御殿場市民会館にて
「戦争と外大生」
「勤労感謝の日」は東京府中市まで母校の「外語祭」を見に行った。ロシア語劇は「レールモントフ」の「仮面舞踏会」をやるというのでそれが第1の目的だったのに開演直前に着いたら「もう満席でーす!」と。しかしもう一つ、外語大創立150年を記念した「戦争と外大生」という特別企画にはネットで予約しておいたので入場できた。つい最近の映画「ラーゲリより愛をこめて」を上映し、在学生がパネルデスカッションをするというもの。映画の主人公は外語大ロシア語科の「山本幡男」で、満州の日本軍特務機関で情報収集をやっていたために戦後ソ連に捕虜として抑留され、帰国がずっと許されず仲間を励まし続けたのに自らはシベリアの地で病死した市井の英雄だ。
記念テーマの展示室にも行ってみた。太平洋戦争末期の「学徒動員」で200名近くの外大生が戦死したという。山本を含め3人が紹介されて、フランス語科の芥川多加志(芥川龍之介の次男!)はビルマ(今のミャンマー)で戦死したという。もう一人英語科の片山日出雄も詳しく紹介されていた。上官の命令でオーストラリア人捕虜を殺した件で戦後の極東裁判で有罪、処刑されたという悲劇だ。こういう事実が恒久平和のためにいつまでも語り続けられるように期待したいものだ。最後に中庭に展示のテント住居を見に行った。フィンランド留学から戻った矢田安曇さんが仲間と組み立てた中央アジアの国「カザフスタン」の「ユルタ」だ。美味しいワインを頂きながら民族楽器の調べを楽しんだ・・・
3年生のMUさんは「二重否定の文」never・・without〜はそのまま直訳しないで「・・すれば必ず〜する」のように肯定で意訳した方が良い場合が多い、と勉強した。The reader is not being given something without contributing something: his or her own responsiveness to language, to tone, to argument, to the author’s efforts to communicate the author’s message. では前半が「二重否定の文」なので、「読者は(本から)何かを受け取っているなら必ず(著者に)何らかのお返しをするものだ」。次のコロン(:)以下は直前の「なんらかのお返し」の説明だから、「つまり著者のことば、その語調、その意見や著者が自分の気持ちを伝えたいという努力に対しての読者自身の反応の良さを」と訳せるね。
OK君は「否定表現」のいろいろを勉強した。His English composition is quite free from mistakes. (彼の英作文には全く間違いがない)でis free from〜は「〜を持っていない」からdon’t haveと同じ。barrier-freeやtax-freeから類推できる。一方、Your offer is far from acceptable.(あなたの提案は受け入れがたい)はfromの後にbeingの省略と見ればいい。「〜からかけ離れている」だからfar from でneverの働きをしている。It is anything but cheap.(それは決して安くない)はbutが「〜を除いて」の意味だと分かれば覚えやすい。「安い、以外のすべて」だから「安い」だけを除外しているね。これもneverと同じ意味になるイディオムだ。逆にnothing but〜は「〜以外に何もない」から、「〜だけ、〜にすぎない」でonlyの意味になるね。 尾上
