高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

total : 110805
today : 39
yesterday : 37

センター試験が終わって
センター試験が終わって
2015年1月19日(月)三島商工会議所にて  「内浦からの富士」
 先週自転車で内浦の海岸を走った。重須の入り江に後北条氏が水軍の城「長浜城」を築いていたとは知らなかった。海抜ゼロから見上げた富士の神々しいこと!
 YU君はセンター試験が終わって三島に参加した。今日は学校で自己採点の日だった。英語は筆記もリスニングも例年のように易しめだったね。紛らわしい問題もなくて英文完成問題も素直だった。英語も含めて90%以上得点出来たというから志望の一つ浜松医大は確実だ。前回、弘前大の問題「日本で驚いたこと」では After all, I came to Japan expecting to find, and ready to accept, ways of thinking and doing that were different from those I had learned in America. andは形容詞の readyと何を並列しているかな。分詞のexpectingしかないね。He came singing songs.「歌を歌いながら来た」と同じ構文だから、being ready のことと考えれば「アメリカで学んだものとは異なる思考や行動の仕方をみつけていつでも受け入れる気持ちで日本に来たのだった。」
 MA君もセンターで英語が上出来だった。YU君と同じ90%以上も点がとれて筑波大・教育なら確実圏にいるらしい。リスニングも46点というから絶好調だったね。今日は久々に文法問題をやってみたが意外に出来てない!センター試験のマーク式にばかり強くなって記述力が落ちたか?二次対策をすぐに始めなくちゃ。
 NU君はセンターで60%取れたようだ。全国平均というところかな。来月の日体大の入試に向かっていよいよ猛烈に勉強しよう。今日は「受動態」の入試問題をたくさんやった。「からかう」は make fun of 〜だから「だれでもからかわれることはいやだ。」Nobody likes to be made fun of. イディオムになった動詞句の扱いに注意。
 TA君は前回のプリントのやり残しをやった。慶応大の長文「ビルマの軍政を逃れて隣国のタイで難民の医療をやる女医の話」が難しくてほとんど誤答だった。英語力が落ちてきたね。年が明けて学校の授業が少ないのも要因だ。だからこそ、自分で高める努力をしないとせっかくの英語力がどんどん消えていくよ。
 1年TAMさんは「関係詞」の上級編を勉強した。関係代名詞にはwho, which, that, whatがあるが、「先行詞」によっては特殊なas, than, but も使われる。それぞれ先行詞にthe same や suchがある時、比較級の語がある時、否定語がある時、に注意しよう。As is usual with young people nowadays, he can’t do without comics. (今日の若者によくあるように、彼はマンガなしで生きていけないのだ。)このAsの先行詞は後半の文で、本来は前述の文の内容を受けるwhichの働きだ。
 2年TACさんは明日実力テストがあるので、その対策勉強で自習した。
 TAYさんは前回、 接続詞asの特殊な構文がよく理解出来ていたね。和訳も4問はよくわかっていた。難しかった残りの1問は ; but poverty is never felt so severely as by those who have, to use a common phrase, “seen better days.” で、否定の比較構文Nobody is so tall as he. が He is the tallest. と同意だと知っているでしょ。「〜人が貧困をいちばん厳しく感じる。」と能動態ですらっと訳せばわかりやすいね。「カンマ・カンマは括弧」を思い出せば、have seen better days. (もっといい時代を見たことがある)の中に「よくある言い回しを使えば」が挿入されているから、引用符の中を「昔はよかった」と訳せると良かったね。
 先週体験授業に参加した2年生のKOさんが真っ先に教室に到着していよいよ新入会となった。すごく意欲的だね。2年生は去年の4月から「重要構文101」を勉強してきた。「仮定法」が終わって1月は「比較」を始めているので、KOさんもそこから開始することになった。今日は第63課 not so much A as B(AというよりむしろB)と第64課「比較級を使った特殊表現」を勉強した。易しめの入試問題で和訳をやってもらうと、書くことで自分の理解の「あやふや」な箇所が如実に現れる。「接続詞」+S+V を英文の最小単位と見る習慣が身につけば一歩も二歩も上達するよ。 尾上

(追記)レンタルビデオで「富士山頂」を見た。懐かしい石原裕次郎の制作・主演で1970(昭和45)年に上映されたもの。宇野重吉、芦田伸介、山崎努、渡哲也などそうそうたる(!)演技陣が顔をそろえて圧巻だ。しかし君たちには初耳の人ばかりかな。私がすでに読んだ「八甲田山死の彷徨」「強力伝」やNHKで最近放映した「芙蓉の人」と同じ新田次郎の原作を映画化したもの。これらは「山岳小説」のジャンルにはいる。
 静岡県では昭和33年の「狩野川台風」の災害を記憶している人も少なくなっているが、翌年の「伊勢湾台風」は犠牲者5000人という未曾有の甚大な被害を残した。気象庁は台風接近をもっと早めに予知することが急務となっていたのだ。それまでは巨大台風の接近が数時間前にやっとつかめる状況だったのが、日本で一番高いところつまり「富士山頂」にレーダーを設置することで数十時間も前に予知できるという進歩を成し遂げた。完成は昭和39年のことで、馬の代わりにブルドーザーで山頂近くまで荷物が運べるようになったし、レーダーを保護する巨大な600キロのドームを空輸するヘリコプターも当時としては画期的だったようだ。気象庁職員・三菱電機社員・土地の強力(ごうりき)などその建設時の困難・苦労が、いつも見慣れた「山頂」や「太郎坊」を舞台にリアルに描写されて興奮させられた。
 いまでは歴代の気象衛星「ひまわり」が種子島から打ち上げられて、日本近辺を広く上空から映し出すから、不要になったレーダードームは15年前に取り払われて、今では138号線「道の駅・富士吉田」の丘の上に展示されている。山頂の気温マイナス30度や台風時の100mもの強風がどんなものか実際に体験できるから一度行ってみるといいよ。私は富士山には4度登った。山頂の「剣が峰」にまだ残る観測所の建屋はさまざまな寒冷地実験に利用されているそうだ。
 
