真界主催の「空手ワールドカップ」は、昨日各クラスの1回戦(女子は2回戦まで)が終わり、いよいよ今日、開会式と2回戦以降の試合が行われワールドカップチャンピオンが決まる。
その開会式で、総理大臣等、錚々たる来賓の挨拶を前に、国歌独唱の大役を僕堀内佳が勤める。
国歌「君が代」については、その歌詞や歴史的な背景から様々な意見があり、僕自身も「国旗日の丸・国歌君が代」については反対論者だった。
つまり「君」というのは天皇を表す言葉で、天皇の世が何時までも(細石が大きな岩になりそこにコケが生えるまで)続くようにという意味の歌詞なわけで、憲法に国民主権を明記する我が国の国歌には相応しくないのみならず、
天皇制の下、天皇の名において旧日本軍が日の丸を押し立てて突き進んだ侵略戦争によって大変な辛酸を嘗めさせられた国内外の人々の中には、君が代も日の丸も心を切り裂く凶器にさえ感じる人も多いという事実を見てきたからだ。
しかし、日の丸・君が代を唯一の心の支えとして生きてこられたという人がいるのもまた事実。
アメリカで長年生きてきた、Sさんという高齢の日本人がいる。
彼にお話を伺ってみると、大変な差別に晒されながら必死に生きていた頃、歯を食いしばって歌った君が代が唯一日本人としての誇りを取り戻させてくれて、それが支えで今日まで生き抜いてこられたんだという。
「君が代っていうのはわしらの世なんじゃ。 わしらの世がきっと来るって、そんでもってその世が何時までも何時までも続くようにって、そんな風に願いながら歌ったもんよ!!」。
そんな思いで君が代を大切に思ってる人がいるという事実も、僕は確かにこの耳で知った。
そして僕は今日確かに、日本国歌「君が代」を世界から集まった人々の前で独唱する。
その事実そのものに対しての痛烈な批判や、このコーナーへの軽々な書き方を見て心配してくださってのありがたい助言も沢山いただいた。
そんな状況の中、正直自分の中でどのように考えればいいのか、そして心配してくださる皆さんの思いにどんなふうにお答えすればいいのかとずっと悩み続けた。
そしていよいよ今日を迎えた。
僕の声に少しでも力があるのなら、僕の声で僕の魂で国歌を歌うことによって、聴く人に「君」を「民(たみ)」と、あるいは「あなた」という意味の「君(きみ)」という意味に理解してもらえるように、全身全霊を込めて歌うだけだ。
「堀内さんの声で是非選手を勇気づけてやってください」
「外国の選手は君が代を聴いて空手の聖地日本に来たことを実感するらしいのでどうぞよろしくお願いします」・・・・・
昨日の試合を観戦中、沢山の皆さんからかけていただいたそんな言葉に少しでもお答えできますように。
そして、心配をかけた皆さんに少しでも安心してもらえますように。