世界が緑いろで満ちていて。現実感の無いまま誰かの身体を借りて歩く。神経症の一種。夢か現実か分からぬ感覚を確かめながら。この身体は死体か？気味が悪い。他人に乗り移った幽霊はこんな感じなのだろうか？疲れているはずは無いのだけど。睡眠もちゃんととっているし。フラッシュバックしてるのだろうか？こんな長いフラッシュバックはあり得ないだろう。思考も霞む。フラフラと大学構内を歩きまわる。ぼーっとする…。

軽い離人症だったとおもわれ。

違和感がある。どんなかと言うと。視界に入る自分の身体を自分のものだと思えないという変な感覚。例えば手、視界に入って、幽霊かと思ってビクリとする。物という物が淡く緑をまとっている…。乖離だろうか？でも前に乖離したときはこんな感覚にはならなかった。不気味な感覚だ。恐い…。疲れたのかな、寝ようかな…。ココロの中は静まり返っているのだけどな。

私はかつて虫でした。だから初めて人になったとき。80年というあまりの長さに恐ろしくなりました。あんなにも楽しそうに笑える人間という生き物の、長過ぎる人生の辛さに耐え兼ねて。私は虫に戻りたいと祈る日々を送りました。人になったのなんて初めてで、笑い方も、怒り方も、泣き方も知りませんでした。

プライド何かもう無くて。だからそれが傷付くことはもう無くて。けして幸せでは無かった過去は。今になってやっと成仏出来たみたい。過去が過去に成り果てて。今を生きる者になれた。過去を省みないわけじゃない。今という覗き窓が安定してるから、過去も安定して見えるだけ。極めて速いスピードで。過ぎていく時間が身体に合わないから。部屋の時計を取り外した。そうして溢れるのは、私の世界。夢の中…