2015/01/19 (Mon) 23:59


「は」=取り立て助詞 「が」=格助詞
「は」=取り立て助詞 「が」=格助詞
2015年1月16日(金)裾野市民文化センターにて 「変な標識」
 英国BBC放送の電子版で特集iWonderのひとつ、”What’s the right diet for you?”(正しいダイエットとは?)を読んだ。SUさんにもコピーを作った。きっと興味をもってくれそうだ。カロリー計算などいろんなテストを紹介して、最後はFeed your curiosity with iWonder(君の好奇心にこのコラムiWonderを食べさせて)と結んでいた。ウイットに溢れたウマイ表現だね。英国人のセンスの良さ。
 SUさんは大学の後期試験の真っ最中。スペイン語は高得点だったそうだ。トルコ語とロシア語もなんとか無事に済みそうだけど英国人先生の文学の試験が心配、ということで授業のテキストをたくさん見せてくれた。4頁くらいの「短編小説」を15分くらいでさらっと読んでQ&Aの形式に対応できればいいのだが、「その速読が難しくて困ってます・・」と。「内容がNYで発行しているNEWYORKERという人気の週刊誌からの記事に似ているね。村上春樹なんかも投稿していて昔は私も定期購読していたけど、こういう軽めのショート・ストーリーがイラスト入りでたくさん載っていたよ。こういうのは辞書なしでずんずん読むのがいい。知らない単語は気にしないで先に進んで80%理解出来ればいいんだよ」。
 3年YU君は明日のセンター試験に備えて自宅学習。TA君は前回、西南学院大の「本当の愛vs一目惚れ」を十分理解出来ていた。こういうのは万国共通で一度は考えたことがあるからね。英語で理解出来ない文は日本語の訳を見ても理解出来ない、と言うことが多い。日本語でよいから読書の量と質を高めておくことがこれからの大学生活で重要だ。英会話も日本語で深い会話ができなければ英語でも出来ないのは当然だよね。今日は発音と、イディオム、英会話の問題に取り組んだ。発音問題には強いね。
 YAさんは和訳がとても上達したね。構文のとらえ方は的確だしカンマなど句読点の扱いもとてもいい。今日の添削でも「は」を随所に補ってあげた。日本語の「は」は実に豊かな助詞で、東大名誉教授の尾上圭介(日本語意味論の最高権威、私の恩師だけど親戚ではないよ・・)によれば、26通りも用法が分類できるそうだ。名古屋大の Certain results have been obtained as regards the kinds of problems that have been investigated, but on general principles there is still much controversy. 「調査されたような種類の問題点についてはある一定の成果が得られたが、一般原則としてはまだ議論の余地がたくさんある。」では、「対比点」を明瞭にするために「は」を2度使うともっとよくなるね。進学先がすでに決まっているが英語にかける情熱は素晴らしいね。卒業後3月一杯までUG会に参加してくれるそうだ。楽しみです。
 2年EC君は第5文型SVOCの読み取りが上達するといいね。 Children always enjoy watching monkeys at their play, は「遊びで猿をみる」じゃなくて、「猿が遊んでいるところを観察する」の意味。at their playをMと見るとwatchを修飾することになる。ここではCでmonkeysの補語なのだ。今日の清泉女子大でも I am always delighted to see women discussing and trying on new clothes, 「〜している女性を見る」じゃなくて「女性たちが新しい服の事を話し合ったり試着してみたりしている様子を見るといつも楽しくなる。」
 KI君は岩手大の問題「発明王ワットの話」で He harnessed its power in the steam engine for which he is famous. 後の文の動詞isが現在形なので、カンマがないけどfor which以下を切り離して「その力を蒸気機関というものに利用したが、その蒸気機関で彼は今有名になっている。」とするといいね。今日は俗称「鯨の公式」no more〜 thanを勉強した。接続詞than以下が前部に対する「たとえ」の働き。「自分のバカさ加減が見えないのは、自分の耳が見えないのと同じ。」 尾上
  
(追記)真っ青な空に真っ白な富士が聳える午後、「和カンジキ」をはいて雪の中を歩きたくて「太郎坊」に向かった。自衛隊「滝ヶ原駐屯地」と米軍「東富士キャンプ」の間を抜ける広い県道を車でぐんぐん登っていく。去年のように、「太郎坊」への通行禁止ゲート前に駐車して雪道をのぼる予定だったけれど、着いてみたら積雪ゼロだ!今年は暖冬か?それでも3台ほど駐車しているからきっと「双子山」まで登ってスノーボードで滑降しているんでしょう。
 目的地を変更してさらに県道をさらに上っていくと「水が塚」の駐車場。ここは夏のシーズン中「五合目」行きのシャトルバスのターミナルになる。ここから見上げた富士山の見事なこと!山頂「剣が峰」の「気象観測所」の建物までも見えそうだ。山頂から宝永山、双子山へと流れていく稜線が大パノラマで一望の下。ここは避暑にぴったりで芝生の広場には「あずまや」もありモミの林にかこまれて、オレンジ色の「モミダケ」を昔よく採取しにきたよ。
 そのすこし先に五合目へ行く分岐点があってここも冬期はゲートが閉じられて通行禁止になっている。全く積雪がないけどすこし登れば「ソリ滑り」が楽しめそうかなと見当をつけて、スパイク付きのブーツをはきプラスチックの青いソリを手にして無人の自動車道を歩き始めた。左遠方には太陽の反射で光る海が!富士川河口、蒲原から清水、三保につらなる曲線の海岸がくっきりと見下ろせるよ。
 15分ほど登ったらやっと雪道になった。道の左手と右手の木に白い小さな標識がくくりつけてある。見たら「村山古道」とある。江戸時代「富士講」で富士登山が盛んだったころの沢沿いの道で、この自動車道と交差して「5合目」に向かうらしい。世界文化遺産に登録された富士宮「浅間神社」で参拝した後、市外の「村山」地区を抜けて登ってきたから「村山古道」。特に中京や関西など西からの人々のルートだったのでしょう。ちなみに、さっきの「水が塚」には裾野市須山を起点にする「須山口登山道」も通っているよ。8合目あたりで「御殿場口・太郎坊」からの道と合流して山頂に向かうんだけどね。
 3キロ歩くと「高鉢山」駐車場についた。標高1600mで2合目にあたる。ここでも昔、真っ白な「ヤマブシタケ」(高価だよ!)を発見して食した。この林の中に緑と白の「バイケイソウ」が一杯咲いてその芳香に酔ったことがある・・・。3時だ、ここで今日の登山は終わり。ソリにドッコイショとしゃがんで、さあ滑るぞ、スタート!スロープはゆるやかで、時々停まりそうになるくらい。あっ!シカが2頭!白い尻を見せて林の中に逃げていくよ。
 さらにおまけ・・駐車した分岐点に戻ったら、青い道路標識に「気をつけてお帰りください。Please take care and return」とある。これじゃ、「危険だからもう一度5合目に戻って」だよね。英語も日本語もわかっていない人の直訳だよ。「道中お気をつけて」というならTake care all the way.というべきなのに。「どうぞ」のPleaseも余計だね。If you please(よろしければ)の略だからね。
2015/01/16 (Fri) 23:26


センター試験まであと4日
センター試験まであと4日
2015年1月12日(月)三島ゆうゆうホールにて 「駅伝選手の像」
 今日が「成人の日」なのにどの市町村も記念式典を前日のうちにやってしまう。振替休日のような変な祭日だね。三島市の場合はこのホールの隣が歴史のある「楽寿園」の森だから和服の晴れ着で散策するとよく似合ったでしょう。
 1年のTAMさんは「不定詞・分詞・動名詞」のまとめ問題に取り組んだ。誤文訂正や複文から単文への書き換えなどかなりレベルの高い問題だったけど、へこたれずになかなか健闘していたよ。入試の英文和訳をやる時間が足りなかったね。
 3年YAさんは助動詞の may well、might well と may as well、might as wellを含む和訳に挑戦した。ここでmightは mayを仮定法(ありえないこと)で使っているだけの違いだから、それぞれ「〜するのも当然だ(だろうに)」、「〜したほうがよい(だろうに)」の意味。青山学院大以外はどの問題も70%くらいはよく理解できていた。青学は「男女の服装の違い、昔と今」を読んだ。wearの訳は上から順に「(頭に)かぶる、(顔に)つける、(首に)まく、(肩に)かける、(胸に)つける、(腰、腹に)まく」と日本語は豊富だねえ。下半身はすべて「はく」でよい。 Women wore ample skirts supported by wide hoops, and so long that only their toes were visible. 「女性は幅広の筋金で広げ、つま先しか見えないほど長いたっぷりのスカートをはいていた。」ここでは andの後ろの形容詞so long と前の過去分詞supportedがandで並列していて共にskirtsを修飾している、と見るしかないよね。
 NU君はセンター試験を直前に、文法問題で「名詞・代名詞・冠詞」を勉強した。語句整序の問題10問は70%の正解だね。「〜の腕をつかむ」は catch 〜 by the armとなる。「〜の顔を見る」 look 人 in the faceや「〜の頭をたたく」hit 人on the headなど、前置詞とtheの働きに注意しよう。MA君はセンター準備をやりたい、ということでお休みと電話で連絡あり。
 2年TACさんは「仮定法現在」をやった。「要求・提案・主張の動詞を使うとその後続する節には原形動詞がくる」というもの。まだやってないから、「やれよ、やろうよ、やった方がいいよ」と訳す。ここはshouldの省略だという説明では「やるべき」と訳してしまってあまり良くないね。後半は「比較構文」に入って、まず as〜as・・を勉強した。「・・と(くらべて)同じくらい〜だ」の意味。後ろのasが接続詞で前のasが副詞だから、as〜〜〜〜〜asSVなんていう場合もあるよ。
 TAYさんは接続詞 asの特殊な働きを勉強した。「〜のかぎり・・」には as long as(時間的) とas far as(空間的)があって使い分けを覚えよう。「生きている限り」は前者、「〜を知る限り」「〜に関する限り」は後者だ。前者の方が条件の ifに置き換えられるくらい一般的で、後者は「〜の範囲」を表して特殊と思って良い。48課のAsSV・・, so SV・・では「・・のように、(そのように)・・」と訳す。このsoはただの副詞で、前文の内容を受けて、繰り返すだけの副詞なのだ。If SV・・,then SV・・「もし・・・ならば(それならば)・・」というのもある。「係り結び」みたいなもの。
 今日は新しい2年生女子が体験授業にお母様と参加した。プリント3,4枚目の入試の和訳と英訳を試しにやってもらった。かなり高いレベルの持ち主で、いろいろな要求に応えられそうで楽しみだ。入会してくれるといいな。 尾上

