高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

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「被害は広範囲には及ばなかったようだ」There appears to have been no damage widespread.
「被害は広範囲には及ばなかったようだ」There appears to have been no damage widespread.
2021年2月18日(木)裾野市民文化センター
「御殿場アウトレット」
 「手袋に穴が開いちゃったから新しいのが欲しいわ」と家内が言うので久しぶりに「御殿場アウトレット」に行くことになった。家からわずか4キロなので自転車でも行ける。イーストとウエストの2つのエリアが深い谷をはさんで橋で連絡されている。おおよその見当をつけて東側に回ってみた。そこに新たにホテル「クラッド」ができていたし売り場もさらに拡張されて新しいお店が増えたらしい。
 平日ではあるけど人があまりに少なくてびっくりする。1年前は大きなスーツケースを転がす中国人のにぎやかなグループがあんなに多かったのに、このコロナ騒ぎで外国人はほとんど見かけない。駐車場から歩き始めてすぐ4、5店目でウインドウに手袋をみつけた。ここ「バーニーズ」はNYマンハッタンに本店を持つデパートで東京や神戸にもたくさんの支店を構える有名店。ちょうど色もデザインもサイズもぴったりのお気に入りが見つかって家内はゴキゲン・・・

 3年生のOB君は「東洋大学」に見事合格。まずはめでたしめでたし。来週はいよいよ国立前期だね。前回は長文で「マイナーな言語の消滅」を読んだ。「衛星放送」「携帯電話」「インターネット」の発達で、英語などのメジャーな言語の必要性が抜きんでているからだ。古代に10000あった世界言語が今では6000になり、21世紀にはさらに半分に消滅するという予想もある。形容詞extinctはno longer existing(消滅している)の意味だね。今日は「名詞構文」の(1)で、have a walk(散歩する)やmake a decision(決定する)のような名詞を使った「動詞句」をたくさん勉強した。
 YAさんは前回、「of+抽象名詞」が「形容詞」の働きになる英文を和訳した。Their friendship was so strong that it was of great advantage in the many noteworthy researches they carried out. ではof great advantageがvery advantageousの意味になるから、「二人の友情はとても厚かったので、彼らの実践するたくさんの注目すべき研究でそれが大いに有利に働いた。」この文ではso〜that・・構文を「程度」ではなくて「結果」に訳す方がいい。今日は「不定詞」の語句整序問題で難問に正解が出せたね。「被害は広範囲には及ばなかったようだ」はThere appears to have been no damage widespread. のように「There構文」に気づいたところが素晴らしい。「受動態」のNo damage was widespread.を変形したものだ。
 卒業生のKA君も「東京理科大」に見事合格したそうだ。おめでとう!来週はいよいよ国立大学の前期試験だからUG会に来られないね。前回は入試の英文で難しいものを和訳した。These early explanations emphasize qualities still thought to be of significance today. はof significanceが形容詞significantと同じ意味だから、「古代におけるこういうユーモアの説明では、今日でも重要と思われるような(ユーモアの)特質が強調されている」。この訳では「物が〜を強調する」というような「無生物主語の文」だから「目的語」のqualitiesを主語にすると滑らかな日本語になるでしょ。
 1年生のKA君は学校の試験も終わったのでプリント学習に戻った。今日は「否定」の英作文を5題やった。「大学の勉強が社会に出てすぐに役に立つとは限らない」は、「部分否定」が思い浮かぶからYour studies at college are not always useful で始める。主語はWhat you study at collegeでもいい。後半は「卒業してすぐに」と言い換えてjust after your graduationとか単にout in the world soonとしてもいい。語句整序で、「上の階で物音を立てているのは何かしら」は、I wonder what it is that is making the noise upstairs, となる。「・・・なのは〜だ」と文の一部を切り取って文頭にだしてIt is〜thatに挟むと「強調構文」ができる。ここではWhat is making the noise〜?の疑問詞whatを強調しているんだね。 尾上

(追記)ショッピングアーケードをそぞろ歩きするのも楽しい。家内には歩行のリハビリになるし。私はスポーツ用品のNIKEやadidas、THE NORTH FACEに来るとつい引き込まれてしまう。長年愛用している緑と黄色と紫のカラフルなスニーカーは昔adidasで買ったもの。登山の趣味を始める前はジョギングに夢中で、20年前にしばらくニューヨークに滞在していた間は街中をこれで駆け回ったものだ。ブルックリン橋もダウンタウンやブロードウエーもセントラルパークも。
 キャンプ用品のColemanも店内を一回りするのが楽しい。昔はここで仕入れたコンパクトなガスコンロを持ち歩き、登った山の上で持参の豆を挽いてコーヒーを淹れたり時には肉を焼いたりした。いつも車のトランクに乗せているパイプのベンチも緑色のColemanで、息子たちの墓参の時にはゆっくり座って語らったり、畑仲間との作業の日には休憩時間に皆で車座になって「お茶」するのに重宝しているよ。
2021/02/18 (Thu) 23:38


アプリはapplication、動詞applyの名詞
アプリはapplication、動詞applyの名詞
2021年2月14日(日)御殿場市民会館にて
「秩父宮公園にも春が」
 御殿場では春の訪れが沼津や三島より半月も遅い。我が家の玄関先をふと見ると、一昨年「野の花苑」で買って放っておいたポットに白い花が咲いた。「バイカオウレン」の小さな花が一輪だけ。標高460mの高原に住んでこそいろんな山野草との出会いがあるんだ。市内印野のそのお店を先週も訪れて「リュウキンカ」に似た小さな花を買った。真っ黒な艶のある葉の間から黄色の小さな花が立ち上がるから「カラスバ・ヒメリュウキンカ」(烏葉姫立金花)という名がついたらしい。
 先週は家内のリハビリがてら近所の「秩父宮公園」に出かけた。林の中を歩くと期待したように原種の「リュウキンカ」が一面に咲き、赤・紫・白と色とりどりの「ユキワリソウ」(雪割草)も咲き始めていた。丸い三角形の大きな葉の間から花が立ち上がるので「ミスミソウ」(三角草)ともいう。この公園では早春真っ先に芳香のあるロウバイ(蝋梅)が咲き、その次に咲く可憐な花で大好きだ・・・

