「田んぼのネジバナ」
ラン(蘭)といえば、結婚式のブーケに使われる豪華なカトレア(日の出蘭)や開店祝いに飾る真っ白なコチョウラン(胡蝶蘭)、生け花に添える黄色のシンビジウム(春蘭の仲間)のような高級花を思い浮かべるけれど、野生ランの好事家たちの間でこの時期に羨望の的になるのはセッコク(石斛)、フウラン(風蘭)そしてウチョウラン(羽蝶蘭)なんだ。特にウチョウランは可愛らしさが仇になって盗掘され自然のままに咲く姿が見られなくなった。
この写真の10センチほどのピンク色の花なら家の近所や道端で見かけたことがあるでしょう。茎がねじれてループ状にたくさんの花を咲かせるから「ネジバナ」(捩花)といって私の田んぼの畔で一本だけ咲いていた。よく見るとこれもランの仲間なんだ。大きな白い唇弁と側弁を3枚のピンクのガク片で6弁の花に見える。(今週の壁紙を見てね。)古くはモジズリ(文字摺り)とも言って「小倉百人一首」の一つに「みちのくのしのぶもじずり誰れゆえに・・・」と詠み込まれているよ・・・。
2年生のMA君は前回「仮定法」の文の語句並べ替えをやった。「君の援助が途絶えていたら、事業に失敗していただろう」は、簡単にBut for your helpということもできるけど、「昔」のことだから動詞の「過去完了形」をつかって、Had you given no more help to me. が正解。If を省略するとSVが「倒置」になるんだったね。添削の解説の後、今日は期末試験を間近に控えてその対策勉強に専念した。
TU君は前回「否定」をテーマに語句並べ替えをやった。「理科大」の「感謝の気持ちを表す言葉もありません」は、I have no wordsの後に、I should express my gratitude with the words.の文が続くとすれば、関係詞を使ってwith which I should express〜と言えるね。それをさらに不定詞に直してwith which to express〜と言えるんだ。解説の後TU君も期末試験対策に専念しいくつか和訳の質問をした。 尾上
(追記)50坪ほどの私の小さな田んぼは先月、四方の畔をシロツメクサが敷き詰めて美しかった。ネジバナの発見のあとにはユリ科のヤブカンゾウもそろそろ咲きそうだ。オモダカという水草もまもなく咲くはず。純白の3弁の花と槍のようにとがった葉が美しいのでどこかで見つけたらまた2、3本いただいて自分の田んぼに移植しよう。一般の農家は雑草として嫌っているけどね。歌舞伎役者の市川家の屋号が「おもだかや」(澤瀉屋)といって家紋にこの花と葉をデザインしている。
それにしても私の田んぼは雑草だらけで困っているよ。生育中の稲の根元にドクゼリ(毒芹)が根をしっかり張りめぐらし抜くのに苦労する。三大有毒植物のひとつだそうで、食用のセリと間違えて食べると死に至るケースもあるそうだ。しかし、隣の地主さんをはじめどこの田んぼを見てもドクゼリどころか雑草がちっとも見つからない。よっぽど手入れがいいのだ、と思ったら大間違い。「除草剤」をたっぷり撒いて手抜きしているのだ。(つづく)