(追記)よく晴れた週末、箱根「芦ノ湖」を愛車レイチェルで一周した。先月のクリスマスに「山中湖」を完走した時は、湖岸沿いにほとんどサイクルロードが完備していてとても楽だったがここはまったく違う。「駒ヶ岳」の山麓になる「東岸」は自動車が走り完全に舗装された平坦な広い道路だけど、「三国山」の中腹を切り開いた「西岸」は樹木の根っこが張り出して段差を作り、アップダウンの多い山道で、案内板によると11キロの西側だけで徒歩で3時間40分かかる。
 「芦ノ湖」は5年前、家内と東11キロと西9キロを2回に分けて歩いたことがある。今日はそのコースを自転車で半日で一周しようと決めた。なじみの「箱根ビジターセンター」で折りたたみ自転車を車から降ろし組み立てて出発。小田原に流れる「早川」の水門、江戸時代のトンネルを抜けて裾野に下る「深良用水」の深良水門をすぎて「亀ケ崎」へ。ここから急傾斜で木の根が階段状になって張り出しているから自転車を担いで登ることになる。
 向こうからくる一組の老年夫婦とすれ違った。「途中まで行って帰ってきました。」と。歩きでは午後半日かかるロングコースだからね。急な登りは降りて歩くから自転車のほうがつらいよ。「芦ノ湖」は大昔、噴火の時の溶岩で川の水がせき止められて出来た湖だからダム湖と似ている。「西岸」は特にほぼ手つかずの自然のままで、山の急斜面がそのまま湖岸になっているから、コースはすれ違いも難しいほど狭いところが随所にあって自転車ごと転落しないかと用心、用心。それでも下りの道はラクチンだし早い。
 歩きのほぼ半分、2時間で中間点の「白浜」に着いた。作業車や伐採した材木が積み上げてあり、ここからはまた広い林道が始まって、湖岸にはお金持ちの別荘がいくつも連なり、広場でたき火をやる人たちは地元の「どんと焼き」のようだ。竿にさした紅白の餅を焼いてもらって持ち帰るお母さんたちもいる。「どうぞ、どうぞ」と誘われたが、先を急いでやっと国道1号線に出て関所跡に着いた。
 ここはつい一週間前に大賑わいだったところ。そう、「大学駅伝」の初日のゴール地点なのだ。2日・3日の午前中は共に「冬期講習」で私もこのホールにいたので中継では見られなかったが、あとで日テレの「オンデマンド」で動画を見た。予想に反して「青山学院大」がトップでここに飛び込んできた。そして翌日の復路でもその座を譲らず史上最高の記録で初優勝したそうだ。おめでとう。実は私の亡父の母校です。
 この「海賊船」乗り場には小さな「駅伝ミュージアム」もあり、ぞろぞろと「観光船」を降りてきた観光客たちが「駅伝選手」の銅像の前で記念写真を撮っている。夕暮れの湖面の向こうには真っ白な富士山が美しい。
2015/01/12 (Mon) 23:47


教育は知育、徳育、体育
教育は知育、徳育、体育
2015年1月9日(金)裾野市民文化センターにて 「伊豆多賀の浜」
 YAさんは前回12月19日の英文和訳が難しかったね。学習院大の To have been to certain spots on the earth’s surface is socially something one can boast of; and having been there, one is superior to those who have not.ではto have been to〜「〜へ行った経験があること」が is の主語だし、having been〜は分詞構文と見抜ければ「〜に行った経験があるので」となるよね。最後のhave notは「持っていない」じゃなくてhave not been thereの省略と見る。「地球上のどこかの場所に行った経験があるということは、われわれが他人に自慢できることなのだ。さらに、そういうところに行ったことがあると、行ったことのない人より勝ったということになる。」
 YU君は前回の理科大には苦労した。There is as much need for the education of feeling as for the education of thinking. The one cannot be left to chance any more than the other.英文では基本的に、第1文が「結論」で第2文以降はその「説明」、だったはず。教育は「知育、徳育、体育」の3本を柱とすることは知ってるでしょう?第1文は「感情(情操)教育の必要性は思考(知識)教育と同じくらいだ。」でas〜as構文に注意しよう。第2文は「前者を偶然に任せておけないのは後者の場合と同じ。」ここでは例の「鯨の公式」(鯨が魚でないのは馬と同様だ。)があるのに見破れなかったね。not・・any more than 〜は、no more・・than 〜と同じだ。the one・・the other・・は the former・・the latter・・と同じで、前文の2つの名詞に対して「前者は・・」「後者は・・」と訳すこと。
 TA君が奈良に旅行して私の大好物「奈良漬け」をおみやげに。我が家の菩提寺のある三重県・伊賀上野でもこの奈良漬けが名産だ。私はこれと「日野菜漬け」をよくおみやげにする。山向こうの滋賀県の名産だ。TA君、AOで合格しても英語だけは勉強を続けてね。今日の慶応大の発音問題はなかなか難しかったね。予想外の箇所を強く読む場合があるんだ。「ことば」のやりとりをきちっと把握しないといけない。
 KI君は比較構文で not so much A as B「AというよりむしろB」を勉強した。asは「〜とくらべると」の意味の接続詞だったから、「BとくらべるとAはそれほど多くない。」という原義から納得できるね。 It is a selection of those features with which we are familiar.「それ、つまり知覚とはわれわれがよく知っているようなそういう特徴を選びだすことなのだ、」(ただ全部を記録するのではなくて)。ここの thoseは whichとの関連でsuch〜 as・・と同じような働きをする。「・・のようなそのような〜」と訳せばよい。単数の先行詞なら that〜 which・・となるよ。a selection of those featuresは、単に「特徴の選択」と名詞の羅列にするより、SVOの節にいいかえると平易ないい日本語になるよね。
 EC君は正月をご両親の郷里「秋田」で過ごしたようだ。おみやげに「比内地鶏」の炊き込みご飯の素を頂いた。本場物が嬉しいね。もう4年近く「主婦業」が板についた私の得意料理のひとつで、「牡蠣」「松茸」と「鳥ごはん」もよく作る。今日は同じ比較構文のas〜 asの特殊なものを勉強した。They made it culturally as international as any nation in the world.は問題の指示通り「代名詞」のtheyと itが指すものを明らかにしなくては。「かれらはそれを・・」では何が何だか・・。日本語は「代名詞」が嫌いなのだ。具体的に指す「名詞」に置き換えて和訳する心がけが大切。ここでは「そういう外国文化によって日本は文化の面で世界のどの国よりも国際的な国になった。」のように、「無生物主語」の文を見破って「主語」を原因・理由、「目的語」以下を結果にとらえて和訳する、という余裕があればもっと良いね。 尾上
  
