高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

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前期試験が始まるよ
前期試験が始まるよ
2015年2月23日(月)三島ゆうゆうホールにて 「御苑の桜とNTT」
 昨夜から雨まじりの「春一番」が吹き荒れて、晴れたのに洗濯物が干せないよ。南の風だから気温が一気に10度も上がったらしく、裏庭の「フクジュソウ」が黄金色にキラキラと光って6株も一斉に開いた。春だねえ。
 3年MA君は明後日、いよいよ前期試験だ。苦手の英作文を中心に勉強した。前回は英文の書き換え問題に苦労した。 It is reported that two people were injured in the explosion. をtwo peopleで始まる文に書き換える問題だが、高2でさんざんやったIt seems that 〜「〜と思われる」「〜らしい」の書き換えと同じこと。It is said that〜や It is thought that〜、It is believed that〜と同じように、まるで「助動詞」のように節の中の動詞の前に加えればいいのです。 Two people are reported to have been injured〜. というふうに。こういうのを「法」(モダリティ)といって、話者の判断や気分を付け加える働きなのだ。終了後お母様がお迎えがてらご挨拶に見えた。私立は2校とも合格しているので、あとは早稲田と国立が受かるといいね。
 YAさんは早稲田の和訳で例の「名詞構文」理解にもう一歩だった。〜 became more and more worried about the effect of man and his works on the environment. では effectがhave an effect on〜(〜に影響を与える)の名詞だとわかれば、「人間と人間のつくったものが環境に与える影響について・・」と訳せるね。
 TA君は入試の長文問題を2つ、「若者の集団意識と携帯電話」と「哺乳動物の巨大化」を読んで設問に答えた。いつもよりたくさんの正解が出せたね。残りのプリントも家でやって英語の時間を増やしてね。
 2年TAYさんは期末試験の直前だけど前回、35回の残りの和訳プリントに挑戦した。「宮崎大」の I am mystified by people who say they never dream and appear to have no interest in the subject. ではA and A’を見誤ると意味不明になる。ここでは sayと appearが並列だ。 appear to〜はseem to〜と同じく「〜のように見える」だから、「夢なんか一度も見ないという人やそういう話題には興味がないように見える人たちには困ってしまう。」
TACさんは期末テスト対策に専念した。頑張ってね。尾上

(追記)「言語学」の勉強のため久々に新宿へ出た。慶応大学の川原先生による「音韻論」の研究発表だった。内容を具体例で説明すると、「偽狸汁」の読みは「ニセ+タヌキジル」(偽のタヌキ汁)と「ニセダヌキ+ジル」(偽タヌキの汁)の2つある。ここではタヌキの「タ」が「ダ」に変わる時(「連濁」と呼ぶ)にどういう規則が働いているかを立証する問題だ。「シル」は共に「ジル」に変わってるね。
 同じ元慶応大の大津教授がUG理論の原理から30年前に見事に説明している現象に、実験者の立場から疑義を唱えようという試み。おおぜいの被験者を対象に実験してみたら、必ずしもそういう結論に達せられなかった、という。大津先生もこの講座の主催者として目の前で受講されているのだが、その手法にかみつく挑戦的なハラハラする講義だった。ICUの出身でまだ30歳代のようだが既成概念に疑問を投げたり、時折独りよがりになったりするから若い学者は面白いね。
 音韻論の議論にはしろうとでも参加出来るよ。自分の日本語について考えてみればいい。鉛筆1本、2本、3本の読み方が「イッポン、ニホン、サンボン」とすべて異なっているね。なぜだろう?昔、同僚の国語の先生が小学生の娘にこんな素朴な質問をされて答えられず困った!と言ってたなあ。6本、8本、10本は「ロッポン、ハッポン、ジュッポン」となる。小さな「ッ」で撥ねるときに「ポ」となるらしいけど・・。なんで「ッ」なの?音が「ツマッテ」出ないときの記号かね。
 こういう問題を言語の歴史的考察も含めて解明するのが「音韻論」で、言語学が扱う分野の一つだ。さらに単語の研究は「形態論」、文型の研究は「統語論」、文章の研究は「意味論」、そして発話全体を研究対象にする「談話文法」と5段階に分類されている。MIT教授のノーム・チョムスキーを頂点とする世界の言語学者の興味対象は「統語論」で、英語の「SVOC」という文型の研究だ。これを更に人間の脳の働きと関連させて研究している。すべての言語に共通する「文法」は何か?つまり「普遍文法」 Universal Grammar (UG理論)を追求して、今日に至っているのです。
 私は大学時代に始めた言語学の勉強を更に深めたくて、たまたま澁谷駅前のビルの一室で開催された「理論言語学講座」に毎晩通った。アメリカの頭脳といわれるマサチューセッツ工科大学(MIT)を中心に広まっている「変形文法(旧名)」という名の「新しい言語学」を日本にも根付かせようと、東大・慶応・早稲田の教授たちが昼間それぞれの大学や院でやった講座を一般にも解放した。私も含めて他大学の学生や教師や企業派遣の研究者が大勢受講した。
 大学卒業後静岡県の教員になって20年間のブランクがあったけれど、88年に上記講座に再入学してからは勉強意欲が高じて、50代の半ばになってから「東京学芸大学」の大学院に入学し、ずっと年下の教授たちから素晴らしい指導をして頂いた。「英語史」の児馬修先生は中野区立桃園第三小学校の後輩だとわかってお互いにビックリ。
 修士論文のテーマは「無生物主語+SEEの構文」。受験英語でもお目にかかる 1997 has seen two economic developments. これを「1997年が2度の経済発展を見た(?)。」と和訳したらおかしいよね。「世界が」なら擬人法っぽくてまだOKだけど、「日本の努力が」にしたらもっと奇妙だよね。 see という動詞の未知の領域を研究したため、2001年の「英語学会」にも取り上げられ「東大」での研究大会で発表させて頂いたよ。
2015/02/24 (Tue) 0:14


大学の授業って?
大学の授業って?
2015年2月20日(金)裾野市民文化センターにて 「ゴルファーたぬき」
 YU君は入試の和訳をほぼ無難にこなして、慶応大の自由英作文に挑戦した。「医者がストライキをやって病院閉鎖になったら病人の数が減った!・・というエピソードをどう思うか?」70語以内の英文で自分の意見を書け。これはなかなかむずかしいけど、なんとか70%得点したいね。
 2年KI君は否定語のない「否定」の慣用表現を9例も勉強した。 It was not long before another war broke out, は「〜するまでたいして時間がかからなかった。」の意味だから「じきにまた戦争が勃発した。」と簡潔に和訳してもよい。 
 EC君は同じ「否定表現」で far from〜と free from〜の違いを確認した。前者は「〜ではない」と単に否定するnotや neverと同じ。一方、後者はcare-free barrier-freeのように「〜が無い、〜を持っていない」の意味で don’t have〜と言い換えられる。This river is free from pollution. 「この川は汚染されていない。」
 SUさんのサークルは剣道部だそうだ。東大の剣道部と合同の練習するため「駒場キャンパス」の情報がたくさん入る。男子東大生はみな堀北真希のファンだよ、とか。東大の学生は入学後の2年間は全員、駒場の「教養学部」に所属する。専門課程の3年になる時「振り分け」があって、文科1類はほぼ法学部、文2は経済学部、文3は文学部に、理科1類は工学部、理2は理学部・農学部、理3は医学部に進む。それぞれがお茶の水の「本郷キャンパス」に移動する。
 この「教養学部」というのは高校の授業の延長と考えればいいのだが、実は後期にも希望して「教養学部」に残る学生もいるのだ。それがなかなか評判が高い。なにかひとつ「学問」を極めたいと思って東大に入ったはずなのにあえて「本郷の赤門」に行かない。就職内定率がとても高いせいなのかもしれない。
  「SUさん、君の聖心女子大は駒場と同じ教養学部の単科大学だって知らなかった?三鷹のICUもそうだし、三島北口にある放送大学も同じだ。秋田には国際教養大学というのがあって留学生をたくさんかかえているユニークな単科大学だよ。」 尾上