 2年生のSI君は前回、「語彙力」の問題が難しかった。We can [apply] this rule to the case. (このルールをそのケースに適応できる)とWhen are you going to [apply] for the job?(いつその仕事に応募するの)との文で、カッコに共通する動詞applyを入れさせる問題だった。applyが本来「〜をくっつける」の他動詞だから、後者はoneselfがないけど「その仕事に対して(自分を)適応させる」が元の意味なんだ。他にも名詞のapplicationはスマホの「アプリ」(適用ソフトのこと)だし、applicantは「応募者、志願者」の意味。形容詞ではapplied scienceが「応用科学」の意味になる。少し時間をかけて「紙の辞書」を引くのも大切だよ。新しい発見がいくつもあるしそれこそが語学力になる。
 今日は「名詞構文」を勉強した。People’s lives have been changed because of the immediate spread of news. の後半は、「ニュースの即座の拡大のために」でも通じるけど「の」をなんども繰り返す日本語訳は悪文だ。名詞spreadを動詞(拡大する)に戻して全体を「接続詞SV〜」に直して和訳するともっとよくなる。because news spreads immediately 「ニュースが即座に広がるために、」のように。このように動詞や形容詞を名詞に置き換えて簡略化した表現を「名詞構文」と呼んでいるよ。
 TU君は前回「分詞」に関する整序問題がすべて正解だった。空所埋め問題ではAt last I have found the man ( ) I think will solve this problem. はwhomではなくwhoが正解。元の文はI think he will solve〜だからheを関係詞whoに置き換えて「先行詞」the manの後に「移動」させればいいのだ。今日は長文で「超自然現象」について読んだ。各国の迷信、ポルターガイスト、テレバシー、UFOなどの例が書いてある。下線部訳ではCritics have pointed out that the results could have been achieved by cheating.が難しかった。「そういう結果はごまかしで得られたものだろうが、と批評家たちは指摘した。」 動詞が「Ifのない仮定法」であることに注意しよう。 尾上

(追記)秩父宮ご夫妻のお住まいだった茅葺屋根の「母屋」の崖下が「ロックガーデン」になっていて、花の季節になれば登山で出会う山野草をたくさん見ることができる。ここだけは公園の職員ではなくて老婦人YAさんがお世話をしている。ご夫婦で市内に山野草のお店をかつて開いていたし、今も「草花教室」の先生をやっておられるから経験豊富だ。この公園でよく展示会もやるので何度もお会いするうち親しくなった。
 昨年の展示会では彼女の蔵書「春蘭・銘品写真集」を安く譲ってもらった。シュンランも私の好きなランの仲間で3月になればこの公園にも咲きだす。若いころは夫婦で長野県の山々を駆け巡って珍しい山野草を見つけては撮りためたそうで、個人撮影の膨大なコレクションも見せてもらった。「中でも新潟県境の雨飾山がよかったですよ・・・」という。もう90歳に近い高齢なので「だれか後を継いでくれる人を知りませんか?」と言っている。


2021/02/14 (Sun) 23:02


「インターネットのおかげで私たちは最新のニュースを得ることができる。」The Internet keeps us informed of the latest news.
「インターネットのおかげで私たちは最新のニュースを得ることができる。」The Internet keeps us informed of the latest news.
2021年2月11日(木)裾野市民文化センター
「熱海桜が見ごろ」
 快晴の朝、気温4度の御殿場から12度の温暖な海辺の熱海に行ったよ。「熱海市役所」に車を停めて「糸川」の両岸にずっと海まで続くピンクの桜並木を家内と歩いた。「河津桜」と同じ早咲きの「熱海桜」は祭りの期間がもう終わったけど、まだ満開の見ごろの木をたくさん見つけていい写真が撮れた。足元には急流の川の瀬音、頭上には群れをなして桜の花をついばむメジロたちの元気なさえずりが。
 市役所入口の寿司屋「鮨勘」に寄ってみると、店内には客が一組だけでコロナの感染対策が徹底しているようだ。でも会食を避けたほうがいいから私はテイクアウトにした。さあビーチに行って「親水公園」のスカイデッキに並ぶベンチで海風に吹かれてお寿司を食べよう。ラジオでNYのジャズを聴きながら。ヨットハーバーに浮かぶ無数の白いヨット、飛びまわる白いカモメの大群、初島から戻ってくる白い観光船・・・