(追記)元日の雪がまだ消えない「秩父宮記念公園」に散歩に行った。早春の花「菜の花」「スイセン」「ユキワリソウ」や「フクジュソウ」が咲くのはもう少し先で今はなにもない。休憩棟の売店に行ってみたら書籍がいくつか。ここは宮様のお屋敷だったから皇室関係のものが多い。宮家の歴史の本に混じって「日本の大富豪」というMOOKを見つけ興味がわいて買ってみた。
 ムックはブック(本)とマガジン(週刊誌、月刊誌)の中間で造語なんだ。「江戸から現代までの大富豪の教え」という副題でとても面白い。江戸時代はみかんと材木で大金持ちになった紀伊国屋文左衛門、明治・大正は「三菱」の岩崎弥太郎、昭和は「パナソニック」の松下幸之助がそれぞれ代表格だ。
 平成の現代、「ソフトバンク」の孫正義が資産1兆8400億円でトップ。取り上げられた14人中の最後に「サントリー・ウィスキー」会長の佐治信忠が紹介されていて1100億円で写真入りで載っているじゃないか。この人、私の母校・甲陽学院高校の2年後輩だ。一昨年私が始めて参加した同窓会ではたっぷり「サントリー・ビール」を差し入れしてくれた。
 在学中に面識はなかったが「同窓会名簿」をみると、慶応大・経済を出てカリフォルニア大学の院に留学している。高校時代はたぶん学年150人中100番くらいだったのかな。甲陽では学内順位で合格校がほぼ決まった。ちなみに私は卒業の頃30番くらい。そのころ東大には例年15人くらい、京大には50人くらい合格していた。私は高望みして東大にあこがれ大失敗。二期校(今の後期試験のこと)の東京外語大に決まった。
 素直に京大工学部に行った同級生「アチャコ」こと藤本勝司とは住まいが同じ夙川で、もっとも親しい友人だった。藤本は「日本板硝子」に入社して今も会長を勤めている。イギリスの名門ガラス会社を吸収合併して新聞では「時の人」にもなった。おまけながらタレントの「千秋」は藤本の娘で私の長男と同じ年。個性豊かな女性だよね。
 佐治信忠に話を戻すと、今人気のNHK朝ドラ「マッサン」の勤め先「鴨居商店」とは、実は創業者「鳥井信治郎」のサントリーのお店のこと。トリイだから「サントリー」と名付けたのだろうね。昔は「トリス・ウィスキー」ともいった。この二代目も「工場長」の後釜として登場しているが、さらにその息子つまり信治郎の孫が三代目で今の会長・佐治信忠だ。昨年秋の新聞によると、社長を退き元ローソンの社長を一族以外から抜擢した。まさに「やってみなはれ」の精神が脈々と流れているね。
2015/01/10 (Sat) 0:12


2月3月の予定発表 新会員募集中
2月3月の予定発表 新会員募集中
2015年1月5日(月)三島ゆうゆうホールにて 「秩父宮記念公園」
 昼食後の腹ごなしに裏山の茶店「しるこや」まで登った。元日の雪がまだ斜面に残っていて舗装した道はツルツル滑る。人が通っていないのは山道に積もった雪に踏み跡がなにもないのでわかる。大きな肉球が4つあるのはいつもの鹿の足跡。もう一つ松葉のようなもの発見。鳥のようだけど大きいからきっとキジじゃないかな。
 今日は店の窓から富士山がバッチリ。少々霞がかかっているのは気温が高いせいだ。「しるこや」の店主夫妻と楽しいおしゃべりをした後、店を出るとガイジンにバッタリ。私の後からこの「森山道」を登ってきたんだ。いっしょに下ることになった。英語で会話している内になんとチェコ人だと判明。珍しいね、日本人にも滅多に会わない山道で。
 下りのあいだ私のロシア語とヤン・イジョーさんのチェコ語の会話になった。「東スラブ語」と「西スラブ語」という親戚の言語だから多少は通じる。わかりにくいところは英語に翻訳し、たまには日本語も混じる。ヤンさんは私の家から近いところに住んでいて、日本人女性と結婚しお嬢さんもいるらしい。何のお仕事かは不明だった。「又この山で会おうね!」と言ってわかれた。今日もこんな身近なところで「国際交流」ができたよ。
 大学生のSUさんが久しぶりに出席。今日から聖心女子大は授業再開だ。高校より早いじゃん。しかし今月いっぱい。2月から入試のために春休みになるからね。今日はTOEFLの問題で「パソコンの放射線による機密漏洩を防止できる特殊ガラス」の話を読んだ。
 今日の参加者はなんと3人。休んだ人はきっと冬休みの宿題が終わってないんだね。それともどこか旅行中かなあ。2年生のTACさんとTAYさんは冬期講習のテキストでやり残した入試の英文和訳に挑戦した。論説文の読み取りで大切なこと。「A文とB文の間に接続詞が明記してないとき、日本語ではand(そして)とso(だから)を、英語ではor(すなわち) とfor(なぜなら)を補えばよい。」なぜそうなるのか理由を説明した。どの文法書にも書いてないけどね。 尾上

(追記)元日に「金時山」100回登頂を果たして幸先良く新年をスタートできたが、1回目から数えると30年以上もかかっている。これでは1000回なんかとても望めないし、次の100回でも生きている内の達成は難しいだろうね。雨でも雪でも「毎日、毎朝」登るスゴイ人たちの仲間にはなれないね。
 御殿場に引越して来てから家族4人で登ったのが確か最初だと思う。まるでロック・クライミングのように急な岩場をクサリで体を持ち上げながら登ったなあ。今はアルミのはしごが12個もあってすごく楽になったけど。その時の子供のおみやげ「金太郎の腹巻き」が2枚今も3階の物置に飾ってある。
 小学校以来合唱やブラスバンド・オーケストラなど音楽一辺倒で、大学時代に半年「ボート部」に所属してみただけという運動音痴の私が、山にさかんに登りだしたのは定年退職の年の夏、大学の仲間を誘って3人でやはりこの「金時山」に登った時以来のことだ。もともと汗をかくのが嫌いだったのに、まずは健康維持のためと東高教員時代夕方帰宅途中に「時の栖」で車を停め、ジョギングウエアに着替えて園内を走り回って気持ちよく汗をかくようになった。
 アウトレットで買ったADIDASの緑色のシューズが気に入っていて、海外旅行にもよく持って行った。ホテルに宿泊した翌朝、朝食前に周辺をよく走り回ったなあ。台湾でも、バリ島でも、バンコックでも、トルコのイスタンブールでも。
 息子たちの勤務地ニューヨークでは、地下鉄の中で不良っぽい若者たちにシューズをじろじろ見られた。黄色と紫のラインが入ってちょっとサイケデリックな感じでニューヨークっ子が好きな色調なんだね。「どこで買ったの?」と聞かれて気分がよかった。
 有名なNYマラソンのコースも一人で走ってみた。NY湾の入口にあるナロー橋のたもとをスタートにブルックリン・ブリッジを走り抜けてマンハッタン。チャイナタウンからソーホー、ダウンタウンからアップタウンと、ゴールの「セントラル・パーク」までブロードウエイと5番街を走り抜けたなあ。
 東京の街中も走ったよ。何回かに分けて新宿から四谷、皇居、新橋、レインボウ・ブリッジを渡ってお台場まで。街中には様々な発見があって楽しかったがその後、しばらく横浜の友人を呼び出し我が家の向かいにある「コート」でテニスを始めた。が今ひとつ物足りなくて「じゃあ、金時に登ろうよ。」と山登りに誘った。
 2006年秋、「立山黒部アルペンルートとトロッコ列車」のツアーに一人で参加したときには、初冠雪の「室堂」で付近の山にすこし登ってみて「立山連峰」の壮大さに感動したなあ。これがアルプスにとりつかれた始まりだ。
2015/01/05 (Mon) 23:41


