JRの車窓からの景色は真夏の太陽がギラギラしていた。私の頭の中は相反して真逆だ。夜の砂漠のようにカラカラで何も無い。上の空のような状態。真っ白なプラスチックの冷たく溶けない雪に何もかもが覆われた内向的な世界と言ってもいい。その白いものをめくると暗雲立ち込めた奈落の風穴が開いているとでも表現できるかもしれない。そこへ飛び込むと死へ向うマイナス思考のあらしだ。あの白い雪は溢れて止まないネガティブ回路を上から上からかぶせて白く塗りつぶしている。それを怠るとこの前のような破滅的な行動(前の記録)をとってしまう。これはきっとうつだ。うつのせいだ。加害者うつ病と被害者私である。でも罰しようにも加害者は被害者の一部であり一人だからどうしようもない。私はうつを苛めてやりたい。殺してやりたい。そのくらいうつが憎らしい。私からいろいろなものを、大切なものを奪ったうつが大嫌いだ。うつになって手に入れたものなんてうつ病というレッテルだけで。それ以外にはなにも確認出来ない。うつは治らないという先生方の言葉がずっと頭の隅に引っ掛かる。うつと共存していくだなんて無理を言う。うつが心を支配
している間は。視覚に色味は無く、人生に感動も無く、味覚も美味しいと感じない。いつも疲れていて、いつも頭が回らない。夜に朝がもうこない事を願い、孤独と虚しさに死への誘いを受け取る。そんな不毛な毎日を5年近くおくっている。うつの診断を受けてからは1年ほどだがそれはもう時遅しうつと言う病に頭と心をグチャグチャにめちゃめちゃにかき乱されたあとのこと。もう少し早く病院へ行っていれば何か違っていたのかもしれない。違わなかったかもしれない。いや、違っていたね。確実なそう言えるよ。クスリを乱用しないですんだし。大学受験だってもっとうまくいってたに違いない。高校生活だってあんなに苦しまなくてすんだかも知れない。こんなにも長引かないですんなり治ったかもしれない。うつは私に計り知れない程の損害を与えて障害となった。そして未だ私の前から立ち去ろうとしない。これ以上いったい何を奪おうと言うのか。命がほしけりゃくれてやる。でもその前に一つだけ夢をかなえる事を許してほしい。それが叶えば命なんてただの付属品に過ぎないんだ。たった一つの夢なのにそれさえも私から奪おうとしているうつはいったい何
なんだ。何故私がうつにならなければならなかったのか。何故この私が?