 3年生のOB君は前回、「関係詞」の語句整序問題が難しかった。「この無料のチケットは誰でも欲しい人にあげてください」は、You may give this free ticket to whoever wants it.で、whoever〜がanyone who〜を意味するんだったね。今日は「書き換え問題」をやってみた。As I did not know what to say, I remained silent. はNot knowing what to say,(何といってよいかわからなかったので)と「分詞構文」でいえばよかった。
 YAさんは「滋賀大」の英文「昆虫は地上でもっとも成功した生き物」で、The success of insects can be attributed to many factors.の和訳は「昆虫たちの成功のカギは多くの要素に帰することができる。」イデイオムattribute A to Bは「Aの原因をBのせいにする」。今日もたくさんのイデイオムが出題された。I will be treated as such.(そのようなものとして扱われる)、He is second to none in physics.(物理では誰にも負けない)、For all her wealth, (財産があるにもかかわらず)などが初めてだった。
 卒業生のKA君は前回長文で「リサイクルとゴミ処理」を読んで設問に正確に答えられた。Recycling has already spawned an army of alchemists.は「リサイクルはすでにたくさんの錬金術師を生んできた」の意味。ゴミを価値ある製品に生き返らせたということだね。今日は「態」がテーマ。The butter cuts easily.(簡単に切れる)やThis dress does not wash well.(うまく洗えない)のように、一部の動詞はwellなどの副詞を伴うと「物」を主語にして「受動態」の意味になることがある、とは初めて知ったね。
 1年生のKA君は明日からの期末試験に備えて、文法問題のまとめに専念した。
 1年生のICさんは、先週のプリントが易しかったのでレベルを2年生の分野に引き上げたらちょうど適度な難度だった。語句整序の問題はほとんど正解が出せたけど、「インターネットのおかげで私たちは最新のニュースを得ることができる。」が難しかった。「情報」informationの動詞を使うと、inform 人 of 〜 (人に〜を知らせる)のように言うから「受動態」にすれば 人 is informed of 〜、だね。それをkeep 人-edの文型に乗せればいいから、The Internet keeps us informed of the latest news.となる。 尾上

(追記)熱海に来るといつもこの後のコースは「錦ヶ浦」の断崖の上だ。かつては自殺の名所だった直立した断崖の周辺を、「赤尾ホテル」が開発してすばらしい風光明媚な観光地になっている。崖の上から見下ろすと打ち寄せる波が砕けて真っ白に泡立つ海岸線が美しい。空気が澄み切って「真鶴半島」の「烏帽子岩」もくっきり見えるし、その右側の海岸は「三浦半島」らしい。大海原を見つめていたら睡魔が襲ってきてウトウトと。
 さらに「曽我浦トンネル」を抜けて「網代湾」にも足を伸ばし、上多賀の「長浜海水浴場」にも行ってみた。弓なりの広い砂浜に引いては寄せる波の潮騒がいいなあ。沖合の「初島」の右には「伊豆大島」も見えるよ。今日のドライブのゴールはこの背後にそびえる「玄岳」の中腹、「熱海自然郷」のオウナー用「集会所」でお茶をするのだ。私の小さな宅地には別荘が建ちそうもないけど、眺めの良いこの集会所で満足しているよ。
2021/02/11 (Thu) 23:17


Japan has been seen as the last to say “No.“「日本はノーと決して言わない国とみなされてきた。」
Japan has been seen as the last to say “No.“「日本はノーと決して言わない国とみなされてきた。」
2021年2月7日(日) 御殿場市民会館にて
「富士山・太郎坊」
 4日前の積雪が少しとけて「富士山スカイライン」が通れるようになったので、雄大な雪山を近くで見てみようと思い御殿場口五合目に行った。路肩に残雪が見えるようになったので1300m地点の雪のない空き地に駐車してミズナラの明るい林の中を登っていく。ここは「太郎坊」という地名で、1966年「英国航空」の悲惨な墜落事故の現場に三角の合掌の形をした「慰霊碑」が富士に向かって立っている。
 急斜面を駐車場まで登ってくるとやっとあたりは銀世界になった。真っ青な空に向かって大きく腕を広げた扁平な三角の「富士山」と、その脇に抱えられたような「宝永山」と「二子山」が連なって真っ白に輝いているからまるで4つの尾根が連なった連峰に見える。古くから富士登山の基地であり30年前まではリフトもあって市営のスキー場だった。息子たちが幼い頃「そり遊び」をしたあたりにはスキーやソリの跡形が残っているから、この週末にはすこし賑わっていたらしい・・・

 2年生のSI君は前回、英作文で「あの方はどこの国の方だと思いますか。」 は、Do you thinkの後に「疑問詞節」でwhat country he comes fromが続けばいいのだけれど、Do you knowの時と違って疑問詞を文頭に「移動」させないといけない。YesやNoで答えない疑問文だからだったね。今日は「否定語を使わない否定表現」を勉強した。be far from〜(決して〜ではない= never)とbe free from〜(〜を持っていない=don't have)との違いに注意しよう。anything but〜も「〜を除いたすべて」だから、「決して〜ではない」の強い否定の意味だ。
 和訳ではJapan has been seen as the last to say “No.“が難しかった。see A as Bの構文「AをBとみなす」の受動態だと気づけば、「日本はノーと決して言わない国とみなされてきた」。regard〜やlook upon〜も同じ用法だよ。長文では400語の「アメリカ人の価値観の変化」を読んで設問にほぼ正確に答えられた。80年代は立身出世や物質至上主義の時代でその結果、家庭崩壊や健康被害を引き起こした。その反省で90年代に入ってから新しい価値観living simply 「簡素な生活」が生まれた。不確実性の現代では生活のスピードを落とすことを提起しているんだね。 尾上

(追記)1600m地点の「長田小屋」のあたりまで登るとしっとり汗もかいてプチ登山ができたので、持参してきた赤いソリに腰掛けて下りは滑っていこう。両足を投げ出してブレーキをかけながら滑る。左に行きたければ左足で、逆なら右足で方向が変更できるし、スピードが出すぎて怖いときには両足で制動をかければいい。御殿場の市街地や遠く「箱根連峰」を眺めながらグングン滑っていくのは実に爽快だったよ。
 昨年の2月にも大学同窓の仲間をこの「太郎坊・ソリ滑り」に誘って、4人で登ってきたのに全く雪がなくて残念だった。積雪してもすぐ溶けるから「地球温暖化」の現象をこんな身近なところで実感することができる。おまけに、15年前からずっと続けてきて116回にもなる「トレッキング」の例会なのに、「新型コロナ」の感染が猛威を振るってこの一年は一度も実施できずにきたよ。はやく元の日常生活に戻りたいね。
2021/02/07 (Sun) 23:10


