「マングローブの原生林」
H・I・Sのチケットには「マングローブの林をカヌーで見学」が組み込まれていたので、名瀬の市街地を通過して南部の「住用湾」に向かっていった。沿道には濃いピンク色の緋寒桜がもう満開で初春を思わせるのに、紅葉したナナカマドの林をみるとそれは本土なら秋の風景だ。この島は亜熱帯の気候だから季節感が不明瞭でこれでは俳句の季語が定まらないね。ジャングルのような山間にマングローブの広大な原生林があった。
前から一度体験したかったカヌーを始めて漕いだよ。50年前、大学でボート部にいたからオールで水を掻く要領は知っていたけどだいぶ勝手が違う。オールが短くておまけに家内と二人乗りでかなり重たいから腕力がいる。母娘のペアが乗ったもう一隻と一緒に指導員の後を追って、湾に注ぐ静かな川に漕ぎだしマングローブの林に分け入っていった。川床にのたうつような巨大な根が潮の干満で消えたり現れたりする。ここも日本なのか・・・。
2年生のTUさんは前回、長文で「水質汚染」を読んだ。It may already be too late to save some rivers and lakes but others can still be saved if the correct action is taken at once.で、「代名詞some〜 and others〜の用法」に注意しよう。これは全体を2種類に分類する表現だからそのまま直訳しないで、「〜のものもあるし〜のものもある」という和訳がいい。「救うにはもう手遅れの川や湖もあるかもしれないが、もし正しい行動をすぐにとればまだ救えるものもあるかもしれない。」文頭のitは「時間」を表す働きで訳がいらない。今日は「比較構文」でno more than〜(わずかに〜、〜しかない)とnot more than〜(〜以上ではない、せいぜい〜だ)の違いを勉強して理由がはっきりしたね。
ARさんは前回、長文で「子供のしつけ」を読んだ。My grandmother made me get out of bed, and fold up my dress, and put it neatly on the chair. はいつものルール「A and A’」に気づいてほしかった。二つの接続詞andに注意。直後のfoldもputも共に動詞の「原形」だから、前にあるgetと並列するはずでmadeではない。「祖母は(真夜中に私を起こして)、ベッドから出て、服をたたんで、それを椅子にきちんと掛けるようにさせた。」今日は「無生物主語の文」を勉強した。This book will make you happy.のように、基本はS makes OCの第5文型で「Sの理由でOがCという結果になる。」と和訳しよう。「この本を読めば君は幸せになれるよ。」
1年生のKAさんは前回、長文で「テクノロジーの功罪」を読んでしっかり解答できていた。Technology has brought troubles as well as advantages. 「テクノロジーは利点だけでなく難点も引き起こした。」は内容と一致していたね。Technology has brought not only advantages but also troubles. のように前後を入れ替えても同じ意味なんだ。次の長文「アメリカの教育現場」でも、This way the students can learn from each other as well as from their teachers.「こういう方法で、生徒たちは先生からだけでなくお互いの生徒からも学んでいる。」 今日の英作文では「時・頻度」の勉強をした。「東洋大」の並べ替え問題で、「病気になって初めて健康の価値がわかる。」は、It is 〜that・・・の「強調構文」が要求されているから「・・・なのは、病気になってからだ、」といいかえてIt is not until you get sick that you realize the value of good health.が正解。 尾上
(追記)グルメとスポーツと観光と、夫婦の何年ぶりかの奄美大島「フルムーン旅行」は刺激が一杯、感動たっぷりの旅だった。しかし最初に思い立った目的は「美術鑑賞」だったんだ。だいぶ昔に大きな画集を買ってあったのだけど、NHKのテレビ「日曜美術館」で半月前に放映された「生誕110年、日本画家田中一村」の作品に改めて感動して、本物を今度こそ制作の現場で見てみたいね、と家内と語り合った。
日本のゴーギャンともいわれた孤高の天才画家で、南太平洋の「タヒチ」ではないけれど、50歳にして「奄美大島」の自然に魅惑され千葉から移住して終生そこで作品を描き続けた、そんな画家が日本にもいたのだ。降り立った「奄美空港」の近くに「田中一村美術館」はあった。太平洋を見渡す鹿児島県立の広大な公園「奄美パーク」の一角で、サンゴの海岸をイメージした池を取り巻いて高床式の丸屋根の展示館がいくつもつながった美しい美術館だった。
田中一村は奄美大島20年の晩年に健康や経済のために30点ほどしか制作できなかった。しかしそのどれもが見る者に強烈な感動を与えるんだ。浜辺一面に繁る「アダン」の葉と実、白い「コンロンカ」や「ヤマボウシ」、「ブーゲンビレア」や「デイゴ」の赤い花など、この島に移住して初めて発見した亜熱帯の大自然を観察した成果だ。青い羽根の「ルリカケス」や「イソヒヨドリ」、そして幻の渡り鳥「アカショウビン」もその微細な筆のタッチで描き切っているよ。