新年あけましておめでとうございます
新年あけましておめでとうございます
2015年1月2日(金)三島ゆうゆうホールにて 「二岡神社」
 私の干支「ひつじ」がもう回ってきた。早いねえ・・。年が明けて冬期講習3日目。受験生もセンター試験直前で大切な時期で学校が休みならせめて塾だけでも、と親も本人も思うのだが昔と違って最近はSやZなど「大手予備校」もサラリーマン化してしまい、年末年始をしっかりお休みにしているね。「UG会」でよかった、と思わない?
 今日も2年3年共通でリスニング問題をやってみた。3年生は80%以上取れるようになっている。TACさんも来年に向けて力をつけていこう。TAYさんは所用でお休み。3年NU君が後半の今日から参加した。
 NU君には年末2回分のセンター問題を先にやってもらった。70%は取れそうだね。あすは第3問から第6問までも含めて、実際の模試問題を80分でやってみよう。
 YU君は前回、入試の英文和訳はほぼ正確に訳せたが、まだ長すぎて理解しにくい表現になってしまうきらいがある。日本語はできるだけ短かめに切り裂いたほうがいいから、語を補って上手に接続させていく要領を身につけたいね。 The peoples of Latin America はpeopleの複数形に注意!ここでは「・・人々」じゃなくて「ラテンアメリカの諸国民」という意味だ。今日は It is 〜 that・・いわゆる「強調構文」の和訳をやったが、「・・なのは〜だ」と訳した方がよい。これを英語学では「分裂文」と呼んでいる。つまり、英語では「強調したいものを切り裂いて文頭に出す」が一方、日本語では「強調したいものを最後に言う」からだよ。「〜こそが・・・」の訳では不十分なのだ。
 MA君の訳はこの強調構文、即ち「分裂文」の扱いが正当だったね。だけど前回の和訳は、いままでの注意事項をすっかり忘れ去ったようなミスが多かったよ。上智大も中央大もカンマやセミコロンが多用されていて接続関係が難しい。しかし、「原則的に」これらカンマ(,)・コロン(:)・セミコロン(;)・ダッシュ(―)を飛び越えて和訳してはいけないのだ。これらは「間」を空けることで、追加説明や理由を述べているのだから。今日の小樽商大の問題では It has become apparent that the classical distinction between〜and〜must be abandoned.の構文を読み間違えたね。「本能による動物の行動と、理性と学習による人間の行動の違いと区別してきたが、そういう区別の仕方はもう捨てなければいけないのは明らかになっている。」
 TACさんは「仮定法未来」の文法問題と和訳をやった。東海大の和訳が難しかったね。No one could argue that it must make its patterns of trade more international・・「日本(it)は自国の貿易形態をもっと国際的なものにさせねばいけない、なんて意見をだれも言わないであろう。」となる。 Make+O+Cは「〜を〜にさせる」。couldは仮定法で「〜できるだろうに」の意味。この文の前後に過去形の動詞がなければ「仮定法」とみてよい。
 1年のMA君は「話法」をやった。少しのケアレスミス以外はとてもよく理解出来ていた。「入試にチャレンジ」は2問目の日大が難しかったね。 ・・but it is fairly easy to deal with if you understand that, in most cases, late people are very punctual about being late.「たいていの場合、遅刻する人は遅刻にきわめて忠実なのだと理解しておけば、かれらの行動(it)は結構扱いやすいよ。」とは面白いね。It is easy to deal with their behavior.のitは仮主語で「かれらの行動を扱うのはやさしいことだ。」これを Their behavior is easy to deal with.と書き換えたものなんだ。 尾上
  
(追記)今年の冬期講習は元日を中休みにしたので、受験生のみなさんも世間並みに初詣をして家でお雑煮が食べられたでしょ? わたしはいつものパン食のあと「金時山」にむかって出発した。例年正月だけは自宅から全コースを歩くことにしている。地区の守り神「二岡神社」に初詣をしたその足で「乙女キャンプ場」の中を通り抜けて登山口まで行った。
 前日雨が降ったのできっと道がぬかっているだろうし凍っているかもしれないと、いつもの長靴スタイルで滑り止めのゴム敷も持参した。「乙女峠」を越えてから「長尾山」と「前猪鼻山」と三つも登っては降りていくので、昨夜の雪が残る斜面はスベルスベル。アイゼンなしでヒヤヒヤして下ってくる若者たちや夫婦のグループが多い。私の滑り止めは街中の用途だけどこの山には丁度良いから自慢げ。
 早朝は山頂までくっきり見えていた「富士山」に次第に黒雲がかかってきて、「金時山頂」に着くと同時に雪になった。名物「キノコ汁」を注文したら「秀ちゃん」がお餅を2つも入れてくれ、これが私の正月の「味噌雑煮」になった。甘酒も頂いて山小屋で「新年おめでとう」となった。「金太郎」記念バッジもプレゼントされた。
 テーブルに備え付けの「登山者名簿」に氏名と年齢と「100回」を記す。秀ちゃんと母親の金時娘・妙子さん、中2になった孫の翼君がお祝いの拍手と握手をしてくれた。「金時山・100回登頂証・尾上敏起様・金時むすめ」と書いた色紙がいいおみやげになった。小屋の天井にはビッシリと氏名と市町名を墨でかいた木札がぶらさがっている。登山記録が100回から4000回に至るまでツワモノの男女の名前だ。70回を越えた頃木札ができて、予備軍で目立たないところに下がっていた私もいよいよ表舞台に顔をだせたよ。いつか金時山に登った時には探してみて。
 激しくなった雪の中を下山開始。登りに3時間以上かかったが雪のために下りも同じくらいかかり、日も暮れて御殿場の夜景を眼下にたのしみながら、スリップ事故のためガランとなった国道を歩いて家にたどり着いた。
2015/01/02 (Fri) 23:06


仮定法って、「嘘のムード」?
仮定法って、「嘘のムード」?
2014年12月30日(火)三島ゆうゆうホールにて 「とらや工房」
 昨日はホールが年末年始で夜間休館のためUG会もお休み。冬期講習が始まったので日記を今日書いてます。1年のMA君が夏期講習に続いて参加することになったので、これで3学年がそろった。2年生のTAYさんも突然参加希望を出したので今日は5名になった。プリントも何とか間に合った。
 3年のMA君とYU君はセンター試験の第1・2問が苦手だということで集中的にやることにした。リスニングも年末年始で英語を聞く機会が少ないだろうから最後の30分間を割くことにした。2人の2年生も一緒にやってみたら、50点中50,44,42、33点という結果だった。明日もやってみよう。
 3年生はいつもの入試和訳にも取り組んだ。神戸外語大の  Those books which have made a lasting contribution to man’s quest for truth, we call great books.は目的語が文頭に倒置されているよね。 Those〜which は such〜as と同じように「係り結び」みたいなもの。前文にある名詞を受けて「それらの〜」というのではない。man’s quest for truth は「名詞構文」と見抜いて「人間が真実を探求すること」と訳せるといいね。made a lasting contribution は「昔からずっと貢献してきた」contributed lastingly ということ。
 2年生は2人とも進度が遅れているので、この冬期講習のあいだに先に進めることにした。TACさんは仮定法の55・56課をやった。TAYさんも仮定法現在と比較構文の as〜asを勉強した。前のasは副詞「同じくらい」、あとのasは「〜とくらべて」の意味の接続詞、ということは学校で教えなかったらしい。応用力をつけるにはとても大切なことなのに。
 1年生のMA君も仮定法をやった。学校ではもう終わったそうだけど、さあ、「仮定法」ってナニ? Ifで始まる文? 「法」ってナニ? 「方法」じゃあないよ。「仮定法」を英語ではSubjunctive Moodというんだ。ムードだから「気分」だよね。つまり「仮定法形の動詞」なんだ。動詞に「嘘っぽい」気分が込められている、ということだ。過去形は「今」の仮定法形、過去完了形は「昔」の仮定法形となる。 It is high time you went to bed. 「もう寝る時間だよ!」は wentに「今まだ寝てないじゃん」という気分が込められているんだね。日本語でも「さあ、寝た寝た!」っていうでしょ?面白いね。 尾上