All you have to do is come to the party.「パーテイに来るだけでいいのです」
All you have to do is come to the party.「パーテイに来るだけでいいのです」
2021年2月4日(木) 裾野市民文化センター
「箱根・九頭竜神社」
 箱根「芦ノ湖」の周辺はサイクリングする人の姿をほとんど見かけない。21キロを一周することは可能なので、一度自転車を押しながらチャレンジしたことがあるけれど、特に車道のない西岸の道は外輪山の斜面だから登山と同じようにアップダウンが激しいんだ。「深良用水」の水門を見る楽しみはあるけれどずっと林の中の道だ。それでいつもは東岸を走ることにしている。
 「大湧谷」まで行くロープウエイの乗り場「桃源台」にあるビジターセンターで自転車を組み立てて出発だ。「湖尻」の船着き場に下って行くと、そこから「箱根園」までの湖岸を「歩行者・自転車」専用の道が整備されて私のお気に入りなんだ。木の間にキラキラ光る湖面を見おろしながら走る。コースの中間には、昔の「樹木園」の先に「九頭竜神社」がある。そこは縁結びの神様だそうで、「箱根園」の方から歩いて参拝にくる女性たちのグループにたくさん出会うよ・・・

 3年生のOB君は前回、「関係詞」の語句整序問題をやった。「金銭ではその価値を表せないものがたくさんあります」は、There are many thingsの後に、受動態でtheir worth cannot be expressed in terms of money.をつなげるわけだから、所有格のtheirをwhoseに置き換えればそれでOKだ。今日は「noやnotがない否定表現」を勉強してよく理解できていた。「関係詞」の語句整序ではAll you have to do is come to the party.「パーテイに来るだけでいいのです」はAll that you have to do(あなたのしなければいけないすべては・・・)でallが主語、isが動詞になっている。
 YAさんは「比較構文」で「no more than数字」と「not more than数字」の違いを勉強した。前者はa little more(ちょっと多い)に対してno moreは「〜を越える部分がゼロ」だから、「わずかにそれだけ」の意味。後者はnotがmore than以下全部を否定して「〜を越えることはない」だから、「多くてもせいぜい〜」の意味。語句整序では「彼女が家をでるやいなや雨が降り始めた」は、She had no sooner left home than it started raining.と書ける。否定語のno soonerはneverやhardlyと同じ位置に置かないといけない。ここでもno soonerが「より早いことがゼロ」だから「同時だった」の意味になるでしょ。
 卒業生のKA君は前回、語句整序の難しい問題を全部正解できた。He has no choice but to follow his doctor’s instructions. (医者の指示に従うことしか方法がない)ではbutが「〜を除いて」の意味だったね。今日は「時制」のテーマで、書き換え問題をいくつかやった。I lost my camera and I can’t find it anywhere. を「単文」で言い換えるには、「失くしたカメラがまだ見つからない」から、「失くしてしまった状態」を表すには「現在完了」I have lost my camera.が正解。単文とはSVが1組だけの文のこと。
 1年生のKA君は試験対策で、「倒置・強調・省略・否定」など文法のかなり難しい単元に取り組んだ。
 今月から1年生のICさんが3年生OB君の紹介で加入して一緒に勉強することになった。作文、読み物、文法などのプリントを4枚用意しておいたら短時間ですべてやってしまった。処理能力が高いなあ。1年生後半のレベルだったけどICさんには易しかった。語彙力不足が少々心配だけど次回から2年生のレベルに上げてもよさそうだね。今日の長文問題では、「動名詞」と「不定詞の名詞用法」の使い分けを勉強した。try to〜(〜しようと努力する)は「未来」の行為、try -ing(〜試してみる)は今の行為を表す。regret saying goodbyeは「さよならと言ったことを悔やむ」、regret to say goodbyeは「未来」のことだから「残念だがさよならと言わなければならない」の意味だ。 尾上

(追記)春にはピンクのエイザンスミレが咲き乱れる湖岸の道をしばらく走ると「プリンスホテル」のある「箱根園」に出る。最近までは「忍者バス」という名の真っ黒な水陸両用バスが走って、湖岸と湖上の両方から駒ヶ岳や三国山を展望できるというので中国人観光客には大人気だったのだけど、冬のこの季節は小さな雪のゲレンデを作って、子供たちがそり滑りを楽しんでいた。
 いよいよ「箱根神社」に来たので自転車を停めて遅めの「初詣」をすることにした。杉並木の急な石段を登りきると朱塗りの見事な拝殿の前に出た。おみくじを引く若い男女が多く年配者はやはりぐっと少なくなった。その隣には「九頭竜神社」がここにも祀られていて、良縁を願う女性の姿が多い。九頭の竜の首からお清めの水が流れていた。
 「元箱根」の船着き場は小田原からのバスの終点で、土産物屋やレストランや「成川美術館」もあって一番の観光地だ。今年の節分は2月2日。「箱根神社」が主催する「湖上まめまき」が楽しみだったのに今年は中止だそうだ。観光船に乗った参拝者たちが、水上スキーで船の周囲を飛び回る赤鬼、青鬼たちに豆を投げつけて叫ぶんだ。「鬼はそとー!」アルバイトの鬼たちも失敗すると大変。凍るような湖水にドッボーン!
2021/02/04 (Thu) 23:50


