私の胸からお腹にかけてぶら下がる感情。ズルズルと引きずって袋が破れそうになっている。大切な宝物の宝石をポロポロと零して。歩いてきた道には光の筋がキラリ、キラリ、と光りながら再び拾われるのを待っている宝石たち。夢から覚めたみたいに急に現実的になった視界。弱い視力で必死に見るけど輪郭はぼやけて、遠くの山々はよく見えない。この空をもっと自由に泳いでみたい。鳥のようにハヤブサのように。フクロウの夜も美しいだろう。心を自由に。心を自由にもっと。

たまって溢れた思いは言葉を選ぶ余裕もなく涙になる
その触れられたくない場所に触れた途端に溢れてく
決壊するように流れ出る
止まらない止まらない混沌とした感情
水分と塩分でできた涙に感情など混ざってはいない筈なのに
浄化される感覚がする
言葉にはならないなれない
後から考えるととても馬鹿馬鹿しいもの
緊張で縮みきった心が広がっていく
不思議な感覚

この幸せは誰の為に使う物なの。この幸せは誰かの為に使う物なの。この幸せは自分の為に使う物なの。分からないよ‥分からない‥。でも私は誰かの為に使いたいの。私の為じゃなく誰かの為に。でも私も足りないの幸せが。人助けばかりしていて大丈夫なの？と誰かさんが私に言ったよ。私は大丈夫だよと答えたけれどそれが本当なのかは分からない。本当はこの幸せは一体誰の物なの？出来ることなら教えてほしい。

君が幸せならそれでいいんだ、と。取り返しの着かない現実を背負って泣きながら語る私の胸に黒い星がひとつ刺さる。君が幸せなら私は不幸でも構わないと思える人間になり損ねて。深い夜の底で泣いている。泣いている‥。

この世界から遠退いて。陽炎を届けに地獄に行く。自転車こいでどこまでも行く。果てないあの世の旅人になって。昨日見た夢の彼処へ。大丈夫、大丈夫。こわくないよ、きっと、こわくない。幸せだよ。