木々は光をまとい、森は愛を体現する。海は深さを増して、受け入れる慈悲を体現する。風は柔軟に吹き抜け、強かに進み続ける力強さを体現する。空は人の目を覚まし、理性と冷静さを体現する。

私はなんだか暖かいものに包まれたような気がした。何が起きたのだろう、まだ分からない。それにまだ不完全。これが確かなものなのか、分からないうちは気は許せない。少し戸惑ってもいる、余りに事が良く進むものだから。私はあらゆる事に関して許されたのだろうか。未だ私は未熟なまま、それでも許してもらえるのだろうか分からない。ただ、今私は幸せで満たされているのは揺るがない事実。今私は何処に居るのか、何処へ進んで居るのか。把握しなければならない。

私はその輪郭をなぞるようにそっと貴方に触れる。奥底にある痛みに触れて貴方が再び痛みを覚える事を恐れている。忘れていていい、思い出さなくていい。それより別の場所で痛みを抱える貴方が癒しを得られるように、再び傷つかないようにいられる事を望んでいる。どうか貴方が穏やかに幸せであれと…

かつては皆んなで暮らしてた。色とりどりのたくさんの私と一緒に。広い世界で、賑やかな笑い声の中。今は一人で暮らしてる。誰の声もしない静かな入れ物で。巨大な木が私一人の世界に無機質にそびえ立つ。私はいつ迄生きるのだろう。このまま最後の一人のままで。誰にも知られずに死ぬのかな。

空は歌うよ僕の夢。魚は超えるよ海と空。鳥は幸せな光の向こうに。奏でる森のざわめき、それは風のリズム。月が満ち、波が退く。暗闇の海底に星のきらめき。誰かがみている彼方此方から、神様神様神様。幼い夢は扉の向こうの棚の上、魂の側。みえないところ。眠りの時潜る扉、還りたい場所。