梅雨時には私の大好きなラン科の花が次々と咲き始める。きのうは天気予報を覆すような青空で、午後から箱根の仙石原にでかけた。なじみの花の寺「長安寺」に駐車して友人のKAさんを誘って歩き始めた。「仙石原高原」の人気のススキの原に来てみると、2月の「野焼き」から新たにしっかり成長して柔らかな緑の海になっていた。ここにピンクのトキソウがそろそろ咲いているはずだけど。
「仙石原湿原・植物群落」と彫った石碑が目印だけどしかし残念。1本もまだ花の気配がない。まだ少々早すぎたようだ。しかたないから湿原をぐるっと回って「湿生花園」に寄ってみた。エーデルワイス、コマクサ、ハナショウブ、センジュガンピ、シモツケソウ、エゾルリソウ、ニッコウキスゲ、ハマナスなど高原や高山のたくさんの花々が次々と現れたよ。ヒマラヤの青いケシもまだ咲いていた。
ホラ!トキソウだ。ここではもう咲いてるよ、そこにもあそこにも。10株ほど見つかった。新潟の「佐渡島」には朱鷺という鳥が大切に保護されているね。その翼の色が赤紫のトキ色でこの花と似ているところから名がついたらしい。筋目の美しい唇弁を下向きにしてちいさなカトレヤのようでしょ・・・。
3年生OHさんは「名詞・冠詞・代名詞」の文法を勉強した。冠詞の a an theの使い方はほぼ満点だ。audience (聴衆)の大小 には largeや small をつける。family や team、population などと同じ「集合名詞」で、many、muchや a lot of などは使えない。語句の整序問題は80%正解だった。SV中心の構文力をしっかり持っているようなので、英作文に力が発揮できるといいね。
2年生のSEさんは前回、語句整序問題を10題やってみた。特にことわざの組み立ては難しいけど面白いね。日本語の「類は友を呼ぶ」は英語では「同じ羽根の鳥は共に集まる」となるし、「のれんに腕押し」は「それは空気をたたくようなものだ」に相当する。「蟻穴から堤も崩れる」は A small leak will sink a great ship. (小さな水漏れが大きな船を沈ませることがよくある。)となる。今日は動名詞をつかった表現で There is no knowing 〜 「〜を知ることはできない。」や It is no use asking him for help. 「彼に助けを求めても無駄だ。」を勉強した。no useはuselessの意味で形容詞の働きをするから、 of no use というのと同じだ。
MIさんは「動名詞構文」の慣用表現をいくつか勉強した。「筑波大」の英文では For adults who are used to being in control of our lives, this can be very unsettling. が難しかった。be in control of 〜は「〜を支配する、〜を管理する」の意味で Mr. Kimura is in charge of our class. (〜を担任している)と同じ表現。 もし、be in the control of 〜なら「〜の管理下にある」「〜に支配されている」の意味になる。今日の授業では私の勘違いで the のある方で訳してしまったので、次回に訂正します。もう一度訳せば、「自分の生活を管理するのが習慣になっている大人たちにとっては、このこと(つまり前文の、外国生活ですべてが新しく異なっていること)はたいへん不安な要素だ。」となる。
三島教室のMA君の答案を添削した。全体に正解が多くて弱点が少ないように見えるけどさらに向上できるといいね。「センター試験」の過去問では、文の配列で失敗があった。日本語では「そして」とか「だから」といちいち言わずに議論をすすめて結論につないでいくから 接続詞の and や soなどに相当する語が省略されるのに対して、英語はどうかというと、まず最初に結論を述べたり問題提起をしてから、そのわかりやすい説明や実例や理由を述べていく流れでしょ。だから or (つまり)とかfor (なぜなら)などの接続詞をいちいち何度も繰り返さないのだ。いいかえれば英文和訳では、接続詞が省略されていたら「すなわち」とか「たとえば」とか「なぜなら」を補うようにすれば素晴らしい日本語の流れになるよ。ピリオドの後だけでなく、カンマ、コロン、セミコロン、ダッシュの後も同じように考えるといい。発話の場ではただの「間」(ポ−ズ)にすぎないからね。尾上
(追記)10年来の山仲間TA君が今モスクワに行っている。「明日からモスクワに出張だ。二度と行くまいと心に決めていたロシアに18年ぶりに行くことになった・・・。」とフェイスブックに投稿してから出発した。毎週末、どこかしら「山歩き」に一人で出かけては花の写真にひとこと添えて投稿している。今回は山旅じゃないよ、出張なんだ。
長年培ったビジネスの交渉力や語学力が見込まれて、想定外の仕事を任されたTA君はもとは住友商事のロシア駐在員で、主にアゼルバイジャン共和国で石油のパイプライン敷設にたずさわってきた。砂漠の中のあのバクー油田が仕事の本拠地だったらしい。70才を越えた臨時雇用の人を厚生労働省は、ロシア政府が戦後70年経って最近公開している「シベリヤ抑留者・戦没者」の名簿を新たに受領に行かせたらしい。もちろん正規職員に同行の形だろうけど。
岐阜県下呂の教育者の家系に育って詩人を目指したTA君が、外語大で「商社マン」の道を選んでしまった。一方私はというと、祖父は木材、父は軽金属でビジネスの世界で働いたというのに「高校教師」の道を選んだのだからまさに入れ替わりの人生だね。なにしろTA君の弟さんは東大のドイツ語の名誉教授だよ。TA君と山旅で会うたびに「お互い逆の人生の方が良かったのかなあ。」と語り合う。
健康であれば人生は意外と長い。還暦で定年退職した後も意欲さえあればまだ20年でも30年でも働ける。いつか突然「さよなら」は訪れるだろうけれど、それまで無為にすごして待つよりは持てる能力を発揮していつまでも社会に役に立ちたいものだ、と思う。TA君の厚労省での活躍を期待し応援しているよ。
