冬期講習中の朝は良く晴れてすがすがしかったね。「ゆうゆうホール」と向かいの「商工会議所」に挟まる道路には「愛染院跡」という小島のような植え込みの三角分離帯があって、真っ赤なもみじがいつまでも散らずに美しかった。
ここには富士山の溶岩が冷えてできた小山があって室町時代の寺の跡らしい。その向かいの「ゆうゆうホール」前には真っ赤な「時計塔」。定刻になるとこの銀色の球形が開いて人形たちが演奏を始めるのです。こんな素敵なホールで勉強会が開催出来る幸せ・・・!
TAYさんは前回、「同志社大」の和訳「歳末大売り出し」が難しかった。They are decked out for the festive season as glitteringly as any western store. は前の文の主語が「日本のデパートやスーパー」だからきっとここも同じ主語と考えるのが普通だ。They をすぐに「かれら」と訳すのは失敗の元。heかsheか itの複数形だからね。「それは欧米のどのお店にもまけないくらいギラギラとお祭り期間用の飾り付けがしてあった。」今日は「疑問文」の復習だったが、予想外にミスを犯してしまったね。SVの前に来るのは「接続詞」か「疑問詞」か「関係詞」、といつも注意しなきゃいけない。
TACさんは前回、「パラグラフ問題」でScience is a good thing, but it is not an end in itself. のendを「終わり」と訳して意味不明になった。「物事のエンド」は「終わり」、鉛筆のエンドは「はじっこ」、計画のエンドは「目的」。一つの「原義」からいくつもの意味が派生することを言語学では「意味の拡張」というよ。じゃあ、springの原義は?
今日は「分詞」をやった。「誰もそれ以上言うことがなかったので、会議は散会となった。」の空所補充問題で、 Nobody ( ) any more to say, the meeting was over. の答えは had と書いたね。待てよ、SV〜とSV〜が何でつながっているの?「接続詞」がないじゃん。省略してもいいのは「分詞構文」の時でしょ?ここはhaving なら正解だったね。主語nobodyが残っているから「独立分詞構文」と呼ぶのだ。
TU君は前回、「分詞」をやった。have 物 –ed(〜してもらう)、spend 時間 –ing、make oneself understood(自分を理解してもらう)など大切な慣用句ばかり。ぜひしっかり覚えてほしい。今日は「動名詞」の整序問題をやった。「彼女に話しかけても無駄だった」は It was no use talking to her. が正解。このItは talking 以下の「動名詞句」を受ける「形式主語」の働き。
2年生NIさんは、「無生物主語構文」をやった。上智大の「現代の科学」も愛知大の「ソクラテス」もほぼ正確に和訳できていたよ。英作文は「関係詞」をやった。入試の和訳では「野口英世」が難しかったね。
1年生YO君は前回「助動詞」をおさらいした。may well(〜するのももっともだ) only have to(〜するだけでよい)、 might as well(した方がましだ) など、レベルの高い「助動詞」をしっかりおぼえてほしい。
中学2年生のNI君も前回、「助動詞」をいくつか勉強した。「未来」を表す willと be going to、「誘ったり、頼んだり」のwill you?「提案する時」のShall I ? とかShall we ? 「必要だ、義務だ」と話者が思うときのneed、 mustなど。「助動詞」とは、文には登場しないけどいつもそこにいる人、つまり「話し手=話者」の「判断」や「気分」を付け加えるものです。「動詞」を助けているんじゃないよ。助動詞とは「補助的な動詞」という意味で「動詞」の一種です。中学生のうちからこんな「UG理論」でしっかり勉強したらとてもいいね。今日は「第10課」の「女性写真家」を和訳した。「不定詞」の項目で1,「こと」2,「ための」3,「ために」の意味になることは学校ですでに勉強していたね。きちんとした日本語に直せることが、英文を正確に理解したことになるのだ。今日もたくさん勉強したね。 尾上
(追記)冬期講習の第3日は2年生に約束した通り、「発音」と「アクセント」のセンター対策の話に1時間割いた。二次対策を中心にしてきた3年生も2週間後に本試験を控えているので、中学生NI君も含めて7名全員に勉強してもらった。TACさんなんか中学3年の時から、筑波大に行ったお姉さんの紹介で「UG会」に入ってもらって、もう耳にタコができるほどでしょうけどまた例の手作りプリントを2枚配って説明した。
アクセント問題で注意事項の(1)、アクセントは「♪♪-ic、-ical、-ityの前。-ateの前の前♪♪」と覚える(尾上創作)。二拍子のリズムで唱えれば忘れないよ。注意の(2)、カタカナ語もよく狙われる。日本人はほとんどの外来語で最初を強く、高目に発音する習慣だ。サクセスとかアクセサリー、ミュージシャン、ギターなんか英語とは全く違う。
「母音」の発音については第2日目に詳しく説明したので、プリントの上半分に記載した「子音」の話をした。大学で「音声学」を勉強した先生なら教えられるはずだけど、学校で習ったことがあります、という生徒は皆無だったね。「破裂音」「摩擦音」「破擦音」が調音の位置で異なる話。側音「l」と流音「r」の違いは難しいけど、前者は舌を天井にしっかりつける。後者は口中で軽くひっくり返すだけ。だから「暗いル」と「明るいル」の違いなのだ。日本人は苦手だねえ。
ちなみにロシア人はこの流音「r」をベランメエ調に「巻き舌」で固く発音するよ。「ハラショー(素晴らしい)」の「ラ」を巻き舌で言ってごらん。ドイツ語も同じ巻き舌だけど、フランス人は「舌」じゃなくて、なんと「ノドチンコ」を震わせる!上品に言えば「口蓋垂」のこと。「パリ」の「リ」や「ボンジュール」の「ル」を発音できるかな。
鼻から息がでる音を「鼻音」といって3つある。唇を閉じれば「ム」で、舌先で息を止めれば「ヌ」。のどの奥で止めれば「柔らかなグ」も鼻音という。hungryの名詞hunger(空腹)は固く「ハンガー」でいいけど、動詞hangにerがついたhanger(衣紋掛け)は柔らかく「ハガー」と発音するんだよ。1文字違いでも大違いだ。動名詞や現在分詞の-ing形はすべて「鼻音」で終わるから最後に「グ」と言ってはいけない。動詞のsing、ringも名詞のkingやeveningも代名詞のsomethingも形容詞のinterestingもみーんな「グ」じゃないよ。「鼻音」で終わるんだ。「スィン」「リン」「キン」・・でいいんだ。「ン」に丸をつけることもある。センター試験によく出るから注意しよう。
