「京都大原・三千院」
京都の大原に来たのはもう半世紀も前、記憶にあるのは「三千院」の門前に並ぶ茶店の「こたつ」にあたってお茶漬けを食べた寒い日のこと。それも刻んだ赤シソのしば漬けがのっていたあの味がなんとも懐かしい。先月、京都に住む友人夫妻から訪問のお土産だとして本場物の柴漬けが届いて、「紅葉の季節、是非大原でお食事しましょう」とのお誘い。11月にはちょうど三重県伊賀市に法要で出かけるので、その前泊を「琵琶湖ホテル」に予約してまずは京都・大原に直行することにした。
最後の古い石段を上がったところ、真っ赤に色づいた紅葉に囲まれた「三千院」の山門、その門前に華やかな雰囲気の茶店がいくつも並び、外に縁台を出して赤い毛氈が掛けてある。看板の「お蕎麦セット」「お茶漬けセット」1500円なんていうのも街中のレストランのようでなんか味気ないね。洛北・大原の里では素朴なお茶碗一杯のお茶漬けがたべたいのに!観光客の好みが変わってしまったんだね。入国制限で今は見かけないけど中国人たちの好みに合わせた感じもする・・・
3年生のTU君は前回「テクノロジーの効用」の和訳が難しかった。manは「(動物に対して)人間」a manはa personと同じく「人」、menはpeople「人々」と訳すとよい。「男」の訳はwomanがある時だけ。when we watch any particular piece of machinery at work. の訳は、「なにか特定の一つの機械が働いているのを見た時に」。SVOCの文型でat workがworkingの意味に使われている。今日は「態」でWhat is it that covers the new table?(その新しいテーブルにかかっているのは何ですか・・・強調構文)を「受動態」に書き換える問題が難しかった。〜is covered with〜が基本動詞だとすれば、What is it that the new table is covered with?
2年生のWAさんは「There構文」を勉強した。There are a lot of car accidents caused by carelessness. は「・・・事故があります」ではなくて、〜are caused by〜(たくさんの事故が不注意によって引き起こされている)という受動態の文と同じ意味なんだ。主語がbe動詞の後に行って「倒置文」になってるね。だからthereは形だけの主語で「そこに」の意味もないんだ。「明治学院大」のThere are 5 billion human beings living on the surface of this small planet. も「進行形」の動詞are livingを「倒置」の語順に変えてある。「この小さな惑星の表面には50億の人間が住んでいる」も「There構文」と言えるね。
1年生のMUさんは前回「無生物主語」で英作文が難しかった。「鹿児島大」の「新聞報道によると、世界のいろいろな国から多くの人々がオリンピックの観戦にやってきたそうだ」は、According to〜(〜によると)を使わないでThe newspapers sayで始めれば「無生物主語の文」になるよ。今日は「仮定法」をやった。学校では未修だけど、すこしずつわかってきたね。「杏林大」の並べ替え問題で、「もう一度やっていたら、その学生は成功していたでしょう」は、Had the student made another attempt, he would have succeeded. となる。これはIf the student had made〜と同じ意味で、SVを「倒置」つまり疑問文の語順にすることで「もし〜としたら」の意味になる。
今日はMUさん、ニコニコしながら「英検準一級」の合格証書Certificateを見せてくれた。学校では1年生で初めての快挙、と驚いたそうだ。おめでとう! 尾上
(追記)「三千院」の客殿に上がり畳の上をしずしずと進むと、池泉式の「庭園」の前には縁側に緋毛氈を敷いてお茶をすする女性たち。廊下をめぐった先は「宸殿」で、広大な苔庭と紅葉が対照的な美しい庭に出た。靴を履いて庭に降り真っ赤な紅葉の林を抜けて本堂の「往生極楽院」の前へ。ちょうど読経のさなかで、黄金の国宝「阿弥陀三尊像」に私も手を合わせた。天井には「極楽浄土に舞う天女」が極彩色で描かれているらしいけど暗くて何も見えない。池をめぐるこのあたりの景色は記憶にわずか残っていた。
京都の友人夫妻は数年前までNYマンハッタンのダウンタウンに住んでいた。20年前、2人の私の息子たちが渡米中にとてもお世話になったよ。奥様は母校の「京都市芸大」の講師を依頼されて、久々に帰国した大阪出身の著名なデザイナーだ。カナダ人アーチストのご主人とは留学したイエール大学で知り合い、今は京都の街中に新築した瀟洒なお家に共に住んでおられる。今日は約束通り再会できたので、「三千院」を出て石段と坂を下った先の「志野松門」という水車のある和食のお店で靴を脱いだ。
