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まるで自分なんかいないかのように世界は回っている。消えてしまいそうな自分。自分なんて言う代名詞も消えてしまえ。全て全て消えてしまえ。私はこの世にいません。どこにもいません。存在しません。さようなら自分。

辺りにはすごい奴等がワンサかしてて。手もつなげるほどすぐ近くに大勢に認められた存在がいて。悔しくて苦しくてたまらなくて。それでも手はつなぐし。笑い合ったりする。本当は奴等のことが大嫌いなんじゃないかと思ったり。自分がよく分からなくなってしまうよ。ただ言えるのは世界は私を嫌ってるということ。否。私が世界を嫌ってるということだけ。どちらが先に嫌ったかなんて知らないけど、世界が存在するだけで私は悲しくなるんだ。どうせ私はキチガイだから。

どうしょうもなく誰からも認めてもらえないこの痛み。息苦しさ。悲しみ。何故かなんてそんなの分かりきっている。全てはミスなんだ。この世に生まれたバグなんだ。自分の存在が間違いだから。そうだと言うことにしといてよ。そしたら少しは楽なんだ。

自分の手のひらに落とした錠剤。幾つ有るだろう。抗うつ剤と精神安定剤と抗精神病薬と…。酷い頭痛の中で誰かが言う。お前は人間失格だと。寝起きの覚醒しきらない思考で手のひらのそれらを飲み下す。水なんか要らない。どうでもいいから早く世間一般で言う正常になりたくて。と言うか人間になりたくて。錠剤をひたすら来る日も来る日も飲み続けて。正常の定義とか。有るかも分からないものにしがみついている。こっちからすれば自分以外の人間が正常かどうかも分からないってのにさ。