裾野市民文化センターにて
「乗鞍岳3026m」
35年ぶりに信州・松本から「乗鞍高原」まで行き、シャトルバスに乗り換えて登山口のある「畳平」の山小屋「白雲荘」に投宿した。6年前までは私と一緒に「木曽駒」や「千丈岳」にも登ったのだけれど、「脳卒中」で右側が不自由になった家内をリハビリをかねてこの高い山に誘ってみた。予想よりもずっと新しい建物で檜風呂もあるし心配したトイレは水洗の洋式で、小屋主人のご好意で1階の8人部屋を貸し切りにしてくれた。
平日の火曜日なので登山客も少なめで、「長野高専」の1〜3年の生徒たちが10数名合宿していた。昼食後すぐに私一人で登山に出発。さっきまでかんかん照りの青空だったのがいつの間にか消えて霧が上ってきたけど登頂には成功したよ。下り道で高専のヒゲの先生が生徒たちに花の名前を教えている。「これは何かな?」とカメラを向けているので私がさし出ぐち。黄花シャクナゲの枯れた実ですよ。葉のかたちからきっと・・・。
3年生MIさんは前回、「一橋大」の英文で苦労した。Every man has the capacity to make his life what it needs to be for him to have a reasonable amount of peace in it. は「関係詞」のwhatを「すがた」と訳すと良かった。「〜するのに必要な人生の姿」だ。前半は「誰でもみな自分の人生を・・・の姿にする能力を持っている。」後半は「彼がその人生でほどほどの平安を得られるように〜」という意味。今日は「動詞の語法」の入試問題を55題やった。特に目的語に「動名詞」をとる動詞をチェックしよう。「今」や「昔」の内容なら動名詞で「未来」の内容なら不定詞にすることが基準だ。
SEさんは前回、「不定詞」を使う英文で「東京女子大」が難しかったね。 Words alone do not make a language; a grammar is needed to combine them in some intelligible way. でセミコロンの働きを考える。説明の「つまり」か、理由の「なぜなら」か、対比の「ところが一方」か。ここでは「単語だけでは言語にはならない。・・・なにか意味のある方法でその単語を結びつけるために文法が必要だ。」と言っているから、「つまり」がいいね。今日からは「文法・作文」の完成編として過去の「センター試験」の題1問と第2問をやることにした。まずは発音とアクセントで苦戦したね。
三島教室のTAさんは前回、「関係詞what」のある英文の和訳をやった。「法政大」はかなり難しい構文で、 A collection of facts is not science any more than a dictionary is poetry. をみて思い出すのは「クジラの公式」でしょ? A whale is no more a fish than a horse is.(クジラが魚でないのは馬が魚でないのと同じだ。) no moreが not〜any moreに入れ代わっているだけ。「事実の積み重ねだけでは科学にならないのは、辞書だけでは詩にならないのと同じこと。」今日は「会話表現」の入試問題を50題まとめてやった。いままであまり集中的にやったことのない単元でミスが多かったけれどセンター試験では第2問に必ず出題されるので、まずはこの50題をしっかり研究し復習すればOKだよ。
KI君は前回、「不定詞」を使った英文を和訳した。「専修大」「帝京大」はとても正確に理解できていたけど、「明治大」では In many public places you’ll find that smoking is not allowed, or at least people are asked not to smoke. でミスがあった。冒頭のIn many public placesは文全体にかかる修飾語だから、「公共の多くの場所では喫煙が禁止されているか、少なくとも喫煙しないようお願いされていることがわかる。」今日はKI君も「センター試験」の発音・文法・語法・作文に関する第1・2問を実際の過去問でやってみた。どれもかなり正確に解答できて80%はとれたかな。
1年生KA君は、今日「助動詞」を勉強した。動詞を助ける(?)、じゃあないよ。助動詞は「文」全体に「話者の判断」を加える働きだから、たとえばmustは「〜せねばならない、と私は思う」の意味(100%の義務)。もう一つ「推量」の意味もあってHe must be tired. は、「彼が疲れているにチガイナイと思う。」と訳すんだよね。なぜなら「彼が疲れている〜と私は考えねばならない」からだ。同じように、She can’t be happy. は「彼女は幸せになれない、と思う」の意味のほかに、「彼女が幸せとは考えることが出来ない」の意味もあって、普通は「幸せのはずがない」と訳しているよね。他にshouldやmayの場合も考えてみて。
明日からもう9月、2学期が始まるね。さっそく夏休みの「課題テスト」が待っている。UG会で毎週コツコツ勉強を積み重ねていた人にはスランプもないでしょう。御殿場教室の3年生YAさんからもメールが届いて、またUG会に復帰したいそうだ。己の潜在力を信じて新たな意気込みで前進していきましょう。 尾上
(追記)「乗鞍岳」は東大の放射線研究所やドーム型の白い「コロナ」観測所があるので有名だ。山頂に近づくにつれて雲が湧き上がってきてほとんど足下しか見えなかったけれど、道ばたのトウヤクリンドウ、チングルマ、ウサギギクの群落に慰められ、ガレキの不安定な山道を90分やっとのことで登り切り山頂に着いた。「乗鞍神社」の本宮が鎮座し、白衣の若い宮司さんが登山姿に着替えて「お札・お守り」の店じまいを始めていた。
往復5時間歩いて夕食の前に山小屋に戻った。同宿になった「長野高専」の生徒たちは部活で登山と天体観測を兼ねて来ていた。星空を外で仰向けになって観察するために望遠鏡やマットも持参してきた。
しかし午後からのガスがますます濃くなり星空は全く望めないので、夕食後先生の天体望遠鏡の話の後は食堂でトランプ遊びだ。TRUMP'S TRUMP という名のトランプで「トランプ・タワー」を組み立てる2人の生徒。カードの裏も表もすべてトランプ大統領の表情がいろいろ。ジョーカーが2枚あってこれだけはヒラリー・クリントンの演説の顔だったから笑っちゃうね。
夜中、屋根にたたきつけるような大雨でときどき目が覚めた。4時に起きてみると窓の外は濃霧に包まれてこれでは「ご来光」も望めないな、とまたフトンに潜り込んだ。2700mの山上は毛布を寝袋のようにしてくるまってもまだ寒い!(つづく)
