TACさんからパリみやげにMAXIMのチョコレート詰め合わせをいただいた。ウーン、真っ赤な箱からパリの香りだ。クリスマス前のシャンゼリゼ大通りは並木がライトアップされて実に美しいらしい。グループ研修では生徒だけで自由にランチをとるから、「ノートルダム寺院」の近くでうまくカフェが見つかってフランス語のメニューも理解出来たらしい。今日出席のみんなに一つずつお裾分けした。
今日の和訳はTACさん、丁度パリから帰ってぴったりの内容だったね。「宮城教育大」の英文 No matter where we go, either to church, school, or to another country, our identity reveals who we are. ・・However, this identity is often challenged when we arrive in a new country. 「教会でも学校でもあるいはよその国でも、どこへ行こうと私たちのアイデンティティ(個性)は自分が何者かをさらけだす。・・しかし、こういう個性はしばしばよその国に行くと挑戦を受けてぐらつくことがある。」identityはidentify、identification(証明)、Identical(同一の) など派生語がたくさんあって、どれも和訳しにくい単語だ。IDカードはIdentification Card(身分証明書、君たちの学生証)だ。添付の写真と同一だよ、と示して本人を立証することだ。
TAYさんは、試験期間で休んだ分のプリントを郵送しておいたので、家でやってきて今日それを提出した。次回までに添削しておくよ。関西大の問題で Man’s desire for something faster eventually gave birth to jet airlines that travel at nearly the speed of sound, ・・が難しかったね。「人間のなにかもっと早いものへの欲望が・・」という訳よりも「人間がなにかもっと早いものを欲しがる気持ちが結局、ほぼ音速で飛ぶジェット旅客機を誕生させたのだ。」とSVOで訳した方がわかりやすい日本語だよね。
そこで参加の全員に白板に注目してもらった。「名詞構文」について一気に説明しておこう。「動詞や形容詞から転じた名詞を発見したら、その主語・目的語を見抜いてSVOの英文を組み立てるつもりで和訳しよう。」例えば「リンカーン」の有名な演説「人民の人民による・・」はとんでもない誤訳なのだ。昔の英語の先生は「名詞構文」が理解出来ていなかったんだ。・・・-that this nation, under God, shall have a new birth of freedom-and that government of the people, by the people, for the people shall not perish from the earth. 「人民が人民のために人民を統治する形態をこの地上から滅ぼしてはいけない、ということ・・」 The people govern the people for the peopleという風にSVOで言い換えてみるとofの(目的語をとる)働きが見えてくる。
1年TAMさんは今日「動名詞」をやった。「意味上の主語」やイディオムで未習のものがいくつかあったね。今日の英文和訳は少々難しかったか。
TA君は前回、語句の並べ替えをやった。「風呂に入ったとたん電気がみんな消えてしまいました。」は As soon as I began taking a bath, all the light went out.と素直にかける文だけど、これを「電気がみんな消えたときには風呂にはいったばかりだった。」と読み直せばよい。過去完了時制に注意してI had just begun taking a bath when all the light went out.ここでjustのかわりにhardlyも使えるということだ。
MA君は試験期間でお休みした分のプリントも仕上げて提出した。前置詞のamong はone of the〜「〜の内のひとつ」と訳すと良い場合でうまく訳せたね。中央大の和訳、But a man with no means of filling up time is as miserable out of work as a dog on the chain.が難しかった。前のasは「同じくらい」の副詞で後のasは「〜とくらべると」の接続詞。だから「時間のつぶし方を知らない人は仕事がないと、クサリにつながれた犬と同じくらい惨めだ。」
大学生SUさんが久しぶりに出席。TOEFLには「素粒子論」「クオーク理論」を読ませる問題も出るんだなあ。参ったね。日頃からNatureやNewton にも目を通しておけ、ということか。こういう学術論文は構文の簡潔さにくらべると難解な専門用語のオンパレードで理解を超えてたね。点を取らせないための問題だ。BBCとニューズウイークの記事から抜粋をコピーして課題にした。 面白いから読んでみて。 尾上
(追記)「金時山」の山頂はお祭り騒ぎだった。これが97回目の登山なのだけど、この「金時まつり」に巡り会ったのは初めてだ。山小屋の陰から「ぺったん・ぺったん」と餅つきの音が聞こえてくるよ。狭い小屋の手前には白いトレーとハシを持った山ガールやおじさん・おばさんの長い行列が。覗いてみたら「焼きそば」と「きのこ汁」が大鉄板と大鍋で今まさに調理中で、できあがるのを待っていたのだ。
働いているのはいつか見たことのあるような人たち。そう、金時登山の常連の人たちだ。だれが言い出しっぺか知らないが年中行事になってもう15回目になるらしい。標高1213mにちなんで12月13日を「金時まつり」にしている。主人の「金時娘」妙子さんも長男の秀峰さんも陰役になって仕事はみんな金時ファンたちにお任せだ。私たちも持参の弁当には手をつけず、お祭りに当然参加した。つきたての大きな餅を2つも入れたきのこ汁の美味いこと。霜がビッシリのこんな寒い日の登山には最高の贈り物だ。
この日は大学同窓3人とのいつものトレッキング。3つコースのある金時山に、「足柄峠」側から例会としては始めての挑戦。別名「猪ノ鼻山」が示すように、イノシシの切り立った鼻面のようにこちら側は急峻で、直立のハシゴが12個も(ね・うし・とら、と名付けて)連続する。そして6月になるとこの急斜面には「オノエラン」が密かに咲くから私の大好きなコース。もう30年以上前、始めて家族で登った時にはこの岩のごつごつした急斜面にはクサリしかなかった。両手でしっかりつかんで体重を引き上げるから、まるで「ロック・クライミング」に近かった。
この日は同窓たちとの「忘年会」も予定していて、手作りの「千枚漬け」を持って登ったのでここで皆にお裾分けした。仲間からも餅つき担当の女子たちにも好評。私が農作仲間とタネまきから育てて採れた大きなまん丸の「聖護院大根」を、先月家内と合作で漬けた苦心作だ。利尻昆布とユズの味が染みこんで実に美味い。京都の老舗に負けないぞ。「金時娘」妙子さんにも持って行ったら、何も言わずにポリ袋を取り出して私のボウルから残り全部を詰め込んでいるよ。81歳、まだまだしっかりしているね。最後の大きな1枚を口に入れて「ウマイ!」だって。
「じゃあ、いいお年を!」といって山を下りることにした。峠まで下った後は関所のある足柄城跡から「足柄古道」を下ってJR足柄駅まで3時間歩き通すというきつい計画だった。途中「赤坂古道」では石畳がほんの一カ所だけ残っていたが、落ち葉の敷き詰めた狭い普通の山道でここが昔の街道とは思えないほど。前回のブログに書いた自転車での下見コースを、今度は逆順に「地蔵堂川」沿いに歩いて下って行ったのです。予定通りに古戦場「竹ノ下」のJR足柄駅に到着。「小山高校」の真ん前にある「あしがら温泉」で夕焼けの富士を見ながら疲れを癒し、御殿場駅前の「五竜菜館」で祝杯を挙げて今年一年のシメとした。