(追記)数学や国語など高校の教科は、それぞれの専門分野で基礎として必要となる場合を除いては忘れてもいいけれど、英語だけは「これで終わり!」ではないよ。大学はどの学部に入っても、つまり文系学部でも理系学部でも芸術系、体育系でも必ず外国語が2つ必修科目となることを知ってるかな?そしてそれぞれを前期の2年間勉強する。それに合格しないため3年に進級できない学生がたくさんいる。おどしじゃないよ。そして更に大学院を受験するときには2つの外国語の試験がある。
 大学で英語を専門に勉強したい人は、文学部または外国語学部で「英米文学」か「英語学」のいずれかのコースを選ぶのが普通だ。たとえばYAさんの進学先「上智大学」では具体例でいうと「シェークスピア文学」の研究か、「英文法」の研究か、ということだ。もちろん両方に精通することも出来るが、修得単位の制約でどちらか一方の比重が大きくなる。自分の選んだテーマについて卒業論文を仕上げて「学士」の称号がとれると晴れて卒業だ。
 「英会話」や「ビジネス英語」「英語能力検定」などは大学に講座をおくところは少ないので独自に英語の専門学校や塾などに通う必要がある。英語は大学卒業単位に必須であるだけでないよ。欧米の大学に留学するにはTOEFLの高得点が必要だし、もちろん大学院や大手企業の就職試験にも課されている。TOEICなどの成績が職場でのキャリアにもしっかり反映されると言う点では、これからもずうっと勉強がつづくと考えた方がいいね。
 昔、東大の駒場キャンパスで英語の学会があって参加した時、授業中の校舎内をこっそり見て回ったことがある。LL教室の前を通ったらドアの小窓の向こうに、30〜40人の学生たちが全員ヘッドフォーンをはめて会話かリスニングをやっていた。そうだよ!高校と何も変わらない。ドアの掲示を見たら時間割が貼ってあって、文Tから理V(つまり医学部)までが全員クラス分けされて毎週LLの授業を受けることになっているのだ。
 第1外国語はふつう英語として、第2にはドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語、中国語などの中から選択する。小規模の大学には英語のほかには独仏しか選択できないところが多い。UG会のSUさんが通っている聖心女子大は教養学部だけなので外国語が豊富で、英語を第1、スペイン語を第2に選んだだけでなく、ロシア語とトルコ語も第3、第4として選択できて、T年生の彼女はそれぞれ立派な成績で単位が習得できたようだ。素晴らしいね。同時進行で4つも外国語を学ぶことが出来る、ということを実証して見せてくれた!
 沼津にも教室のある「ヒッポファミリー」という子供の英語教室では、7カ国語を同時に聞かせてまとめて学習している。50年前、MITのチョムスキー教授を講師として東京に始めて招待し、日本の言語学講座発展の草分けになった「榊原陽」という人が試行錯誤して作り上げたシステムだ。遊びの中に言葉をとり入れることで多言語をきちんと混乱もせずに覚えられるらしい。国内だけでなく海外にもたくさん教室があって、人間の言語学習能力が無限であることを今も実践している。
 私も東京外語大1年の時、専門のロシア語に加えて第1の英語と第2のフランス語をやっていたから、SUさんより少ないけどそれでも3カ国語が同時だった。大学の前期2年間は教養課程といって、科学の3系統がすべて必修となる。即ち、人文科学・自然科学・社会科学だ。私が選択したのはそれぞれ「言語学」と「数学」「経済学」だった。なんと週1の「体育実技」も必修だったよ!
2015/02/20 (Fri) 23:37


英語で一番難しいのは and だね
英語で一番難しいのは and だね
2015年2月16日(月)三島商工会議所にて 「幕山の紅梅」
 2月も後半になって学年末試験がせまってきたね。KOさんは「自宅で試験勉強に専念します。」と連絡あり。UG会で鍛えた英語力を発揮していい成績を取ってください。YAさんから手作りクッキーを頂いた。明日天気が良ければ「金時山」で食べよう。3月末に東京に引っ越すまでこのUG会で勉強を続けると言ってくれているので、まだしばらくは様々な大学の入試問題に取り組んでみよう。上智大英語科に行ったら「梶田優・名誉教授」の名前を探してみて。私が25年前に「UG理論」、別名「チョムスキー理論」の勉強を再開した時の「生成文法」の大先生です。毎週放課後、バスで新宿西口の「夜学教室」まで通ったなあ。梶田先生の引退後は「福井直樹」教授がしっかり後を継いでおられる。MIT出身の素晴らしい先生です。
 YAさんは前回、滋賀大の問題が難しかった。They account for at least 85 percent of all the animals known to science and although the success of insects can be attributed to many factors, clearly, the most important factor lies in the ability of adult insects to fly. 間違いの原因はand の扱い。 althoughで始まる節と同類のものは前方に見つからないのでここは更に後のSVと冒頭のSVが A and A’になっていると判断する。「カンマ・カンマはカッコのこと」だけど, clearly,も何を修飾するのかややこしいね。ここでは前の節を全文修飾して、「明白なことだが」となる。「昆虫は科学世界に知られている動物全体の少なくとも85%を占めていて、昆虫のそういう成功が多くの要因によるものであることは明白だけど、中でももっとも重要な要因は成虫の飛ぶ能力にある。」と訳すといいね。
 2年TACさんは「比較構文」の慣用語法を勉強した。とてもよく理解できていたよ。千葉商大の英文でややこしかったのは Animals, left to themselves, do not disturb the balance of nature. カンマカンマをカッコで括って後回しにすれば「動物たちは自然のバランスを壊したりしない。」だから、leftは過去形でなくて過去分詞形。つまりbeingが省略されていて、受け身の分詞構文ということ。Leave me alone.は「私を一人にほっといて。」でしょ?to themselvesもaloneと同じ意味だから、「一人にほっておかれるならば・・」ということだね。
 TAYさんは吹奏楽部の副部長でオーボエを吹く。「演奏曲目は自分たちで決めてます。」というので、「よかったら、尾上先生の持ち歌(?)をやってみない?」と持ちかけた。「15年前にアメリカの著名な作曲家に委嘱して沼津東高校のバンドのために作曲して貰った曲があるよ。30名の小編成用だけど当時はコンクール東部で1位になった。県大会でも東海大会でも金賞を取ったよ・・。」と言ったら、「楽譜を貸してください!」
 TAYさんは前回、駒澤大の和訳が難しかった。 Our educationalists are too often anxious to teach children so many different languages that they never get far enough in any one to derive any use or enjoyment from their study. ここでは so 〜that の構文で「とても〜なので」と後文の結果に重点をおく訳し方がいいね。be anxious to のイディオムがわかれば「あまりにたびたび・・したがる」と考えて、「我が国の教育者たちが子供たちにたびたび教えたいと思う外国語があまりにも多すぎるために、子供たちはどの言語でも自分の勉強で実際に使ったり楽しんだりできるほど十分深く到達するということがない。」 尾上

(追記)先週末、大学同窓3人と湯河原の「城山」563mに登った。10年前から始めた例会も最近は毎月1回のペースだからこれで83回目だ。キラキラと輝く真っ青な海とみかん畑の坂道が早春の湘南のよさだ。湯河原駅前でタクシーに乗り込み、箱根に向かって「椿ライン」を登っていくと「登山口」のバス停がある。ここですでに標高300mだからあとわずかを登ればよい。平均で1時間に登れる高さは300mだから休憩もなしに山頂には2番目のグループで到着した。その直後この山頂の草地にはみるみる内に20人くらいが現れて昼食を食べ始めた。
 昼食には少し早いのでわれわれはもう一つの目的地「しとどの窟(いわや)」に向かった。石畳のハイキングコースになっていて町の取り組みがありがたい。前述の「椿ライン」の広い舗装道路に合流すると「椿台」という名の絶景の斜面。湯河原と奥湯河原の温泉街の全景が見おろせる。真っ青な空のもと、ポカポカと暖かい。林道のトンネルを抜けると仏像が林立して弘法大師の石像を取り囲んでいる。ここから急坂の雪の参道になっておそるおそる下っていくと、信者さんたちが寄進したお地蔵さんが無数に続いている。
 やっとたどりついた「しとどの窟」は急斜面の崖の上にある。源頼朝が小田原の「石橋山」で挙兵して敗走したときに、湯河原の領主「土肥実平」に助けられて隠れていたという深山の大きな岩屋だった。頼朝は九死に一生の命拾いをし、真鶴の浜辺から脱出して房総に逃げのびたそうだ。「しとど」とは小鳥のことでその時飛び立ったのでこの名がついた。大きな巌のなかにも数十の仏像が安置されて見事だった。
 ここからは元の道を戻ればいいのだが、道の標識を見ると「幕山公園」まで2キロほどで下れるという。私の計画にはなかったルートを発見して一同喜ぶ。「急坂を登らずに下るだけで観梅の景勝地「幕山」の麓に行けるよ。おまけに梅園を見物していこう。」どこまでも急斜面の登山道を下ると30人くらいの元気のいい女の子のグループとすれ違う。「遠足なの?」と聞いたら先生が「高校の登山部です、中学生もいるかな。」高校の山岳部ってマイナーの部活なのに、この学校はどこだろう?と思ったが聞きそびれた。このルートも「城山」登山でよく知られているんだね。
 「幕山公園」に下ってきたら、マットを背負っている若者たちに会う。そうだ、この幕山の麓はロッククライミング練習場でも有名なんだ。紅梅・白梅の林の真上が大きな岩場になっていて、危険防止のマットを敷いてよじ登っては楽しんでいる。「梅まつり」が始まってみやげものやもずらっと並んでいるのだが肝心の梅はまだまだ三分咲きで時期尚早の感。斜面のスイセンが美しかった。
2015/02/16 (Mon) 23:37