(追記)愛車レイチェルで「しるこや」まで登って行った。標高差が約300mあるからかなり汗もかくけど電動アシストのおかげで8キロを40分で登る。「仏舎利塔」をすぎて中間点の「富士八景の湯」を右折するとすぐに「乙女キャンプ場」の広場がある。はやりの「愛の鐘」もあって正面に聳える富士に向かって祈るカップルもいるよ。
 ここから「長尾峠」に向かう県道は乙女峠にトンネルができるまでは、仙石原や小田原に抜ける国道だった。今は箱根スカイラインのアクセス道路で静かな桜並木の山道だ。カーブが多くてバイクのツーリストに愛されるコースらしい。この坂道をさらに登っていくと、富士山の展望がパッと開けたところが「駿河台」といって、御殿場の名勝の一つになっている。ここに私の友人小林さんの小さなドライブイン「しるこや」が立つ。
 あずまや風のしっかりした日本建築で初代から数えて4代目になる。茅ヶ崎出身だけど京都暮らしの長かった小林さんはこの絶景に憧れて、たいした利益ではないがこの商売を継いだ。京都の有名な観光タクシーの運転手だったから客のもてなしはお手のもの。京都風の「おしるこ」を考案して提供したら評判を呼んでリピーターも増え、テレビ局からいくつも取材申し込みがあった。
 しかし、5年続けた彼もあと半月で山を下りることになった。300キロ西の琵琶湖の自宅にいる奥様と離ればなれの生活では好きな商売もとうとう限界が来たようだ。「おおきにー」と京なまりも美しくこの店を一緒にきりもみしていた奥様が、実は内外でとても評判の高い服飾デザイナーで仕事の本拠地・京都から離れることが難しく、さらに悪くしている眼の網膜の治療が迫ってきたので、小林さんもいよいよ大津に戻って元の職業に復帰することになったそうだ。 
 店主がいなくなるのは寂しいね。歩いても自宅からまっすぐに林の中を登っていくハイキングコースの終点に位置しているから、「おやつ」を食べておしゃべりするのにとてもいい店なのに。2年前には家内と琵琶湖のご自宅に遊びに行ったし、このブログ日記の始め方を教えてくれたのも彼だから。
2014/12/30 (Tue) 23:59


ペンは剣よりも強し
ペンは剣よりも強し
2014年12月26日(金)裾野市民文化センターにて 「宇佐美の浜辺」
 思い出になるようなクリスマスでしたか?私は「山中湖」を自転車で一周したよ。ここはサイクリングロードが完備している。標高1000mだから所々結氷していて白鳥やオシドリなどが遊び「わかさぎ釣り」の屋形船がたくさん浮かんでいた。昔は全面結氷したので、湖面をバイクで渡れたそうだけど。「長池」の展望台でくっきり富士山を背景に写真を撮ってあげた女性は、香港から一人で今日成田に着いたばかりの中国人で英語も得意だった。日本語の山ガイドを持っていて、明日は「石割山」に登って山中湖北岸の尾根を縦走するそう。「今年3度目で日本の山は大好き。金時山の金時バアサン(娘)には叱られたよ!」と。ここでも国際交流ができたよ。
 YU君はどの問題もほぼ申し分ないね。学習院大の英作文では「彼は〜見分けがつかなくても不思議はない。」は It is no wonder that you can’t recognize him. とする。doubtならThere is no doubt whether〜「〜かどうかに疑いはない」だ。主語や接続詞に注意。名古屋大の和訳「芸術の現代史を書く困難さ」は難しかったね。
 KI君は最近和訳の力がぐんぐんついてきたね。おかしな訳をしていると自分で気づくようになった。長足の進歩だよ。駒澤大の和訳 Many people seem to have been brought together by the pen. ペンは the がつくと抽象的な意味になって、文武両道の「文」だ。つまり「武力ではなくて、文筆(文化)の力で多くの人々が結束したと思われる。」ここまで訳せば充分だけどね。
 年末になって忙しいらしくYAさん、TA君、EC君はお休みした。来週1月2日(金)は休館日のためお休み。次回は9日(金)です。冬期講習を来週30日(火)から始めます。3年生が3名、2年生が1名参加します。 尾上
  
(追記)東伊豆・伊東の海岸を自転車で走った。今日はクリスマス・イヴだというのに暖かいねえ。気温が15℃も!ここは冬がないのでは?「伊東観光会館」で持参の折りたたみ自転車を組み立てて隣の宇佐美まで走ってみた。車道も歩道もかなり広々してとても走りやすい。ここの中央分離帯には背の高いアロエがずっと続きオレンジの花を満開に咲かせて美しかった。夏は海水浴場になるこの砂浜には白いカモメがたくさん群がって遊んでいる。散歩しているのは若いカップルばかりが目立つ。そうか、今日は特別の日なんだね。
 4、5年前、夫婦で箱根・芦ノ湖や富士五湖をすべて歩いて一周したので、次の目標に伊豆の海岸を一周しようと決めた。まずは下田の街からスイセンの花咲く爪木崎まで。2度目は熱海・網代から伊東・宇佐美まで。車道を避けてできるだけ海辺の道を選んだから、珍しい花や鳥との出会いがあって実に楽しかった。今日は一人きりの自転車だけどいつでも停車できるから歩くのと同じでゆっくり風景が楽しめる。
 伊東に1年ぶりに行ったのは元同僚の渡辺秀夫先生のお見舞い。実は3年前の秋の台風で、自宅の庭に大きな物置小屋の屋根が飛んできて頭を直撃された。伊東市民病院の斜め上の県道沿いにお住まいだったからすぐに治療を受けることが出来一命を取り留めた。しかし、脳内の硬膜破裂だから大変。その半年前に脳卒中になった家内と同じような症状で、中伊豆の病院で何ヶ月もリハビリ治療が続いた。眼の不自由な奥様の病院通いや介護も大変なご苦労だったらしい。
 今は市内なら自動車の運転も出来るほどに回復されたということで、お見舞いに伺ってホッとした。お歳暮に加えて、私の手作りの「千枚漬け」を届けた。仲間の畑で育てた「聖護院大根」をスライスし甘酢に漬けたもの。利尻昆布のぬめりがよく出て今年はほどよい味に仕上がった。「昨年のも美味しかったよ。」とほめ言葉。
 渡辺先生(ナベさん)との出会いは「稲取高校」だった。私が大卒後、新任の「吉原高校」で半年間「常勤講師」をやった後転勤した先だ。「伊豆急行」がまだ開通したばかりの東伊豆の漁業と温泉の小さな町で、「稲取駅」はみかん畑の中にあって花の時期にはホームに降り立つとプーンといい香りに包まれた。家内はこのみかんの香りにだまされて「海辺の町へお嫁に」来たんだ、と言っている。
 生徒は漁師や旅館業の子弟が多く、映画の「潮騒」の様な世界。みな純朴でわれわれ若い教師たちとまるで友達のようだった。サザエや金目鯛を「食べてくらっせえ」と箱ごと下宿に届けてくれた。家内は夕方スーパーで買い物をすると女生徒たちに遠巻きに観察されたらしい。新卒や独身の教師ばかりの職員室で社会科のナベさんはなんと私の大学の先輩だったのだ。
 中国語科の10年先輩で沼津東の卒業生。伊東駅前の「そば屋」の生まれで5人兄弟の一人だった、と今日始めて聞いた。大柄な偉丈夫で、韮山高校の教諭から「高教祖」の委員長に推された信望の厚い大人物。どんな校長にも県教委にも負けなかった情熱家で理論派。こんなすばらしい先生と巡り会って結婚披露パーティの司会までやって頂いたから、私たち夫婦にはもっとも大切な人なのです。
2014/12/26 (Fri) 23:12


