疲れてね、力でもって保ってた事柄がどんどん壊れていく。何かを掴む力さえ出なくて、記憶すら私の元を去って行く。私は生きて行けない。出会った人たちに支えられて支えられて今まで来てる。私に出来ることはひとつしか無くて、それが誰かの役に立てるかも分からない。大切な思い出、霞の向こう。私の視界はぼやけて、境界線を見失う。色だけが揺れている、早く眠りたい。

楽しいから泣くんだよ。ああたのしーたのしーエーン。なんで涙が出るのかは分かんない。楽しいのにこんなに楽しいのに、でも何処か私の後ろにいる誰か、ずっと泣いてる。覚えてないくらいずっと昔から。世界はいつだって何か足りない。だから僕らは欲しくなるし作りたくなるんだ。手に入れても手に入れても、作っても作っても、それはどれも本当に欲しいものとは少しだけ違っていて、心も体も決して満たされたりはしない、永遠に。夜は眠れないから、歌を歌う。終わりを知らない時間の中でまた朝日が現れるのを願いながら。憂鬱なんだ、ただひたすら気分が沈む。それを小さな灯りの下で絵になんかしてみたり、止まない怒りをキャンバスに託したり。でも片隅で、早くこんな人生、終わってくれと願う誰かも居る。どんなに楽しくても幸せでもそれは変わらない。

花が揺れる。波が立つ。林が騒めく。虫が乗る。風鈴の音。誰かは捕まえる。また誰かは見送る。そこを離れて次の場所。君は何を見て来たの。楽しかった？そう、それは良かった。これが最後だと思う。もう次は無いと思う。

世界には誰もいない。私しか居ないけど私も居ないかも知れない。ただ風が吹くだけ、景色が揺れるだけ。自分がどんな姿かなんて誰も分からない。とんでも無く変なもの何だか分からないもの。その正体は誰も知らなくて、誰に明かされる事もなく、平行線のままずっとそのまま。明日など、と思うし明日も、と思う。何を知っていて、何を知らないか、知りたくてひたすら手当たり次第に比べてる。まだ聞いたことのない話を聞きたい。途方もなくあてもなく、ただ歩き回るだけ歩いてそのうち死ぬ。何処から来たのか何処へ行くのかなんて本当はどうでもよくて、何故かよく分からないけど今があるから。 未来があるかなんて私は知らないけど、今がある限り。

あなた達が幸せそうだと、私も幸せだと、何故か思えるんだ。私が悲しくてもあなた達が幸せだと、私も幸せになれる気がしてるんだ。私は幸せだよ？