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【眠れぬ乙女 夢寐する麒麟】
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浅い窓
季節の変わり目に入り込んでくる風のにおいが好きです。
窓を開ける季節になったってことです。
2015/05/02 (Sat) 22:56
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眩暈
クラスメートの女の子たちに囲まれている。
コンサート会場まで私を連れて行ってくれるという。車に乗る。夜か朝か曖昧な空に稜線が見える。
私は黒く軟らかい生地の帽子を被っていた。
なんでそんなのを被ってきたのかと聞かれる。
だって今日のライブのために買ったんだもん、と言う。
促されるまま見てみると帽子は毛玉だらけだった。
いつのまにか着ている洋服も黒い毛玉に占領されている。
けっきょく私はライブに参加することが出来なかった。1万4千円のチケット代も無駄になった。
小さく黒い蟠りに支配される。
情ではない。熱意でもない。
嫌悪感に絆されて、きっと仕合せにはなれない道を私は選ぶ。禍殃から逃れようとして別の禍殃を追いかけているに過ぎない。
朝靄や夜霧のようにぼんやりとしていた空は、どこか抜けきれなく、しかし整然とした白昼の空に変わっていた。
2015/04/29 (Wed) 13:19
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水葬
家の片隅に置かれたアクリル水槽。
気付けば今年に入ってから水替えをしていなかった。酸素ポンプはつけていない。
魚たちにとってはきっと最悪な環境だろう。
柄杓で掬い上げた濁水をすこしずつ裏庭に捨てる。水中で好きほど繁殖し絡まり合う藻。
水を棄てながら、生体の確認をする。
60センチ水槽を窮屈に感じるほど、めだかの数が異様に増えている。この悪条件下でも逞しく生命を紡いできたのだ。濁った水中で彼らのからだが光っている。
底の方には、茹で上がったような甲殻を持つざりがにが2匹いてほっとする。祖母がこの水槽に入れたのだと思い出す。
うち1匹の、その硬く鮮紅なからだはしかし、わずかな水の流動に揺蕩うばかりだった。
なぜもっとこまめに世話をしてやれなかったのだろうと罪悪感に苛まれながら、自分がはじめに水槽に入れたベタを探す。
柄杓で水と藻をかき分ける。
青と赤のベタはどこにもいない。食べられたのだろうか?
いや、2匹はとうの昔にもう死んでいた。
冬に水温の温度調節が出来ずに死んでしまった。
あの美しいフレアリングを思い出す。
私はもう二度と魚を飼うことはないだろう。
裏庭でポリバケツに水を溜め、カルキを抜く。
明日にも水槽の水を補充しようと思っていたが、その日の夜には補給してしまった。カルキは充分ぬけていただろうか?
そして私は庭に停めてあった車に乗る。理由は分からないがどこか近所に車を移動させたい。
発進する。
夢の中で運転する時、いつもアクセルとブレーキの加減が分からず暴走する。
2015/04/27 (Mon) 19:31
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月球
ひさしぶりに夢の内容を覚えている。
私たちは列車を乗り継いで帰らなければならない。名前に川とつく駅を2カ所経由したい。
夜道を歩いてやっと駅にたどり着いたが、その川の駅を経由する列車はここからは出ていないという。あの時計台まで行って下さいと駅員が指す。
最終電車に間に合うか分からない。そもそも最終電車がいつ発車するのかも分からない。もっと言えばあの時計台がいま何時を指しているのかも分からない。
10分ほど歩かねばならないと聞いて辟易し、青いタクシーに乗り込む。
早口で「あの時計台まで」と伝える。
乗り込んでやっと私は3人で行動していたことに気付く。助手席には女の子、隣には男性。現実に存在する人なのか覚えていない。そして私。
墨汁を溢したような夜の黒。饒舌なタクシーの運転手。その隣に座る女の子をとても愛しく感じている。
私の横に座る男の、冷たい輪郭。蒼く暗いその頬を私の両手で包む。彼もまた私の輪郭を優しく包む。めずらしいこともあるものだと思う。俄に与えられた情愛。その苟且の先にきっと時計台などない。
分かっていながら私はタクシーを降りることができない。
冷淡な夜のなかに夢は終わる。
2015/04/24 (Fri) 21:05
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”それはとても晴れた日で”
打ち合わせも、一度の練習もなしに上げられる舞台の天鵝絨。アドリブにも拘わらず器用に踊ってみせる共演者たち。
自分の隣には親友。私ひとりだけがぎこちなく不様であった。私は大衆にはなれない。
