この夜過ぎて
また目覚めれば。そこには朝がある。長いはずの闇夜が。とても短く感じるよ。安らぎの星空見ずにして。締切った小部屋で蹲る。朝が来るのがこわいんだ。この夜がずっと続けばいい。安らかな夜空よ永遠になれ。閉ざした心は永遠の闇。

しっかり自分を持たなきゃだめだよ。

自分のこと、いろいろ知れた。病気のこと、たくさん調べた。弱音を吐かないように、自分を騙していた。全ては自業自得だと言い聞かせ続けて。病気のせいにしたくなかった。自分がそんな弱い人間だなんて認めたくなかった。私の時間はずっとずっと昔に停止したんだと思い込んでいた。長い間、気付かなかったけど、ちゃんと前進してた。いつの間にかだいぶ歩いてきていた。少し希望がもてた。良かった。

朝目が覚めて。カーテンの外も中もまだ薄暗かった。静まり返っていた。今世界には私しかいないんじゃないかと思えてしまうほど。少し開いた窓の隙間から。朝露を降ろしたであろう湿った空気が。ヒンヤリと流れ込んで。私の部屋を満たそうとしていた。夏が過ぎ去って。秋がきて。まだ薄暗い世界に小学校の運動会を知らせる花火が上がって。しんとした住宅街に何度も反響してなっている。すごく落ち着いた朝だ。新しい朝だ。この世界の朝だ。

何か変じゃない？