「二重否定」の文
「二重否定」の文
2021年1月31日(日) 御殿場市民会館にて
「モスクワの民族合唱団」
 私たち夫婦の新婚旅行地がちょっと風変わりな「シベリア」だった、と前に書いたね。その1970年当時、横浜「大桟橋」から出航するソ連船「バイカル号」はとても人気が高かった。ヨーロッパに行くにも「シベリア鉄道」で行く方が南回りの飛行機の半額だったし、その年はちょうど大阪で「万国博覧会」が開かれたからこれを利用するヨーロッパ人がいつも以上に多かった。しかし1週間以上かかるのと航空運賃がどんどん値下がりしたので、1991年のソ連崩壊の後は廃止されてしまったのだった。
 大学時代の変わったアルバイトの話は、木材買取の通訳で貨物船に載ってシベリヤに行ったことのほかにもうひとつ紹介すると、4年生の時1966年10月にモスクワの「ピァトニツキー民族合唱団」が来日してその通訳を24日間やったのも面白かった。45人の男女ロシア人はモスクワから「シベリヤ鉄道」を使って8日間、ナホトカ港から50時間かけて「バイカル号」でやってきたので、私の仕事は「横浜港」に出迎えるところから始まった・・・

 2年生のSI君は「二重否定」の文を勉強した。We never watch television without being influenced by it. 「〜せずには・・・しない」と二重に否定文が書いてある。そのままでも理解できるけど、結局は「・・・すれば必ず〜する」と「肯定文」で言い換えたほうが素直に頭に入るね。「テレビを見ると必ずその影響を受ける」と訳せる。もう一つIt wasn't long before the two of us were engaged in conversation. 「・・・するまで長くはかからなかった」。これも結局は「まもなく・・・になった」のほうがすっきりする。「まもなく私たち二人は会話を始めていた。」と。
 TU君も今日から「否定構文」に入った。not A but B (AではなくてB)を使う英文を和訳した。The true test of intelligence is not how much we know how to do, but how we behave when we don’t know what to do. では、AとBに相当する部分がかなり長めの疑問詞節だね。「知性を本当に試す方法は、やり方をどれだけ多く知っているかじゃなくて、どうしてよいかわからないときにどうふるまうか、ということだ」。つまり、知性で大事なのは知識量じゃなくて判断力だ、と言いたいんだね。その前文でBy intelligence we mean a way of behaving in various situations. と、同じことを言っている。「知性とは、様々な状況でのふるまい方のことだ。」 尾上

(追記)東京や大阪・神戸での公演を終えて九州は福岡・鹿児島まで、さらに東京に戻って群馬・栃木にも毎日ステージに立つ日本全国ツアーだった。新型の日本製ジェット機「YS11」で鹿児島まで初の空の旅を経験できたし、京都から名古屋・静岡へは開通して間もない「新幹線ひかり」に乗った。「ニューオータニ」などの高級ホテルに宿泊し、テレビの朝番組に出演するため「スタジオ」に入ったのも初めてのこと。当時私は「日本育英会」の奨学金が頼りの貧乏学生だったので、頂いた桁違いのアルバイト代に驚いた。
 この時の「公演プログラム」を久しぶりに引っ張り出して、思い出しながら書いている。男女はルバーシカなどロシアの民族衣装を着て歌って踊るし、バラライカなど独特な楽器も演奏した。曲目の解説ページは私が任されて訳したものだ。懐かしい。団員にペンで書き込んでもらったサインを見ると、「オノエサン、この写真を見てロシアの友人たちを思い出してね!」(一番仲の良かったアリョーシャ)。「ソ連と日本の友好をさらに進めましょう!」(魅力的なオリガ)。
 この公演を招聘し私を通訳に採用してくれたのは「石井音楽事務所」。今は亡きシャンソン歌手の石井好子が社長だった。「尾上君、こんなヤクザな仕事を一生の仕事に選んではだめよ。」と忠告されたのも驚きだった。大学4年でまだ就職先の決まっていなかった私には貴重なアドバイスだった。それから15年後、御殿場に引っ越して来たら偶然にもすぐ近所に彼女の別荘があって、何度かお会いすることになったよ。
2021/01/31 (Sun) 23:42


「大事なのは外見ではなく発言内容です。」The thing that counts is not how you look but what you say.
「大事なのは外見ではなく発言内容です。」The thing that counts is not how you look but what you say.
2021年1月28日(木)裾野市民文化センター
「沼津の海へ」
 富士山が真っ白に雪をかぶって美しく輝く姿を見ながら久しぶりに沼津に下って行った。「我入道津島町」の叔父が昨年4月に95歳で亡くなって、コロナ感染対策の「非常事態宣言」中で、葬式もままならずまだご焼香に行ってなかった。叔父の家は狩野川の河口にある「我入道」の浜の近くで、出迎えてくれた従妹夫婦に弔意を伝えお仏壇にお花を添えた。ご主人も同じ県立高校の理科の教員だった人だ。
 そこから「牛臥公園」がすぐ近くなので散歩に行ってみた。「海底火山」の噴火でできたという「牛臥山」の海岸が美しく整備されて、あたたかな海風に吹かれながらベンチで昼寝する人、読書する人など、1月の景色とは信じられないな。打ち寄せる潮騒の音に癒されながら、砂浜を歩いて行くともう一つの小さな浜に出た。富士・清水の市街地のはるかかなたに「南アルプス」の白い峰々が・・・
 