「状態」動詞vs「変化」動詞?
「状態」動詞vs「変化」動詞?
2015年2月13日(金)裾野市民文化センターにて 「糸川の桜まつり」
 YU君が「浜松医大」の推薦入試に合格した!10日に発表があってすぐに私の携帯に電話をくれた。センター試験でも最高の得点だったから私の予想通りだった。長年の希望通り晴れて医学の道に進めるね、おめでとう!ちょっと高いけれど「東大理V」を目標に掲げてコツコツ自己練磨をしてきたYU君の戦い方は、たとえてみれば「山登り」のよう。山岳部員としての地道で周到な準備が功を奏したね。
 前回、広島大の和訳で、 Reading is to the mind what food is to the body. がでてきた。受験生必修の構文 A is to B what C is to Dだから暗記している人はしめた!と思って、「読書の心に対する関係は、食べ物の体に対する関係とおなじことだ。」と訳せるね。だけど、ここのwhatがどういう働きかわかっていない人が多いんだ。関係代名詞の what は something which と同じで「こと」「もの」と訳す。しかしここでは「大切なもの」と解釈してほしい。He is something.と言ったら「たいした人」という意味だったよね。ここは「読書は心にとって大切なものだ。食べ物が体に大切であるように。」となる。
 TA君は文法を大分忘れかけてるね。 be married(結婚している=状態)に対して get married(結婚する=変化)を区別すること。「人口が多い」は large population といって、many peopleと区別すること、などなど。せっかくの英語の学力を維持していこうね。
 2年EC君は「否定構文」の慣用表現を2つ、「二重否定」never〜 without -ingと「強調構文」 It was not until 〜 that S V 〜を勉強した。 We never watch television without being influenced by it. このnever は動詞 watch ではなく文全体を否定するから「影響されずにテレビをみる、ということは決してない。」という意味。裏を返すと「テレビを見ると必ず影響を受ける。」となる。
 KI君も同じ項目だった。 It was not long before John was used to taking his shoes off before entering a home. 「〜までそんなに時間がかからなかった。」から、「そんなに時間がかからないで」とか「すこし時間がたったら」、つまり soon 一語と同じ働きだ。 さらにbe used to+名詞(動名詞)は「〜に慣れている」(状態) であってget used to (〜に慣れる=変化)とは少し違う。「すこしして(気づいたら)〜に慣れていた。」という意味になる。
 今夜は入会希望の2年生の女子がお母様と授業体験に見えた。さっそく同じ「重要構文」のプリントをやってもらった。添削してあげるとしっかり説明を聞いて応用もでき意欲的な様子だから、希望の大学に向かって努力を続けてくれそうだ。入ってくれるといいね。 尾上

(追記)立春から1週間、みごろになった「あたみ桜」を楽しみに熱海に行った。「桜まつり」の会場は街の中心を流れる「糸川」の遊歩道。今まさに真っ盛りのサクラの並木が両岸に続いて、祝日のために大賑わいだった。土産物屋が出たり大道芸人が得意技を披露したり。もっと有名な「河津桜」を友人と見に行ったことのある家内は、「この熱海の方が落ち着いた雰囲気でずっといいわ。」と言っている。「河津の方は屋台の煮物の臭いと演歌の騒音でお花見の気分ではなかったわ。」と。
 皆さんがカメラを向けているのは頭上のサクラの枝を飛び交う小鳥たち。目を白く隈取りした薄緑色(ウグイス色)のメジロたちが、夢中になって花の蜜を吸っている姿がかわいい。ずっと見とれてしまった。ウグイスといえば梅。「梅まつり」もすぐ近くの来宮「梅園」で実施中なので訪問予定していたが、会場周辺は大渋滞でとても車では近づけない。当日朝日の朝刊にも梅園の写真が載っていたからいっそうだ。
 6月になるとこの「糸川」の遊歩道はブーゲンビリアの名所になるそうだ。さすが暖かな温泉地・熱海だね。熱帯の花でも咲くんだ。同じ6月には海岸の「お宮の松」付近に植えた「ジャカランダ」の木も見事な青い花を咲かせるようになったそうだ。「ポルトガル」から姉妹都市の記念に20年ほど前苗木で寄贈された南米特産のこのジャカランダは20mもの大木に育つという。知らなかった。これは世界の「3大花木」の一つに数えられているそうだ。
 写真で見ると、我が家に3本ある「桐の大木」が5月に美しい薄紫の花を一杯につける様に似ている。それで「キリモドキ」の別名もある。河口湖から御坂峠に向かう道路沿いで「ニセアカシア」の大木に白い花が一杯に群がって咲く様子にも似ている。葉は「ネムの木」の葉にそっくり。この夏にはぜひ訪れてみよう。先日テレビで南米アルゼンチンの美しい街路樹が写し出されて気になったのでネットで調べたら、日本では宮崎県の「日南海岸」にも数百本の見事な「ジャカランダの森」があるとわかった。
 なんと、この熱海でも名所にする計画と知ってまたまた驚いた。灯台もと暗しだね。まだ苗木から育てている段階だけど。人口減が心配の熱海市では、市長も先頭に立って観光客誘致に一生懸命のようで、熱海市納税者の一員として心から応援している。実は、伊豆多賀の「自然卿」という別荘地に私の購入した小さな土地がある。家を建てる予定も余裕もないが市の税金と管理費を取られるばかりではつまらないので、海の見える冬の避寒地に使う予定だ。
 遠くに「初島」と「相模湾」、真下に「網代港」が一望の斜面で、最近クワやツルハシを持ち込んではその急斜面に「一休み」のスペースを作っている。トラロープを張ったり、ハシゴを架けてアクセスの道や階段を自分でつくっては楽しんでいる。この日もレンガを5つほど埋め込んで階段を補強した。整備が進んだら「みかん」や「レモン」の苗を植えてみたいな。
2015/02/13 (Fri) 23:08