冬休みの勉強
冬休みの勉強
2014年12月22日(月)三島ゆうゆうホールにて 「箱根のサンタ」
 どの高校も冬休みに入った。クリスマスも間近でなにかと落ち着かない季節だね。しかし1年も2年も休み中の課題がたくさんでているでしょう。勉強の習慣や意識が続いている今の内に片付けておくと良いよ。年末年始はどうしても一人で勉強部屋にこもっていられないでしょ。休み明けのテスト対策でもう一度短時間の復習ができるようにしよう。来週29日(月)はお休み。ホールが年末の夜間休館だから。次回は1月5日(月)です。年末年始は是非「冬期講習」に参加して午前だけでも頭が錆び付かないようにしよう。
 3年生はセンター試験まであと4週間を切ったね。平常心でまんべんなく必要科目に取り組んでおくのがいいね。弱点科目に集中するあまり得意な科目が怪しくなっては大変。人間の頭はコンピューターと同じように「記憶」と「演算」の2装置からなっている。記憶のいい人も演算となるとすぐにあやしくなる。ほかの科目と違って「英語と数学」はシンボル(記号)による抽象概念の学問だからブランクに弱いんだ。2.3日も触れない日が続くともう演算、つまり記号を具現化する力が怪しくなるんだ。恐るべし、だよ。
 TA君から嬉しい知らせ。日大の生物資源学科に合格した、とのこと。第一希望が通ってよかった。なんか実感の湧かないような報告の仕方だったけどまずはおめでとう。今日は前回のプリントの続きで、京都女子大の長めの英文「日本人の和の思想」を読んだ。ほぼ正確に読み取れていたね。
 MA君は横浜市立の和訳がほぼ正解だったけど、早稲田の2問はマルがつかなかった。コロン、セミコロンは「前文」の説明や理由を述べるから「すなわち」と訳すのだ、と覚えてくれたね。だけど特にダッシュの時は前出の「語句」を説明する事が多いから「即ち、その〜は」となるよ。問1でも「即ち、その1日約130ドルというのは・・・」と訳すのです。
 YAさんも同じプリントでMA君と同じ箇所が難しかった。同志社大もちょっと難しかったね。Oseibo, the bigger of Japan’s two annual lively spells of gift-giving hospitality, rises to a peak 〜「カンマ、カンマはカッコのこと」だったから「お歳暮」の追加説明と考えるのだ。「お歳暮は、年に2回進物で気持ちを示す日本の活発な時期のうち大きな方だが、〜に頂点に達する。」となるね。最後にある ・・except July, the lesser gift-giving month. のカンマは「即ち、7月とは」となって「小さい方の進物の月」となる。the lesserは前出のthe biggerとの「対比」で読み取ることが大切だ。可愛い「レッサーパンダ」知ってるでしょ。知ってたはずのsinceを「〜以来」と訳しているのは、英語の勉強が少々手抜きになっているんじゃない?だれでもそうだけど、冬休みになって授業がないと頭が錆びついてくるんだよね。「言語」は毎日30分でも必ず読み書きすることだ。英語で日記とか私にE・メールとかも有効だよ。自分に課題を課して英語の勉強を続けるといいね。
 2年TACさんは53課「特殊な接続詞」を終えて「仮定法構文」に入った。学習院大の英文   All we have to do is wait for the guests to come. は大切な構文。All が主語で isが動詞。「私たちがやる必要のあることすべてはお客様が来るのを待つことだ。」だから、「〜待っていさえすればいいのだ。」と訳せるようにしよう。イディオムのWe have only to wait 〜. と同じ意味になる。
 TAYさんの和訳を添削した。どれにも全力で取り組んでいる様子。上達がとても楽しみだ。京大「科学の機能」、早稲田「現代人の読書」、明治「喫煙のマナー」と難しい英文の連続だったね。マルがあまりつかなかった。その他の大学のより1ランク上の感じだね。therebyという単語は副詞で、前にのべた事をうけて「そのことによって」という意味。, by which と同じ。in companyは「仲間の中で→人前で」の意味。イディオムで無冠詞の company は抽象名詞。 a や the がついていれば普通名詞で「会社、劇団」の意味になる。たとえばkindnessは「親切さ」で数えられないけれどa kindnessは数えられるから「親切な行為」となる。今回も公式 A and A’をしっかり見破ることに失敗したね。
 1年TAMさんは学校の冬休みの宿題に専念した。馴れていない自由作文に少々苦労していたね。さほど真剣に考える必要はないよ。英文を構成する練習だから多少フィクションでも構わない。まずは簡潔に文を羅列すればいい。
 SUさんはTOEFLの過去問で「白熱灯より優れた蛍光灯」を読んだ。科学技術の話だが、前回の「素粒子論」よりは語彙がつかみやすかったね。こういう問題は苦手の人が多いだろうなあ。平均点を下げるための難問だろうね。最近のBBCから「子供の映画には死の場面があふれてる」と、ニューズウイークから「音楽をやると学業成績が上がる」をプリントしたので読んでみて。 尾上

(追記)YAさんにおいしいクッキーを今年もいただいた。学校でクリスマス会があって自分で焼いたそうだ。赤い箱には幼子イエスの誕生を両親が祝福している姿が描いてある。出席した皆にもお裾分け。学校では「ハレルヤコーラス」を皆で歌ってお祝いしたそうだ。YAさんは得意のバイオリンで参加した。ヘンデル作曲の「メサイア」の一節だが、今年始めて自分たちのオーケストラの伴奏で歌ってとてもよかったとか。
 わたしも「メサイア」全曲をチェロで弾いた覚えがあるよ。30年前、静岡の常葉短大の学生による特別コンサートがあって、「駿河フィルハーモニー」の一員としてゲスト出演して楽しかった。このチェロはドイツのフランクフルトで買い求めた物。前回のブログに書いたように大学時代のチェロ弾きの先輩の紹介だった。勿論ストラディバリウスとかガルネリとかのイタリアの名器ではないが、ドイツの工房の作で優しい音色が気に入っていた。弓はフランス製でFrench bowといってとても評価が高い。
 中学時代以来、トランペット・サキソフォーン・ホルンと管楽器ばかりやってきて弦楽器のチェロはほとんど自己流。静岡大学の松下教授に何度か御指南を受けたけれど。御殿場に転居してから三島のオーケストラに入団して仲間からいろいろ教わった。難しいところのゴマかしかたとか。とても弾けそうもないパッセージがあったら「5ミリ上を弾いて!」とアドバイス。「上?」、それは「弓を弦から浮かせること」だ。要するに「弾いてるフリをしてね」という意味?! 6人(3プルト)も8人(4プルト)も一緒にやるから誰の音かわからない。邪魔しないで得意な人におまかせ、ということだ。なんと!
 オーケストラの練習は木屋町の「善教寺」というお寺の本堂だった。毎週水曜の夜はご本尊様の扉を閉めさせて頂いて、指揮者が尻を向けて大音響で合奏した。和尚さんがこの楽団の顧問で、音楽大学出身のその弟さんがホルンと事務局を担当していた。韮山高校・数学の故花本先生とずっと並んでチェロを弾いたなあ。御殿場・富士病院の若林院長がコンサートマスターでとても上手だった。いつ練習するんだろうと不思議だった。
 出張して「子供の音楽教室」もやった。東伊豆・稲取の公民館や下田小学校の体育館、西伊豆・土肥小学校などに合宿を兼ねて泊まりがけで出かけた。有名な小品の演奏には口が動くし、見慣れない楽器にさわらせると子供たちの眼が好奇心で輝いていたなあ。
 84年、85年には静岡のオペラ協会に頼まれて「椿姫」と「セビリアの理髪師」と2年連続して演奏した。舞台下のオーケストラ・ピットに入ってヴェルディやロッシーニを全曲演奏したのもいい思い出だよ。
 ピアノの清水和音、神谷郁代、花房晴美をゲストに協演したのも楽しい思い出だ。チェロの藤原眞理とも大好きなドヴォルザークをやった。気さくな美人さんでお話が面白かった。バイオリンには漆原啓子、徳永二男、佐藤陽子を招いた。熱海に住んでいた佐藤陽子が出演の時は、ご主人の彫刻家・池田満寿夫氏が仲良くいつも一緒だった。いつものボサボサ頭で世界的バイオリニストの付き人のようだった。演奏会の打ち上げ会に伊豆多賀の満寿夫さんの工房に招待されて、伊勢エビの豪華バーベキューをやったのが最後の思い出。転倒事故で急逝されてもう20年近くなるなあ。
 「メサイア」も有名だけど、年末には恒例の「第九」が演奏されるよね。駿河フィルでもよく演奏した。ベートーヴェンはチェロもとても難しいが。82年、83年には沼津・三島・伊東・御殿場で5回連続して演奏した。三島の「ゆうゆうホール」開館3周年記念にやった「第九」の大きな舞台写真が今も大ホール・ロビーに飾ってあるので機会があったら私の姿を探してみて。そのチェロも弾かなくなって15年になる。ロンドン旅行で世話になった大学の後輩が最近ファゴットからチェロに転向したので使ってもらっている。甲陽学院高校でも私の後輩だけど、70の手習いとは素晴らしい!
2014/12/22 (Mon) 23:35