 3年生のOB君は前回「書き換え問題」をやった。She is too proud to marry him. (プライドが高すぎて彼と結婚できない)は「プライドが許さない」と言い換えれば、Her pride will not allow her to marry him.となる。このwill notは「拒絶」の意味で「どうしても〜しない」。助動詞のmay well(〜するのももっともだ)とmay as well(〜したほうがいい)の違いをしっかり覚えよう。前者は「〜してもよい」とおなじ。後者はas〜as・・の比較構文がもとだから、「〜は・・と同じ」から「〜のほうがよい」になったもの。今日は語句整序の問題で「大事なのは外見ではなく発言内容です」は、The thing that countsが主語。countsは「数える」から「大事な」の意味になった動詞。その後はnot A but Bの構文を使って、〜is not how you look but what you say.
 YAさんは前回、「信州大」の英文「教育は幸福の手段か?」が難しかった。They are sometimes discontented, simply because they have been given to understand that more education would have made them happier. ではgive人to〜(人に〜だと誤って信じさせる」が初めてだったね。would have madeは、if〜がないけど「仮定法」の動詞であることに注意したかったね。「彼らは時々不満に感ずる。それは単に、教育をもっと受けておけばもっと幸せになれたのに、という誤った理解をさせられているからなんだ。」今日は明日のTOEIC検定のために対策に専念した。
 1年生のKA君は前回「句」の語句整序の問題が難しかった。入試にはかなりのイデイオムが出題されるので、早いうちに一度集中的に取り組んでみるといい。単語集の付録についている熟語でせいぜい300個くらいだからなんとかなる。owing to〜(〜のせいで)、in charge of〜(〜を担当して)、of no use(役に立たない)、on behalf of(〜を代表して)、a man of few words(口数の少ない人)など、覚えておこう。今日は期末試験の準備に専念して、難しい「否定構文」などの問題に取り組んだ。neverがalways やusuallyのように「動詞」を修飾するのに対して、notはふつう文全体を修飾して「そんなことはない」の意味になる。noは本来直後の単語を修飾する「形容詞」だ。
 卒業生のKA君は前回「語句整序」をたくさんやった。これが作文の力を的確に試してくれる。「その車が角を曲がるや否や車輪が外れた」は例の「時間構文」で、The car had no sooner turned the corner than the wheel came off.とかければいい。Noで始めるにはNo sooner had the car turned〜のように「倒置」が起こるんだったね。No soonerは「早さに差がない」から「同時だった」ということ。今日は「助動詞」のいろいろを勉強した。may as well〜(〜したほうがいい)はOne may as well not know a thing at all as know it but imperfectly. 「人は物事を不完全にしか知らないくらいなら、全然知らない方がいい。」のように、as well〜as・・が「・・と比べて〜は同じこと」から「〜したほうがいい」の意味に発展するんだ。 尾上

(追記)今日も自転車を載せてきたので「西浦」の海岸をサイクリングすることにした。トンネルを抜けて「長井崎中学」の先の「久連神社」に駐車してスタート。海の上に白銀の富士山が浮かんで大パノラマだ。少しのアップダウンがあるけれど、波打ち際をゆっくりペダルを踏んでいくのは気分最高!「西浦農協」を通ると数台のトラックにミカンの箱を次々と積み込んでいるよ。ここが西浦ミカンのメッカなんだね。
 丘の上にある「西浦小学校」の下を通った。昔、ここの体育館に来て「オーケストラ」の演奏会をやったことを思い出した。三島の「駿河フィル」が土肥や下田など伊豆の各地に出張して子供たちのために毎年「音楽教室」を開いたのだった。私も20年前までは下手なチェロを弾いていた。演奏の後で近くにある海鮮料理の「やま弥」で食べた「おこぜ」のから揚げがうまかったなあ。
 「古宇」のヨットハーバーは美しかった。砂浜にアロエの真っ赤な花が咲いて、カモメが何十羽も海面に群れをなして午睡中のようだ。係留中のたくさんのヨットの帆柱の向こうに真っ白な三角形の山が。もう少し走らせて「足保」まで来ると「海上釣り堀」と「養殖場」だった。こんな天気のいい日なのに観光客は一人もいない。今日はここまでにして車に戻ろう。
2021/01/28 (Thu) 23:16


A is as〜as anything else. Aは他の何と比べても負けないくらい〜だ。
A is as〜as anything else. Aは他の何と比べても負けないくらい〜だ。
2021年1月24日(日)御殿場市民会館にて
「山中湖のハクチョウ」
 1月も下旬なのにいつまでも「富士山」の真っ白な姿が見られないのも変だね。我が家のあたりにもまだ積雪がない。これもきっと地球温暖化の証拠だ。先週、車に自転車を載せて「山中湖」に行ってみた。「情報館」という名の瀟洒な図書館の前に山中湖村の「観光案内所」があって、今年の「ダイヤモンド富士」の観測地点を記したパンフレットをいただいた。自転車を組みたたて出発だ。一周で10キロだから1時間くらいかな。
 西岸のあたりの工事も終わって危険な車道を走る箇所がほとんどないし、湖岸すれすれでアップダウンがないからこの専用サイクリングロード一周は素晴らしい。「桂川」の取り水口に来ると、ハクチョウが一斉に岸辺にむかってスイスイと進んでくるよ。村のスタッフが餌やりをやっている時間だった。大きな美しい鳥が20羽も30羽も群がっている。マガモや真っ黒なオオバンも群れて飛んできた・・・