日本語に引きずられるな
日本語に引きずられるな
2015年2月9日(月)三島ゆうゆうホールにて 「BOAC慰霊碑」
 そうか、もうすぐバレンタインデーだっけ。SUさんから早々とマキシムズのプレゼント。古希をすぎた年齢で女子大生から貰うなんて滅多にない経験だ。心遣いが嬉しいね。以前に読んだ英文では、クリスマスプレゼントよりもずっと古くからある慣習だとのこと。今日のTOEFL問題は「ブラウン運動の原理の説明」。「冒頭から何のことだかチンプンカンプンだわー」と言っている。高校で物理を選択していればもう少し理解出来たかな。「気体の分子がぶつかると空中の粒子は小さいほど動きやすい」という理屈を「池に投げたパンに突進する魚の群れ」にたとえて説明している。「リケジョ」の世界も広げてみたら?NEWSWEEKのコピーでは「精神異常者の犯罪」、New York Timesでは New York to Pay $3.9 Million to End Suit Over Police Killing of Teenager 「NY市は警察が10代の若者を殺した事件の訴訟で示談にするため390万ドル支払い予定」を読んでみた。このような「時事英語」Current Englishに日頃接することでTOEFLテストをクリアできるよ。
 MA君は東大の英作文「私は新校舎に入ってみる気にならなかった。ひとつには、これはもう私の出た学校ではないというさびしさがあったためである。」が難しかったね。前半は feel like –ing をつかってうまく書けていた。「時制」の誤りを除けばね。「さびしさがある」はThere is a sadness・・は無理。日本語で「ある」「いる」はまず have で処理しよう。「残念」な感情を表すにはfeel sorry とやりたいね。理由を表現するには、誰でも知っている(This is) because〜 で十分だし、「ひとつには」は主語にしないで、副詞でFirst(ly)(まず第一に)とかPartly 「一部には」を追加すればいいのだ。「は」は主語だと思ってはいけない。文のテーマを示すものだ、と教えたよね。要するに英作文は、今までよく使った単語や構文に「持ち込め」ばいいのです。日本語に「引きずられた」独創的(?)な英文は危険だし、ほとんど誤訳なんだよ。「数年前」の話だから「過去形」で書かなくてはいけないし、「出た学校」は更にそれ以前のことだから「過去完了」でしょ?「時制」に注意が足りないようなので受験直前だけど特訓しようか。
 YAさんは次回の裾野教室の代わりにこちらに参加。英文解釈の力が日増しに向上しているが前回、信州大の英訳「誰でも教育を受ければ幸せとはいえない。」に苦労したね。著者にはここで段落を変えて書いて欲しかったけど、On the other hand,(ところが一方)ではじまる後半では「個人の能力以上の教育は、教育不足と同じように不幸の原因になる。」と反論を展開している。読みずらいのは「悪文」のせいかな?
 2年EC君も先週休んだので三島に参加した。「部分否定」と慣用の否定構文を勉強した。否定文の中に形容詞every、both、 allや副詞のalways、 necessarily、 quite、completelyがあれば「すべて〜する、というわけではない」と訳すんだったね。100%の単語に限るので、usually(ていてい) やalmost(ほとんど)は該当しないのです。
 TACさんは比較構文で「鯨の公式」 no more V・・than〜=not V ・・any more than〜を勉強した。no more than〜(数字)とnot more than〜(数字)の違いも理解出来た。noは形容詞で次の単語moreを否定するから「わずか」という意味だけど、notは後の文を否定する副詞だからmore than〜を否定して「〜以上ではない」「多くとも〜だ」という意味になるんだね。和訳では東京薬科大の Yet when I was a child, Stratford was as far away as the moon ― farther, indeed, for I could see the moon. が難しかったね。「〜は月と同じくらい遠く離れていた。いや、実際はもっと遠かった。なぜなら月なら目で見えたから。」と、ダッシュ(ー)に注意しよう。前言の「同じ」を取りやめて「もっと」と言い直しているね。farther は far の比較級だから than the moonが省略されている。
 TAYさんは日本女子大の問題で It needs considerable imagination today to realize how difficult it was for anyone interested in music at the beginning of the century to follow up the interest. は中学の頃やった It is necessary for you to get up early. と同じ It is for 人to〜の構文で、Mだけど「あなたにとって」とやらないで「あなたが」と訳す。「今世紀の初め頃、音楽に興味を持っている人がその興味を持続させるのはどんなに難しかったか、を理解するにはかなりの想像力を要する。」少々長めだがfor以下がS(〜が)で to follow以下がV(述語)をなす「節」だと考えるのだ。武庫川女子大の It was a common practice for parents to live with their oldest son’s family. も同じで、「親たちは長男の家族のもとで暮らすのが一般的な習慣だった。」
 KOさんは「カンマ」の扱いにもっと慣れていくといいね。「カンマは切ること」とおぼえよう。 Established in 1980,@ the William Adams Association is named after William Adams, Aknown in Japan as Miura Anjin, Bwho was the first Englishman to reach Japan and to serve the shogunate between 1600 and 1620. @までは文頭にあるから、ここで切って後の文全体に係る副詞。「・・設立されたのだが、W・A協会は・・」となり次の主語だけを修飾してはダメ。AとBは「埋め込み文」を示すカンマで、日本語なら括弧・括弧で閉じておく部分。「・・で知られているが」と追加説明している。,who以降はWilliam Adamsを修飾させるのではなく、例の関係詞の「連続用法」とか「非制限用法」というもので、and he・・のように、ここも「切って」追加説明として扱うのだ。「実はその人は・・・だった。」と。和訳の基本は「出来るだけ英文の流れに沿って行くこと」だ。「国際会議」の同時通訳の人もそうやっているよ。後置修飾の場合やSVOCMの語順は逆順にしないと日本語にならないけど、「文」と「文」のつながりは英語の流れにあわせよう。 尾上

(追記)富士山5合目登山口で「そりすべり」を満喫した。30年前、ここは御殿場市営のスキー場でリフトも一基だけあった。ロープだけの簡素な物だが駐車場も広いのでおおいに賑わっていた。まだ小学校の頃の息子たちと一緒にスキーで滑った思い出がある。しかし、想像以上の強風に晒される5合目ではたびたびこのリフトの支柱が雪崩で倒壊し、市はとうとう再建をあきらめてしまった。十里木の上の方に「人口雪」のスキー場も営業を始めたし。
 最近、リフトを使ってゲレンデの中で滑るだけではものたりない若者が増えた。ゲレンデ周辺の林や斜面に出て行く「バックカントリースキー」がはやって、滑落で落命したり雪崩に会うような遭難事故が多発している、というニュースを聞いた。ゲレンデがなくなった太郎坊でも1440mの「大石茶屋」を基地にして、2000mの「双子山」まで自力で登って滑り降りてくるスノ−ボーダーやスキーヤーを毎冬見かける。子供用のプラスチックの「そり」で滑る私もその一人だ。若いね、身も心も。
 土曜日の午後、県道「富士山スカイライン」沿いの「太郎坊」入口1280mには10台から15台もずらっと路上駐車していてオドロキ。閉鎖ゲートをくぐって雪の自動車道「太郎坊線」を登っていくと左手に三角形の大きな「英国航空機・遭難者慰霊碑」が建っている。1966年3月、羽田発「香港」行きのBOACボーイング707が乱気流(山岳波)のため空中分解し墜落。乗客乗員124名全員が死亡した事故を思い出させる。機長が少しでも直線コースをとりたかったのか、晴天なので乗客に富士山頂をみせたかったのか、目撃者によると4500mの低空だったらしい。
 わたしも富士山頂の火口を飛行機の窓から左手に見下ろしたことがある。素晴らしい体験だった。「島根県松江・宍道湖」のツアーに家内と参加したら、羽田空港から出雲空港までのコースは丁度富士山頂の北側を通る。「香港」行きのコースと近いのかもしれない。航空機の巡航高度はたいてい1万メートルの上空だから3776mの山頂の3倍近い高さで、これなら「山岳波」の心配はないそうだ。
 この日は2日前にも雪が降って30センチほど積もって歩きにくいが、朝から大勢のスキーヤーが踏み固めてくれたのでスパイク付きの長靴でも十分だ。スキーやボードで滑った跡が何本も残っている。自衛隊の雪上車も演習でここを登っていくことがある。時折ズボッと踏み込むフカフカの部分もあるけど、持参の「かんじき」を履くほどでもなかった。帰りに「そり」で滑り降りるのには丁度いいスロープが長々と続いている。
 閉鎖中の「大石茶屋」についたら持参のインスタントラーメンをすする一団の横に自転車が1台倒れている!「なんじゃ、これは?」と思ったら遙かかなたにもう一台、雪の中を何度もぶっ倒れながら乗ることも出来ず押して下ってくる若者あり。大学生か会社員のような男子が4人グループで、2人はスノーボード、残りの2人は「マウンテンバイク」を押して「双子山」まで何とか登ったが、またがると車輪が重みで雪の中に埋もれてしまい、結局下りも押しながら雪まみれで歩いてきたのだそうだ。「アホだなあー。そこらに置いていけばいいのに・・」と言ったら、「夏の経験があるから、山頂までイジで押して行きましたよ・・」だって。何をやってもヤマは楽しい!
2015/02/10 (Tue) 0:10