演繹法と帰納法:発想の違い
演繹法と帰納法:発想の違い
2014年12月19日(金)裾野市民文化センターにて 「時の栖」
 YAさんは前回「金沢大」の英文「文化の維持には敵との出会いが必要だ。」を読んだ。いつも言ってきたように「句読点は意味をもつ」から、セミコロン(;)やコロン(:)やダッシュ(ー)などで後の文が前の文とどういう関係になるかを見極めて和訳を添えなくてはいけない」。ここでは「すなわち(説明」「一方(対比)」「なぜなら(理由」の3通りが出てきたね。つまり等位接続詞で言えば、or、 but、 for、が省略されていると考えて良い。なにも訳さないと日本語の文脈で and「そして(並列)」 so「だから(結果)」の意味に解されてしまうのです。SVO言語の英語が「演繹的」deductive(始めに結論を述べてから理由・説明を加える方法)であるのに、SOV言語の日本語が「帰納的」inductive(理由をいろいろ述べてから結論に至る方法)の故なんだな。接頭辞de-(外)とin-(中)の違いだし、どちらがダメという訳でもない。ここにもチョムスキーのUG理論が潜んでいるよ。
 YU君は「慶応大」の「文中でもっとも強く発音する語」の問題が難しかったね。普通は自立語(動詞、名詞、形容詞、副詞)を強く、付属語(代名詞、前置詞、接続詞、冠詞)を弱く、が原則だけどその原則を破る問題だった。注意すべきは「言葉はナマモノ」だから、「前に言ったこと、言われたことに反対、訂正・追加する部分をフォーカス(焦点)にして強く発音するのだ。aじゃなくてtheということもある。私たちの日本語も同じ事をやっているよ。know him とknow about himは違うよね。「彼の人柄がわかっている」と「彼のうわさを知っている」の違いさ。後者はknow something about himのこと。そのためにaboutを強く発音するのだ。千葉大の和訳は良くできていたね。
 TA君は近畿大のアクセント問題が満点だったが中央大のイディオム完成は難しかった。問題処理をもっとスピードアップしないといけないね。
 2年生EC君、KI君は「仮定法現在」をやってから次の「比較構文」に進んだ。まずはas〜as構文から。中学以来なじんだ「・・と同じくらい〜」だけど、実はそんなに単純ではない。そもそも前のasと後のasは全く性質が違うし品詞も違う。He is as tall as I. は中2でもわかる。 しかしHe is as tall a student here in his new class as anyone is. はどうかな。「彼は新しいクラスでは誰にもまけず背が高い学生だ。」前のasは「同じくらい」の意味の副詞でtallを修飾。後のasは「〜とくらべて」の接続詞なんだ。 だからasとasの間は1語と限らずよく見極める必要があるんだ。中2の文も実はHe is as tall /as I am (tall).と言っても良い。「私の背と比べて同じ背の高さだ。」ちなみに今日の3年生には ,but a household with children is twice as likely to have at least one camera as a household in which there are no children.(名古屋大)がでた。「子供のいる家庭は、カメラを少なくとも1台はもっている件では、子供のいない家庭とくらべて、2倍可能性が高い。」 ただし、As soon as SV, 「〜するとすぐに」や、 as much as〜「数字の強調、〜も」のようなイディオムは別にして。 尾上
  
(追記)アガサ・クリスティ原作のサスペンス「オリエント急行殺人事件」を映画で見たことがある?まだ旅客機のない時代、トルコのイスタンブールを出発してフランスの北岸カレーまで走る国際急行列車がクロアチアの山中で雪崩に遭ってストップし、その間に豪華列車の中で殺人事件が起こる。名探偵ポアロ氏が数人の疑わしい乗客の中から犯人を捜し当てる、というミステリーだ。
 この路線を一部でも走ってみたくて、私33歳のヨーロッパ一人旅の時に乗ったのがパリからロンドン間だった。ドーバー海峡をナイトフェリーで渡った思い出は以前のブログに書いた。ロンドンでは大学の親しい後輩が銀行員で家族と駐在中だったのでそこに居候して観光した。さらにドイツでは同じく親しい先輩がドイツ女性と結婚してフランクフルトに住んでいたのでそこにお世話になった。チェロ弾きの彼の世話で私も一台紹介してもらいおみやげにした。
 ドイツ滞在中ヨーロッパ7カ国の旅に出た。まず列車でミュンヘンまで南下して「ノイシュバン・シュタイン城」を訪れてから、グリンデルワルドで「アイガーの北壁」を展望し、峠を越えるローカル列車に乗ってレマン湖経由でスイス・ジュネーブに行った。フランスのシャモニーからロープウエーを3つ乗り継いでアルプス・モンブラン(4810m)の氷河を越えイタリアのアオスタに抜けた。ここでさらに「オリエント急行」路線を踏破したいと思い、トリノからフィレンツェ、ベニスと観光しながら、国境を越えて旧ユーゴスラビアへ。私が学生の頃留学を夢見た国だ。クロアチアのザグレブを観光した後、セルビアの首都ベオグラードまで列車の旅を続けた。しかし残念ながら時間の都合でここでストップ。残りの路線はブルガリア・ソフィアを通って終着駅トルコ・イスタンブールまであと1,2日の距離だが長年の思いはなんとか達せられた。
 帰路は、あこがれの音楽の都ウイーンとザルツブルグを観光して、ミュンヘンからは「ロマンチック街道・バスの旅」を利用してフランクフルトの先輩宅に戻った。その時の旅行記は赤色の小さなポケット版で今でも大事にしている。幼い息子たちを置き去りにして夏休みに4週間も旅が出来たのは家内の内助の功だ。時折、このブログ日記に書き足していこうと思っている。
 「オリエント急行」は私のヨーロッパ旅行の翌年に廃止されて、有名な車両はタイのバンコックからシンガポールまで観光用に走らせているらしい。日本でもすぐ近くで見られるよ。箱根・仙石原の「ラリック美術館」には「オリエント急行」の豪華な1等サロンカーが展示されていて走らないけど乗ることも出来る。ここにルネ・ラリックの見事なガラスの透かし彫りがはめ込まれていておいしいお茶を頂きながら鑑賞できる。実は、30年ほど前に1回だけパリからモスクワ・北京経由で、香港まで記録的長距離営業で走らせて、さらに船で広島に運び日本国内を縦横に走らせるという観光イベントもあった、とは知らなかった。ここではその時の1両を買い取ったそうだ。
2014/12/19 (Fri) 23:16


total : 110805
today : 39
yesterday : 37