 2年生のTU君には前回「クジラの公式」の話をした。A whale is no more a fish than a horse. が「比較級の構文」なのになぜ「クジラは馬が魚でないように魚ではない。」という和訳になるのか、私は60年前の高校時代からずっと疑問だった。文尾のa horse is a fish. (馬は魚だ)が省略されているのだからおかしい、と。どの教科書にも文法書にも説明がされていなかった。最近気がついたことは、no moreが「可能性の差がゼロ」ということ。だから「変わらない、同じだ」となるんだね。「クジラが魚だ、ということは馬が魚だ、ということと変わらない。」の直訳のほうが納得できるよね。
 今日は「比較」で、Nothing is as〜as A やNothing is more〜than A (Aほど〜なものはない)が最上級の意味と同じになる表現を整理した。逆にA is more〜than anything else.(Aは他の何よりも〜だ)も、さらにA is as〜as anything else.(Aは他の何と比べても負けないくらい〜だ。)でも同じ意味になるよ。 尾上

(追記)山中湖で見られるのはユーラシア大陸から飛来するコハクチョウだけど、今日見たのは村の観光用に飼育されているコブハクチョウたちで、夏になってもシベリアに渡って行かないらしい。そして冬の「山中湖」のもう一つの観光の目玉は、山頂に落ちる太陽が光彩を放つ「ダイヤモンド富士」の威容だ。1月下旬からは北岸に多くの観光客が押しかけて4時ころ始まる一大ページェントに興奮するはず、だけど今年は?
 今日は1週間ほど早くて、太陽が富士山の八合目あたりにそろそろ落ちそうだ。湖面には陽ざしがまぶしく反射して光の帯になっている。東岸の「平野」まで来ると、入り江になっていてここだけは凍結していた。「氷上立ち入り禁止」の札が立っているから薄い氷という訳か。標高1000mもある「山中湖」はワカサギ釣りが名物で、昔は氷の上に穴を切り取って釣り糸を垂らすのだったのだけど。
2021/01/24 (Sun) 23:09


There is no man but loves his own country. 自分の国を愛さない人はいない。
There is no man but loves his own country. 自分の国を愛さない人はいない。
2021年1月21日(木)裾野市民文化センター
「日本最北端の町」
 山に登るようになってはや15年、「尾上の山日記」として写真アルバムをつくってきた。その第2集をひもとくと、2010年6月末「クラブツーリズム」の「花と食の楽園!利尻・礼文・サロベツ3日間」のツアーに参加、とある。「利尻富士」に少しだけ登った時の旅行のことだ。札幌・千歳空港からバスに乗ること6時間、広大な北海道の西海岸「日本海オロロンライン」に沿って北上し、夕方最北の都市「稚内」に着いた。
 初めての街に興味がわいて市街地探索に出かけた。もう閉店後でひと気もないさびしい商店街を歩いて驚いた。看板がどこもロシア語(キリル文字)で表記されているよ。ここはロシア人が買い物にやってくるらしい。そうか、サハリンの「大泊」(コルサコフ)から船に乗れば5,6時間だから日帰りでも来られるのか・・・

 3年生のOB君は「二重否定」の文を勉強した。There is no man but loves his own country. 「自分の国を愛さない人はいない。」もその仲間で、言い換えればwho does not love〜のことだ。butは関係代名詞の一つで「〜を除いて」の本来の意味でも訳せるね。「自分の国を愛する場合を除くような人・・・」と考えればいい。
 YAさんは、The 比較級〜, the 比較級・・・(〜すればするほどますます・・・)の特殊な構文を勉強した。これは接続詞As(〜するにつれて)を使って平易に書くことができる。The more you read this book, the more interested you will be in space.という構文も As you read this book more, you will be more interested in space. (この本をより多く読むにつれて、宇宙により多くの興味を持つだろう。)が基本にあり、前半と後半に出てくる比較級の形容詞をthe をつけてそれぞれ文頭に「移動」すればできあがる。
 1年生のKA君は前回「動詞表現」の整序問題をやって苦労した。「非常に多くの人々がエネルギーを浪費しているので、じきになくなってしまうだろう。」は、前半がAs so many people are wasting energy. と書ければいい。「付帯状況のwith」の働きができればそのままの語順で、With so many people wasting energy, we'll run out of it soon. と書けるはず。withがなければ「独立分詞構文」とも呼ぶことができる。今日は「比較」の語句整序と作文をやった。as〜as・・・と more〜than・・・の構文の仕組みを見つめなおしてみたらたくさんの発見があった。
 卒業生のKA君は前回「北海道大学」の入試問題「動物実験の功罪」を読んでほぼ正解が出せた。「医学の進歩と動物たちの権利」を考えさせる良い文章だった。今日は語句整序問題で「この時期にしては暖かすぎる」が難しかった。「この時期には温かいはずの気候よりももっと暖かい」と言い直せば、The weather is warmer than it ought to be for this time of year.ができる。 尾上

(追記)次に市内高台の「稚内公園」に登ってみると、「氷雪の門」と呼ぶ大きな彫刻を見つけた。樺太を故郷とする人々が「望郷の念」を表すために立てたそうだ。先祖の墓地を置いてきた人たちもここから50キロ先の樺太島を見続けたのだろう。1945年に「南樺太」がロシア領に戻った時には、50万人もいた日本人がほとんど内地に引き上げてきたらしい。アイヌ人もきっと一緒だったのだろう。
 翌朝ツアーが「礼文島・利尻島」に出発する前にJRの「稚内駅」に行ってみた。「名寄」から来た「宗谷線」の終点で日本最北端の駅だ。駅の近くに「副港市場」をみつけて二階の歴史資料を展示するコーナーに立ち寄ってみた。昔はさらに北側にもう一つ「稚内港駅」があったそうだ。樺太に行く「稚泊連絡船」の乗り継ぎがしやすいように、桟橋まで列車が乗り入れていたというからその桟橋も見てくることにした。
 すでに廃墟の桟橋駅は港が埋め立てられていて、エンタシスのような支柱の巨大な防波堤だった。そこに立ってみると、目の前は太陽が昇ったばかりの黄金色に輝くオホーツクの大海原!あの向こうがサハリンかあ。
 サハリン(樺太)のロシア人たちが、稚内まで日本の豊かな商品を求めて買い物に来る気持ちはよくわかる。ソ連という社会主義国家が崩壊して30年たつ間に、極東地域が簡易ビザだけで日本と往来できるようになった。1995年には定期航路も再開されて日帰りでも買い物ツアーができるようになったらしい。商店街で見つけた看板のロシア語表記にその賑わいが想像できた。
2021/01/21 (Thu) 23:32