1つの単語に複数の意味が
1つの単語に複数の意味が
2015年2月6日(金)裾野市民文化センターにて 「トレーラーハウス」
 きのうも雪が10センチほど積もった。車も自転車も出せないこんな日はインドアで読書かオペラかビデオ鑑賞だ。漬け物をつけたり、冷蔵庫の中を整理するのもいい。すべらないように玄関周りの雪かきも大事な仕事。
 YU君は前回、4枚のB4プリントを全部やってのけた。猛烈なスピードの上に正解率も高い。一橋大の英作文で「何でも習慣化されてしまうと、われわれはそれが正常だとみなし、病状が進行していても気づかなくなる。」が難しかったね。「習慣化される」はもっと平易に「人が〜に慣れる」とする。「なんでも」からwhateverが思いつけば、譲歩文でWhatever you get used to,「何に慣れたとしても」が書けるね。「気づく」に findを選んだならSVOCで We don't find ourselves getting worse.と、よく知っている表現に「持ち込め」ばいいのだ。日本文に「釣り込まれ」て変な英語を作らないこと。「病状が進行」はget worseで十分。our disease とやらない方がいい。和訳は慶応大「自然界の秩序」と九州学院大「昔の人の教育観」が少々むずかしかった。
 YAさんも同じ慶応大の和訳に手こずったね。natureやorderは多義語のひとつで扱いずらいね。しかし後にあるdisorderに気づけば「自然界の秩序と無秩序」の話だな、と察しがつくよ。senseも「感覚・感性・意識」など多義で、動詞のsenseは「感知する」でsensorセンサー(感知器)となる。イディオムin a sense「ある意味では」もよく使われる。・・there are any real accidents, in the sense of events which have no cause.「なにも原因がない出来事、という意味で本当の偶然な出来事があるとは・・」で後半はaccidentsを修飾している。ここも実は「偶然」が原義で、「偶然のこと」から「事故」の意味が派生する。accidentallyやby accident(偶然に)もよく見るね。
 TA君は前回、成蹊大の長文問題に挑戦したが難しかったね。千葉大の問題も動詞の語形を変えて(  )を埋める問題だが正解が少なかった。合格先の日大から学部関係の課題が出されているらしい。忙しそうだけど課題とは別に英語にも日頃の心がけを忘れずに。
 2年KI君は前回、否定構文を勉強した。・・in various situations ― particularly in new and strange situations.は「様々な状況での、特に新しく見慣れない状況での・・」としたい。strangeを「奇妙な」ではおかしい。「単語は多義だ」を念頭に、自分の知っている訳だけに固執しないこと。しかし、1語でたくさんの意味を覚えるのは大変だ。例えば基本単語lifeは「命」が原義だが「一生」「人生」「生活」「生物」のように訳し分けなくてはいけない。liveの名詞だから「生きる期間」「生きること」「生きているもの」の意味だ。
 「多くの生徒が使っている便利な電子辞書「大修館・ジーニアス」の欠点は、ペーパーだけど「研究社・ルミナス」で補うことが出来る。原義「1 」→「2 」→「3 」、「4 」のように「意味の拡張」が記載されていて実に記憶しやすいし、応用力を高めてくれる。どの辞書にも長所・短所があるということだ。
 今日は、前回の残りで入試の和訳と英訳をやってもらった。中央大の問題が難しかった。 It was a pleasant evening with the air warm against my cheek,・・「気持ちのいい夕暮れで風がほほに暖かくあたるし、・・」 with以下は「付帯状況」を表すからwarm の前に beingを補えば文が一つできあがる。その後さらに似た表現がwithなしで2つ続く。情景描写はこんな風にちょっと詩的な表現になることがある。 尾上

(追記)「中学生の頃のはなしA」
(つづき)中学時代の私の英語はどうだったかというと、1年のときはチンプンカンプン。父が昔から金属の貿易会社で働いているから英語の環境には恵まれていたのに全く興味がなかった。インドやパキスタンに出張することが多く、会社からイギリス系の古切手を持ち帰ってきてくれて私のコレクションは自慢だったけど。中2になって英語の担当が美人の若い先生にかわって、急に英語が好きになった。その先生はクラスで4.5人の生徒を選んでレベルの高いワークブックを与え、自宅でやってきたら添削してあげるよ、という指導だった。関西学院か神戸女学院出身の頭のいい魅力的な先生だった。まもなく背の高いハンサムな美術の先生と職場結婚してしまい子供心にガッカリしたが。
 当時は学習塾なんてまわりにないから私はせっせとまじめにノートを提出した。先生はその都度赤のペンで丁寧に添削して返却し励ましてくれた。多忙な父から直接教わった記憶はないが、ある時私のその提出ノートに先生あてのお礼のひとことを英語で書いてくれた。父は青山学院の師範学校の出身だったから英語は得意だった。この先生の添削のおかげで英語が大好きになりクラスでトップになった。この手法が今の「UG会」の指導に生きているのです。
 またある時、社会科の先生が「わしの試験で100点とったらカレーライスや。」と言ったのでいやしい私は発憤した。とにかく頑張ってただ一人満点を取った!英語につられてほかの科目も得意になっていった。朝礼の後先生によびだされてその日の放課後、宝塚駅の近くの食堂へ連れて行かれ、ちょっと格上げして「カツ丼」をごちそうになった。美味しかったなあ。先生は水を飲んで見ているだけなので恐縮したけど。
 中3の時に父が独立して大阪に小さな貿易会社をたちあげ、その資金のため家を売りに出す羽目になって西宮市の夙川に借家住まいとなった。私は1年間、転校せずにそこから阪急「神戸線」と「今津線」を乗り継いで宝塚中学に通った。この30分ほどの通学時間が英単語の暗記に役立った。2000語くらいの「豆単」(ポケットサイズの単語集)はほぼ全部覚えた。高校入試ではassembly(集会)だけが思い出せなかったが。悔しい思いをした問題ってなかなか忘れないものだ。
 もともと貧血気味で寝坊スケだったため私は遅刻の常習犯だった。「遅刻を3回やったら1回休んだ事にするよ!」と担任から脅されたなあ。ある朝、遅刻しそうなので2つ手前の「逆瀬川駅」で下車して近道した。橋がないから「武庫川」の岸でハダシになって靴を手に持って浅い堰を渡り、対岸の中学校グラウンドに突入してセーフということもあったよ。
 いつもは終点の「宝塚駅」まで行って、有名な「宝塚大劇場」の前の並木の「花道」を走り抜けた。昭和34年、皇太子様(今の天皇陛下)のご成婚記念の地方行脚の時、ここで日の丸の旗を振って車中のお二人をお迎えしたのも懐かしい思い出。皇太子妃美智子様が美しかった。夕方学校帰りに通ると出演者用の通用口前にファンの少女たちが殺到していて、有名な「宝塚スター」を待ち受けていた。その頃は春日野八千代とか浜木綿子とかいうスターが人気絶頂だった。男の子の私も興味が湧いて舞台を見に母親と何度か行ったことがあるよ。今でもミュージカルやオペラが大好きなのは少年時代のスリコミのせいかな。
2015/02/06 (Fri) 23:26


