舐めた両手で顔を洗う。そしてちょうど昼時の学生に媚びをうりにいく。そう、今日も私は野良猫。知らない学生から貰ったブロッコリーの端っこを食べてカニコロッケも食べて。お腹いっぱいになった私は寝る事にした。学生がたくさん出入りする2号館の前に横になり。喉をゴロゴロ鳴していると、ちょうどいい感じに通り掛かった学生が横たわった私の背中を撫でてくれる。食後の眠気も助長してうっかり寝入ってしまった。
目が覚めたのは夕方頃。誰かに起こされた。このまま夜まで寝て居たかったのを邪魔されてゆっくり目を開いたそこは知らない場所だった。真っ白い空、否、それは天井。身体がとても重い。立ち上がった四つん這いの私は夢から覚めていないかのようだった。そこは何処かの部屋のなか。何か様子がおかしい。けづくろいしようにも毛が無いし身体が固くてとどかない。私はあることに気付いてしまった。私のこの身体は猫じゃない。人間だ。。。