パフォーマンスを終えて親友に小言を漏らしながら、どこかへ続く階段を上って行く。
彼女の閉鎖型の質問に言葉をえらべないでいる。自分が本当に伝えたい気持ちとは微妙にズレているのではないか。でもそのズレを修正する手を持ち併せていない。語弊は語弊のまま置き去りにされる。
後向きで扱いづらいだけの私を、彼女は否定する。
やがてたどり着いた屋上にビーチが広がっていた。壊れた家電やカラフルなパラソル、木製のビーチベッドが雑然と散らかり、あるべき砂はたまに白く晒されるだけで、ほとんど足場もなかった。
モノに溢れ、ヒトを失う愚かな海。その姿。
屋上の手すりの遥かむこうに波がうねっている。それは心臓の拍動の様で。
真っ青な海面に真っ白な飛沫が散る。同じように青白い手首に暗赤色の静脈が叢を成す。
よく晴れた空。ぼやけた太陽。3.5%と0.9%。
空の青は屈折の所為だと説明する兵士に、レイリー散乱だと訂正する兵士。
波打ち際に近づこうと、ビーチベッドの下を潜って腹這いに移動する。着ている服に乾いた砂が纏わりついた。後少しのところでしかし親友の頭がビーチベッドに引っかかる。私は引き返して、彼女に覆い被さるベッドを移動させた。
けっきょく海は遠いままで、凪ぐことなく好き勝手に波打ち、足下には散らかった砂浜と、頭上には高すぎる空。
それらが春の情景だとしっかり分かる。
分かりながら目を覚まし、寝ぼけながらにcoccoの”Raining”を思い出し、口ずさむ。
“それはとても晴れた日で 未来なんていらないと思ってた”
在りし日の私が在るべき日の私をのぞく。
深淵のように。
2015/03/21 (Sat) 17:28
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ゆだねる
猫背で徘徊する祖母がいる。薄暗い家のなかを。彼女たちは放っておけばきっと世界の終わるまで歩き続けるのだろう。
気付けば私を追って、通学に使うモノレールの駅にまでついてきた。モノレールは私を乗せずに通り過ぎる。土色の空に消えていく。
老婆は止めるのも聞かずに水分をとりまくり、やがてそこかしこに尿を撒き散らす。
かつてリビングだった部屋、和室、母の寝室、玄関、そして二階にある私の部屋にまで。尿素、尿酸、クレアチニン。アンモニアとウロクローム。
あまりのショックとどうしようもない怒りに、大声で祖母を怒鳴りつける。
怒声は真っ暗な部屋に響き渡った。その寝言が霧雨のように散って、私の眠りに包まれた鼓膜を降り注ぐ。
夢から覚めて、能面のような彼女の顔が浮かぶ。あの頃の重く鋭い気持ちがよみがえる。
人は、忘れたいことはいつの間にか忘れられる生き物だ。それでも無意識のなかで生き続けている記憶の残滓たちは、今の私になにを伝えようとしているのか。
もはや長期臥床の彼女に寄せる想いもなく。
積み上げた過去を取崩し乍ら、不可逆の時間を生きている。
タイム・マシンなど未来永劫できなくていい。あの時ああすればよかったと思うことは、きっと今まきもどっても出来やしない。
古代の予言に耳をすませ、いつという未来に死ぬか、いつという未来に滅びるか怯えている方が似合っている。
私たちは傷みながら腐りながら生きていく。
あのころ得たものが大きかったように、失ったものも大きかった。
きっとそれが生きていくことなのだと思う。
2015/02/09 (Mon) 23:04
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紡錘
どこか学園のような場所にいる。古い板張りの床はワックスで磨き上げられ、入り込む白い日差しは静かに照り返す。そこにゲストとして人気声優がやってくる。人だかりができる。私はその人を案内したり、気を使って会話したりする。私なりのおもてなしだった。人見知りなりに頑張ったのだ。私はその人のサインを欲しいと思ったが、結局それは叶わなかった。言葉にできなかった。気を使いすぎてしまったのだろう。
長兄に嗜められる。
もっと他者とうまくコミュニケーションを取らなければならない。いつまでも子どものようではだめなのだ。私はもっと気持ちよく彼をもてなさなければならなかった、と。
私は常に自分で自分を圧迫し続けてきた。子どものころは年相応に幼く振る舞うようにしていた。今ではその癖から抜け出せず、幼い振る舞いをしか出来ていないように感じる。もうこんなに大きくなってしまったというのに。
夢のなかの兄の説教に耳を傾ける。私にとって他者との関わりは、蜘蛛の糸のように複雑で、弱々しく覚束ないものだ。その脆さの象徴ともいえる糸に、カンダタのようにしがみつき手繰り寄せることなど私には出来ない。
人々は糸に吸い寄せられていく。
2015/02/01 (Sun) 20:57
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