英作文は実践、添削でこそ上達
英作文は実践、添削でこそ上達
2015年2月2日(月)三島商工会議所にて 「東山湖と釣り人」
 明日は節分。そして待ちに待った「立春」だね。我が家はまだ雪が解けずに真っ白な世界だけど。すぐ裏の林の中に家庭菜園用に分譲した土地があり、そこにアメリカ製のトレーラーハウスを据えて、ゲストルーム・チェロの練習室・パーティ・お茶室などに使ってきた。しかし車輪の上にのった部屋だから床下が吹き抜けで寒くて冬は足が遠のいている。
 YU君は最初の受験を終わって三島教室のほうに参加した。面接を無事に受けてきたそうだ。前回は、二次対策として基本的な英作文の問題を出したがよく書けていて心配ないね。和訳では「愛知教育大」の「書物は無限の宝物」は誤訳が見られた。 Because books are a well-established form of communicating ideas you can, through books, commune with every kind of mind from every time and country since human history was recorded. 前半がやや不明確だった。「書物は思想伝達として十分に確立した形態であるので、書物を通じて有史以来のあらゆる時代、あらゆる国のあらゆる種類の知見とも語り合うことが出来る。」 well-は「うまく」の意味もあるけどここでは「十分に」。well-informed「十分な情報をもった」。since human history was recorded.の和訳もおぼえよう。
 MA君の初陣「立命館」は落ち着いてしっかり対応できたようだ。前回の添削を返却し解説した。英作文はがんばって書いているんだが、動詞の「時制」にもっと注意が必要だ。特に仮定法の動詞の扱いが少々おぼろげだね。ここはもっと集中的に復習しておいてよ。君の要望でもあるので次回に練習問題を追加しよう。
 和訳の方はずいぶん力がついて楽しみだ。細かいけど、tooの用法にも大切だから気をつけて。What is true of individuals is also true of societies; they too can become insane without sufficient stimulus. 後に被修飾語がなければ「〜も」で普通は文尾に置くけどここではカンマを省略していて実はthey, too, can・・「その社会も・・」ということ。「個人について当てはまることは社会についてもあてはまる。なぜなら、十分な刺激がなければ社会も狂気になることがあるから。」さらにModernization seems to be creating a ‘fast food’ age in Japan, too. では、tooは文修飾の副詞で「〜ということもある」の意味だから、日本語にするにはその追加の「焦点」になる単語(特に名詞)の後に「〜も」をつけなくてはいけない点が実に難しい。ここでは「(欧米だけでなく)日本でも」と考えるといいね。「近代化」という理由を追加したわけではない。セミコロン(;)には「そしてand」はないよ、と言ったよね。説明の「すなわちor」か理由の「なぜならfor」、対比の「ところが一方while」のいずれかだ。発言の「間」や「空白」に意味を感じ取る事が出来れば「UG会」の免許皆伝だ。
 2年TACさんは前回、「比較構文」でas〜 as anyの和訳が少々難しかったね。後のasは接続詞だったよね。そこで切ってみるとThey made it culturally as international /as any nation in the world. 「世界のどの国と比べてみても負けないくらい・・」。前半は完全な文になっているはずだから SVOCで「They(そういう外国文化)がit(日本)を国際的な国にした」。culturallyは副詞でinternationalを修飾するから「文化の面で」と訳すといいね。
 TAYさんは前回、英作文に集中した。福島大で「・・環境問題が人々の関心を集めている。」が難しかった。「メタファー(比喩)」って聞いたことあるよね。「関心を集める」は「アタマをひねる」「ネコに小判」式の日本語のメタファーで英語では通用しない。「興味の中心になる」とも言わない。興味・関心は英語でinterestとconcern。共に動詞では「人に興味を与える」「人に関心を持たせる」の意味で使う。受け身のbe interested in〜 やbe concerned with〜の方がよく見るけど、能動態でもオーケーだ。「最近」だから現在完了形で Some environmental problems have concerned us. と書く。現在進行形は「今だけ」だから不可。
 KOさんも短めの入試問題をやってみた。学校では実際に書かせる授業じゃないのかな。解説だけして答えを教えるだけの「ライティング」授業がどこの高校でも多いね。英作文は日本語の作文とおなじで、一人ずつ添削してあげないと上達しない。「実践」があってこその「解説」だ。担当クラスの数に40人をかけた大勢を相手にすべて添削するのは不可能なのかな。それなら意欲的な生徒だけでも添削してあげるといいよね。そういう希望があったら学校でも積極的に申し出るといいよ。その意欲と能力がありそうな先生ならね。
 先月の冬期講習でも紹介したけど、私の書いた「英作文攻略法」が昔、月刊雑誌「高校英語研究」(研究社)に載った。30年前のその頃は翻訳ソフトが500万円の高価な物で、大企業しか購入できなかったけど、今ではほとんどタダで誰でもPC上で使えるよね。そのようなE-JとJ-Eの機械翻訳の仕組みを例に挙げて、「機械がやっているなら君たちにも簡単にできる。勿論もっと上手に。」と訴えた。全国から大きな反響があった。
 特にJ-E(日本語→英語)では、日本文を分析して「接続詞」+S+V+Oのテンプレート(型)に当てはめればいいのですよ。英語の語彙と文法が必須だけど、それ以上に日本語の分析力・文法力が大切なんだ。 尾上

(追記)「中学生の頃のはなし@」
 東京・杉並の家から関西に引っ越したのは私が中学に進学するときだった。大阪・梅田から宝塚まで走る阪急宝塚線の終点の2つ前に「売布(めふ)神社」という駅がある。新居はこの神社の裏山で、松茸(当地ではマッタケと呼んだ)がとれる松林の斜面を切り開いた新しい分譲地の一番高いところにあり、展望はいいけれど玄関まで30段ほどもある急階段を上るのが大変だったなあ。勉強のごほうびに始めて赤い自転車を買ってもらったのもなつかしい。
 中1の時の思い出は、「先生!」と手をあげて質問したらクラス全員からどっと笑われたこと。「なんで?」と後で聞いたら「センセいうんや!」と教えられた。アクセントがまるで逆だ。それが私の関西弁入門第1日だった。学区の市立宝塚中学までは歩いて30分くらい。阪急電車と国鉄(JR)福知山線の線路を越え、武庫川の河川敷に建つ校舎まで通った。中間点あたりの小川に沿って近道するとほとりに朝鮮人部落があって、密集するバラックの間をすり抜けていくのがこわかった。むしって捨てたニワトリの羽根や独特の臭気がイヤだった。
 クラスにも朝鮮人の子弟がいてなかなか馴染めなかった。まわりの男子全員が坊主頭だったのに、東京から来たばかりでそのまま3年間長髪で過ごしたからどうも睨まれていたらしい。ブラスバンドでかっこいいサキソフォーンなど吹いているから余計に悔しかったんだね。いよいよ卒業式の日に、ろくに話もしたことのない男子から教室でいきなり「ビンタ」をくらった。訳のわからぬ恐怖心で、式の終了後「武庫川」の土手道を一目散に走って逃げたのを覚えている。
 ビンタといえば、数学の波多野先生にもらった一撃は痛かった。その時の先生の名前や怒った顔を60年後の今でも覚えている。「工作」の時間に大騒ぎしたことで学年主任にチクられ、男子全員が廊下に並ばされてお仕置きされた。当時の「愛の鞭」は誰も親に教えなかった。自分がワルいんだから。
 卒業の頃、高校進学先を考えていた私はブラスバンドの顧問の先生から「オノエクン、阪急の音楽団に入ってみる?」なんて言われたなあ。私の勉強好きを知らなかったのか、サキソフォーンがよほど才能があったのか?その頃はプロの吹奏楽団が唯一大阪の「阪急デパート」にあったのだ。中卒で就職してプレーヤーになっていたら今頃なにしているだろうね?
 親友のライバル谷君は豊中の「大阪学芸大附属高」、松原君と私は甲子園の「甲陽学院」を編入で受験することになった。「灘高」は神戸で遠いし受けるほどすごいヤツはいなかった。そこに不合格なら県立高校に行くのが普通だったが運良く3人とも受かった。編入だから6倍もの競争率で30人だけが合格した。合格発表の後、クラス担任から「オノエクン、今日はお赤飯だね!」と言われた。高校から、合格者30人の中で尾上の成績が一番だったと連絡があったそうだ。へえー!(つづく)
2015/02/02 (Mon) 23:25


いよいよ私大の入試
いよいよ私大の入試
2015年1月30日(金)裾野市生涯学習センターにて 「雪の裏庭と5分咲きの蝋梅」
 明日から私立大学などの入試が始まる。昨夜から雪模様で今朝は御殿場も銀世界。日本海側には警報が出ているから十分に気をつけてね。MA君は明治大、NU君は日体大、YU君は浜松医大に挑戦する。センター試験でも成功したから3人ともにきっといい結果が出せると信じているよ。UG会での訓練で人並み以上の力を身につけているからだいじょうぶ。安心してゆったりと問題に取り組んできてください。
 大学に合格しているYAさんは英文解釈で数段の進歩が見られる。2文の間になにも接続詞がないときにも「すなわち」、「なぜなら」とか「ところが」を補って的確な日本語が書けるようになった。内容がしっかりつかめている証拠だ。このまま上智大の英語の授業に余裕で進めるよ。私のUG理論の恩師の一人、梶田優先生が名誉教授をやっておられるはず。
 中央大の問題「人間はウソをつく動物だ」もよく訳せたね。ただ、最後のところで失敗。 It is certainly true that animals seem somewhat more honest than humans, maybe because they are less gifted mentally. でtheyは前文の複数形名詞humansを指すと勘違いしたね。同じ趣旨をたたみかけていく論法の英語では、主語をあまり変えないのが普通だからここでは「動物」。「・・、たぶん動物の方が(人間より)精神面の才能が劣っているだろうから。(ズルくないからウソつかない)。」giftは「(神様の)贈り物」から「天賦の才」「才能」の意味だ。
 TA君は語義を読み取ってその単語を答える問題が難しかった。orchestra やmagazineなどの基本単語を忘れかけている。大学の授業が始まるまで英語の力が落ちないよう、気をつけて努力しないといけない。2ヶ月もブランクがあると恐ろしいよ。
 KI君は否定構文に入った。まずは「部分否定」と「全体否定」の対比を勉強した。文全体を否定するのが「全体否定」でevery,both,allという語だけを否定する文を「部分否定」と呼ぶ・・、とプリントに書いてあるが誤りです。ほとんどの高校生用文法書にはそう書いてあるがマチガイです。たとえばAll that glitters is not gold.(光るもの必ずしも金ならず。・・うわべで人を判断するな。)でnotが4語も前のAllを否定する、というのは無理でしょう。notは基本的に「文を否定」します。「光るものがすべて金だ、ということはない。」と訳せばいいのです。意味的には形容詞every,both,allや副詞always,quite,necessarilyなどの「100%を意味する単語」に、否定の「焦点」(focus)が当てられているだけです。She isn't loved because she is honest.も高校では別項目で暗記させられるけど「正直だから好かれている、というのではない。」と解釈しないといけない。because以下にnotの意味的な焦点が当たっているのです。
 EC君は「比較構文」の最後で not so・・as〜やnot more・・than〜「〜ほど・・なものはない。」の構文で意味は「最上級」になる場合。superiorやjuniorなど、比較級の -or- 語尾の形容詞はthanの代わりに前置詞のtoを用いる、などを勉強した。千葉商大の問題はThey do not turn grassland into dessert or make water undrinkable by filling lakes and rivers with waste materials.の和訳。SV〜のペアを見極め、接続詞orが次のmakeと前のどの単語と並列するかを考えるのはandの場合と同じだ。A or A'と表記できる。ここではmakeはturnと並んで、「彼ら動物たちは草地を砂漠に変えたりしないし、廃棄物で湖や川を一杯にすることで水を飲用不可にしてしまうこともしない。」
 大学生SUさんはTOEFLで「能細胞の情報はdots and dashes(トントンツー)の数ではなくて型できまる。」を読んだ。Morse-like electrical codeが「モールス信号のような電気信号・・」だとわかれば、もっとずっと身近に感じて正確に読めたのに。今日は60%得点出来た。 尾上