「クジラの公式」再考
「クジラの公式」再考
2021年1月17日(日)御殿場市民会館にて
「稚内―大泊連絡船」
 樺太のアイヌ人をテーマにした川越宗一の小説「熱源」には、言語学者でアイヌ文化研究家の「金田一京助」が登場する。明治時代「日露戦争」が始まる直前、東大文学部の2年生だった「金田一」はアイヌ語の収集のために単身で樺太に行き、アイヌの子供たちから単語を聞き取ることから始めたそうだ。小説にもその情景が描かれている。紙に絵を描いて子供たちに名前を言わせたり、わざと「それ何?」と聞かせたり。
 金田一はその1900年の頃どうやって樺太に渡ったのだろう。稚内まで行く鉄道「宗谷線」がまだ建設されてなかったし、箱館か小樽から貨物船か何かに乗せてもらったのかな。「日露戦争」に勝って南樺太が日本領になってから日本人の往来が増えて、「稚内ー大泊」(コルサコフ)間に「稚泊連絡船」の定期運行が始まったのは1923年のことだし。東大生・金田一京助は今でいう「フィールドワーク」の草分けだった・・・

 2年生のSI君は前回、長文で「長寿と健康」を読んで難しかった。They saw it, even at their young age, as boring, frustrating and full of problems.の下線部は未知の単語はないのにうまく和訳できなかった。大事なのはルール@「A and A’」、つまりandの後の語と同じ仲間をさがすこと。ここでは三つの形容詞だね。ルールA「カンマカンマはカッコに入れる」、(彼らのような若い年齢でも)。すると、They saw it as〜とつながった文が浮かび上がるでしょ。「彼らはそれを〜と見た」だね。regard A as B(AをBとみなす)と同じ構文だ。
 TU君は前回「受動態」の語句整序で入試問題をやったらどれもすべて正解が出せた。こういう構文の力が英作文に生かされてくるはずだ。「英語ほど世界中で広く使われている言語はありません」は、No language is used more widely all over the world than English. 「広く」を比較級で表せばよかった。今日は「比較構文」で「クジラの公式」が出てきた。A whale is no more a fish than a horse (is a fish).カッコの省略語句を補って私が訳すと、参考書や高校の授業とはちょっと違ってくる。「クジラが魚だというのは馬が魚だというのと変わらないよ。」no more 〜 than・・は「・・と比べて同じこと、それ以上ではない」の意味なんだね。
 ご父兄の皆様へ・・・この土日で新しい「共通試験」が実施され、新聞に転載された問題を見てみましたが、英語の試験の変貌ぶりに驚いています。第1問、第2問の発音や語法、作文までもが跡形もなく消えて、日本語を知らなくても日常の英文が読めればそれでいい、という問題ばかりです。これでは「文法」や「作文」がますます軽視されて、論理的な英文が読めない、書けない、話せない生徒を作るだけです。「4技能を検査する」という目標からますます遠のいています。
 大学の授業でも大切な「筆記問題」が半分の100点になって、高校を出たらすぐ忘れてしまいそうな「リスニング」を2倍の100点にするとは、文科省は一体何を考えているのでしょうか?「ドイツ語」「フランス語」を選択した人は従来通りの問題で200点なのに。おまけに「リスニング」は注意深く聞き取って4つの解答から選ぶだけ。こんな会話の仕方なんて世の中にありませんし大学の授業でもやっていません。これは「話す力」でもなんでもありません。「スピーキング」は作文力が基礎になければいけない、ということが主催者にはわかっていない。
 これはきっと帰国子女優遇のためのテストに違いありません。だから国公立も私立大学も「二次試験」をしっかりやって本当の英語力を求めるしかありませんね。「本当の英語力」とは、日本人として立派な「バイリンガル」になることです。 尾上

(追記)「樺太」には行ったことがないが、夏のシベリアにはもう一度5年後に訪れることになった。今度は夫婦の「新婚旅行」で、船と夜行列車と飛行機を乗り継いで中心都市のイルクーツクに行った時のこと。60万人のシベリア最大の都市で、市内の劇場でオペラ「セビリアの理髪師」を見たり、海のように巨大な世界最深の「バイカル湖」に足を浸してみたり、さらに飛行機で北の「ブラーツク」を訪問して世界最大の水力発電所を見学したり。
 アメリカとソ連の冷戦構造の1970年代では個人旅行ができず、団体ツアーに参加しソ連の旅行社の監視のもとだった。今のような「新潟発」の航空便もないので「横浜港」からソ連船「バイカル号」に乗船した。太平洋を房総半島、仙台、岩手沖と北上し、青森から津軽海峡を抜けて3日目にやっとシベリア東岸の「ナホトカ港」に接岸した。そこからは夜行列車でアムール川の大都市ハバロフスクへ。さらに国内線の飛行機に乗り換えて「イルクーツク」空港に着いたのは出発から4日目だった。
2021/01/17 (Sun) 23:28


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