病院の先生曰く、私は強過ぎるんだとか。うつで歩けなくなっても必死で通学したのを聞いて驚いていた。一人で生きて行きたいと心理テストに書いていたら、それを見てあなたは強いんだね。と断言して言った。孤独が好きなわけじゃない。孤独が分からなくなるほど孤独なままで生きていたい。そういうことなんだけど。自分の弱さを知る事も必要だよ。ってさ。私弱さだらけだと思っているのにな。

病院の先生が、親に褒められたことある？だって。考えたことも無かったけど…。そういえばあまり無いような。唯一絵を描いて褒めてくれた事があったのを覚えてる。叱られる事ばかりだったのを思い出した。私は分からなかったんだと思う。何が良いことで何が悪いことなのか。分からなくて戸惑っていた。周りの反応を見て判断していた。それ以外の判断材料が無かった。誰も教えてくれないから。全てが悪いことなのかともすら思い込みそうなほど。何もかもに自信が無くて。

このまだ空っぽな人生に置いて何をするか。何を遺すか。何もかも不毛に思えるこの世界で。これからどう生きるか。何に価値を求めるか。何も分かってない。真っ白な紙に何を描けばいいか分からないように。分からない。なにがしたいのか、何処へ行きたいのか、どう生きたいのか。さっぱり浮かばない。この空白が恐ろしい。何もないまま時が過ぎていく虚しさが。私を焦らせて、混乱させて、死へ誘う。私はいったいどうすればいいのだろう？

空が綺麗な茜いろ。今は秋だよ。何も持っていないこの両手で。掴もうにも届かないこの両手で。触れたいものがある。本当は寂しい。空っぽの手の中が悲しい。とてもとても。でもそれが私の生き様だ。ずっと寂しくて悲しい。慣れたりはしない。出来ない。誰も私のことなんか知らない。どうしようもなく虚無的。

トラウマだ。人間がトラウマだ。言葉がトラウマだ。怒りがトラウマだ。いっぱいの人がトラウマだ。喋るのがトラウマだ。記憶がトラウマだ。過去がトラウマだ。朝がトラウマだ。あの人がトラウマだ。全てがトラウマだ。人生がトラウマだ。地球がトラウマだ。現実がトラウマだ。世界がトラウマだ。トラウマだらけだ。