(追記)今日はいつもの会場が借用できず、KI君のお母様のお世話になってここに変更した。昨年末に続いてこれで2度目だが少々狭くて隣の人と接近しすぎでひじがぶつかりそう。しかし2年生も3年生も大学生も一緒に肩を並べて勉強するのもいいか。まるで寺子屋みたいだ。NHKテレビ「花燃ゆ」の舞台萩の「松下村塾」もこんな風だったかもね。
 センターに尋ねたら実は、明日の「柳端橋・開通式」の「準備」(!)のために会議室も含めて一切使わせなかったのだ。市民が建てたホールを一部の公務員だけで独占とは!こんなのは市長や管轄の職員の横暴だね。エライ人にコネのある人は苦言を言ってやってください。(笑)
 それでも裾野市は市民参加の文化レベルが高いな、と思う。人口がわずか5万3千人だから1.5倍のわが御殿場市よりずっと少ない。ところが市民の参加意識が高いということ。私が20年前に関与した姉妹都市「豪州・フランクストン」との「国際交流委員会」は活動の主体が市の職員ではなくてほとんど積極的な市民のボランティアになっていた。メルボルンの南、湘南海岸のような浜辺の町フランクストンの交流協会も同様に市民主体で熱心だった。
 同じ豪州でもシドニーの隣町「ペンリス」は、市役所の中に国際交流室があって市の職員が窓口だからあまり活気がない。同じような形態をとる姉妹都市の藤枝市の紹介で、1996年・県「吹奏楽連盟記念演奏旅行」でお世話になったがホームステイは実現できなかった。フランクストンの協会の方が先方から積極的に100名もの生徒のホームステイを申し出てくださり驚いた。ちなみに、わが御殿場市の「米国・チェンバスバーグ」交換留学もあるが市民よりも市役所が主体と聞く。
 15年前には沼津東高校の吹奏楽部を米国記念演奏旅行に引率して、30数名の生徒のホームステイも体験させて頂いた。沼津市と姉妹都市「カラマズー」との熱心な文化交流のおかげだった。その後しばらく沼津市の国際交流委員会の活動にも参加したがここも市民主体でとても熱心だった。
 裾野市民文化センターで長年続いていた「富士山麓音楽祭」や「石井好子シャンソン・コンサート」は大好きだったし、市民参加の手作りのその文化活動への熱意と連帯意識に私は敬意を抱いている。「いいね!」 その会場でUG会を開催できることにも誇らしさを感じるのです。
2015/01/30 (Fri) 23:22


カンマが一番やっかいだね
カンマが一番やっかいだね
2015年1月26日(月)三島商工会議所にて 「ロウバイ一輪」
 裏山の「しるこや」が昨日をもって閉店。京都の小林さん夫妻が5年間で育てたいい店だったのに。山登りの楽しみ半減で残念だ。このブログの壁紙も過去の物になるのか。
 2年TAYさんは第52課で譲歩構文を勉強した。Whatever he does will be successful.(彼がやることはなんでもうまくいくだろう)とWhatever he does, he will succeed.(彼はなにをやっても成功するだろう)の違いは?カンマがあるかないかに注目。前文はAnything which he does・・と同じで複合関係代名詞をつかった名詞節だけど、後の文はNo matter what he does, ・・とおなじ副詞節で主文を修飾している。
 TACさんは61・62課で接続詞asの特別用法、as〜as possibleやas〜as ever、as〜as anyを勉強した。いずれも前のasは「同じくらい」の副詞で後のasは「〜とくらべて」の接続詞だと思えばよい。中央大の問題で Give everyone a chance to read and speak English, however bad and slow the pupil’s reading and speaking may be. (英語を読み話すチャンスをみんなにあげなさい。その生徒の読み方や話し方がどんなに下手でのろくても。)後半はやはり譲歩文で No matter how bad and slow・・におきかえられるのだ。
 KOさんは新潟大の英文でThe criticism is often made that watching TV is passive. 「批判が作られる」(?)ではおかしいね。Make a promiseが動詞のpromiseを熟語で表現したものであるように、make a criticismは一語ならcriticizeという動詞に相当する。さらに that以下がcriticismの内容を示す同格関係の節なのだ。だから「テレビを見ることは受身的だという批判がよくなされている。」となる。
 3年TA君は英作文で「あの方はどこの国の方だと思いますか。」でミスをした。後の節はいつも「疑問詞」+S+Vだから What country he is from となる。さらにDo you think の時は疑問詞what countryが文頭に出なくてはいけない。どこかで勉強したのを思い出した?
 MA君は都立大(首都大東京)の問題で ・・, a man goes swiftly mad if he is isolated in a silent, darkened room, cut off completely from the external world. が難しかった。このcut off(切り離される)の前のカンマがisolated以下とどういう関係にあるか?いつもの「すなわち」のカンマだよね。aがroomにかかるなら silent, darkenedもroomにかかる。「もし静かな暗くした部屋に一人きりにされたら、つまり外界から完全に切り離されたら人はすぐに気が狂ってしまう。」
 NU君は「関係詞」の文法問題をやった。As is often the case with him,・・・(彼にはよくあるように)でこのAsはwhichの代わりの関係代名詞。後の文を受ける関係代名詞なのだ。こんどの日曜日、2月1日がいよいよ第一希望大学の入試日。いい結果を期待しています。
 1年のTAMさんは「比較構文」を勉強した。「鯨の公式」no more〜 thanやThe 比較級S V, the 比較級S V(すればするほどますます・・)など、難しい構文を総まとめした。都合によりTAMさんは今日で退会となった。残念。添削した答案は郵送するね。 尾上

(追記)レンタルビデオで「少年H」を見た。原作は、後に舞台芸術家として名を成した妹尾河童の自叙伝的小説だ。1941年、ハワイの真珠湾攻撃に始まるアメリカ・イギリス(連合国側)との戦争時代、国際都市・神戸の市民がリアルに描かれている。17年のロシア革命を逃れて白系ロシア人もいたし、その後ナチス政権を逃れてユダヤ系ポーランド人がひそかに港を通過していた。
 ドイツ語は友邦(日・独・伊三国同盟)の言葉で許すけど、英語は敵性外国語として使用が禁止され、ピッチャー・キャッチャー・セーフ・アウトなどの野球用語も「投手」「捕手」「ヨシ」「ダメ」とすべて訳語で放送された。私の90才になる叔母たちはこの時代の女学生で英語を学校で教わっていない。国は代わりに独語・伊語を教える考えもなかったようだ。人材がいないしね。敵のことばを勉強させて、戦争勝利後に生かすという発想も余裕もサラサラなかったということだね。
 共産主義思想やキリスト教までが弾圧された時代、空襲の焼夷弾で大火事になった街中を逃げまどった一家。この映画では焼け野が原の中から自分のミシンを見つけ出し再び立ち上がる仕立屋の父。その敬虔なクリスチャンの家族と共に生き抜いた少年ハジメの、10歳から15歳までの成長の様(原作小説の上巻)が生き生きと描かれていた。戦争を賛美する大人たちに疑問を抱き、ひたすら前向きで純粋に生きようとする少年の姿が描き出されていた。昭和という時代、戦争とは何かを知ることのできるいい映画だ。
 
2015/01/27 (Tue) 0:33


等位接続詞と従位接続詞
等位接続詞と従位接続詞
2015年1月23日(金)裾野市民文化センターにて 「金時山と猪鼻砦」
 101回目は足柄峠口から「金時山」に登った。下りの時間を節約したくて、レイチェルを押してゆるやかな長い尾根道を登っていった。ゲートから先は進入禁止で山小屋の営業車専用の林道だけどよく整備されている。最後の「急階段」の手前で大木に愛馬をつないで下山まで待たせておいて山頂へ。下りは30分がたったの10分。予想通りあっという間だったが、朝晩凍結する道が溶けていたおかげで愛車は一面ドロンコ!
 2年KI君は前回、東京薬科大の問題で「接続詞」の扱いが不明確だった。文と文を対等の関係につなぐ「等位接続詞」は5つ and(追加), but(逆接), or(選択), for(理由), so(結果) と覚えよう。「逆接」の butには副詞のhowever, (and)yet, on the contraryなどがよく代用される。 orは「命令文」の後だと「さもないと」の意味になるのは中学で学んだが「すなわち」とか「言い換えれば」と「前文」の説明として訳す場合もよくある。for は文頭に出ることもあるが「なぜならば」の意味で、「従位接続詞」のbecause(〜なので)と区別しよう。
 EC君は「鯨の公式」という受験生用語を始めて聞いたんだね。「鯨が魚ではないのは馬の場合と同じ」という例文が典型的だからそう呼ぶ。than以下に自明の「たとえ」をのべて、主文をno moreで否定したり、no lessで肯定したりする特殊な構文だ。数字の前に修飾語としてつくno more than(わずか〜)と not more than(多くとも〜)の違いも覚えかたは簡単。一方はnoが more(多い)を否定するから「わずかに」onlyの意味。他方はnot(副詞)が more than〜を否定するから「より多いことはない=多くとも〜=せいぜい〜」となる。lessも同様に考えるとよい。
 3年TA君は文法問題が得点出来なかったね。せっかくの英語力を維持して4月からの大学の授業につなげるにはなにか目標をもつといいね。英検の2級や準1級をめざすとか、TOEFLテストを受けてみるとか。
 YU君は和訳の力がとても上達して、読みやすくわかりやすい日本語が書けるようになった。前回、都立大の問題でセミコロンが2度出てきたけど、なにも気にしなかったね。ピリオドでもセミコロンでも、接続詞なしで2文がつながったら英語では普通、前の文の「説明」か「理由」なのだ。つまりorか forだ。日本語なら黙っていると「そして、さらに」つまり andか soの意味に解されてしまうから、ひとこと「すなわち」と言っておきたいね。
 YAさんの和訳もとてもよくなっているね。前回「ホワイトハウス」の呼称のいきさつを述べた一節で、 , but this didn’t become its official name until 1920, when Theodore Roosevelt adopted it. は「〜にならなかった」と動詞を否定する趣旨ではなく、後ろのuntil 1920以下を「焦点(フォーカス)」にしているんだ。「〜が公式の呼称になったのは1920年以前のことではなかった。それ以後のことだった。」となる。 I don’t think he will be successful. も「〜と思わない」じゃなくて、後の節にnotの焦点が当たっているんだ。副詞のalso、evenが「動詞」の直前におかれても、tooが文尾におかれても、文中のどの部分を「焦点」に当てるかは自分で判断しなきゃいけないのと似ているね。
 大学生のSUさんは学年末試験の期間中でまだロシア語の試験が残っているが、それが終われば長―い春休みが始まる。2・3月が春休み、8・9月が夏休みだから1年52週の内大学の授業は20週くらいしかない、と知ってた?どの科目も週に1回だから、特に語学などは身を入れて積極的にならないとモノにならない。ちなみに高校でもせいぜい30週だけどね。今日のTOEFLは「父の日の制定」を読んだ。those deceased は「死んだ人たち」でthose present「出席者」と同じwho areの省略と見る。追加のプリントでBBCの記事 Why do I feel hungry? 「空腹を感ずる理由は?」を読んだ。 It is a very powerful human instinct which can compel us to extremes of behaviour. 「空腹は極端な行動に走らせることのある強力な本能だ。」 英国英語King’s Englishだからbehavior のスペルが違うのに気がついた?
 来週は会場の変更で、11月の時と同じように隣接の「生涯学習センター」の1階で実施します。 尾上

(追記)「椿姫」って聞いた(聴いた)ことある?ベルディの傑作「ラ・トラビアータ」が昨日NYのオペラハウスからライブでネット中継された。ヒロインが死んでしまう悲恋の物語だ。「乾杯の歌」などよく聞き慣れた名曲ばかりで興奮の連続だった。朝10時から、ということはNYでは前日の夜8時。終演はたいてい11時か真夜中の12時になる。それから聴衆はマイカーか終夜営業の地下鉄で帰宅することになる。放送では幕間にゲストを交えた解説やお話が聴けて、英語の勉強にもなるし楽しみも2倍、3倍となる。
 METOPERAで検索すると毎週1回、だれでも無料で聴くことが出来るのでMET Live Streamを一度visit(閲覧)してみて。音声だけで映像がないので私はよく楽譜を見たり一緒に歌ったりしている。フルスコアといってアリアや合唱だけでなくオーケストラの各パート全部が載っている指揮者用のもの。これで楽しみが4倍、5倍になる。
 今月入会したKOさんは吹奏楽部でフルートを担当しているそうだ。同じ2年生のTAYさんもオーボエを吹くし、TACさんのお姉さんも元UG会員で昔は中学で吹奏楽部員だったためにオペラ好きになったらしい。マリア・カラスが大好きと言っていたなあ。わたしも中学・高校・大学と10年間もトランペットから始めてアルトサキソフォーン、フレンチホルンを吹いていた。楽器演奏は一生の趣味に最適と思うよ。
 私の音楽歴は10歳、小学校4年から。コーラス部に選抜(?)されてソプラノを歌っていた。まだ声変わりする前でしばらくは女の子と同じ高音域だった。中野区の桃園第3小は合唱の伝統校で、3年間関東大会で2位をとり続けた。中学受験にも熱心で、クラスの友人たちは何人か「麻布中」「武蔵中」など名門の中高一貫校に進学した。隣の杉並区高円寺に住んでいてすぐ近所に小学校があるのに、祖父がわざわざ越境してまで通わせた意味があとでわかった。しかし都会の少子化で数年前に統合され廃校の憂き目にあった。悔しいね。
 私の中学入学前にちょうど父の転勤があって、関西に転居した先の「市立宝塚中学校」へ。ここでブラスバンドに入部した。戦後10年ではまだ楽器が充分でなく新入生の私にはアコーディオン(!)。兵庫県が「国体(国民体育大会)」開催県で、宝塚のプールサイドで水泳大会の開会式演奏をしたのを思い出す。聞き覚えのラテン「ラ・クンパルシータ」をトランペットで一人吹いていたら、理科の矢野先生が音楽室に飛んできて「ヤメロ!」とどなられたなあ。そして隣国の朝鮮戦争による特需で日本がやっと景気回復して、中3の時に顧問の先生から「オノエクンやってみる?」と、ピカピカのサキソフォーンを手渡された。
 半世紀も前の日本ではまだ輸入楽譜も手に入らず、定番のマーチのほかにクラシックの日本版で手に入ったのはヨハン・シュトラウスのワルツ「ウィーンの森の物語」ぐらいしか覚えていない。チターというアルプスの民族楽器が加わる美しい曲だ。その後、吹奏楽コンクールも全国的になり、楽器や楽譜が充実するにつれてオペラの名曲もどんどん吹奏楽で演奏されるようになった。
 私も御殿場南高校や沼津東高校でヴェルディの「運命の力」「ナブッコ」やワグナーの「タンホイザー」「名歌手」などの序曲を指揮した。地方ではオペラの全曲上演をナマで経験するチャンスはなかなかないけど、吹奏楽で触れた名曲に大きな影響をうけて、後の人生で合唱やオーケストラ・演劇などの舞台芸術に興味が発展していく例がたくさんあるんだ。バレエもその一部だけど「オペラは総合芸術」と言われる所以だね。
2015/01/23 (Fri) 23:43


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