御殿場市民会館にて
「東山湖の逆さ富士」
千葉や横浜から集まる大学時代の山仲間3人を御殿場駅で迎えてまず「東山湖」に案内した。今日は雲一つない青空で、湖面には富士山がくっきりと写り「逆さ富士」が見られるとは地元の私にも珍しいし仲間も大喜び。湖岸ではルアー釣りの大会らしく、男女が大勢釣り糸を垂れて、スピーカーから「あと10分、あと3分・・」などと指示が流れている。
2人組で制限時間に何匹釣れるかを競っている。時には女性の優勝者もいるらしい。駐車している車のナンバーは地元や関東だけでなく関西や九州からも。ニジマスの大きいのや小さいのが次々と釣れている。TA君は「こんな大きな釣り堀見たことないなあ。」「ここは江戸時代に田畑の灌漑用水用につくった池で、小田急が開発して人気の釣り場になったんだよ・・・。」
2年生EN君は前回「無生物主語の文」で文法では満点、整序問題でも80%正解だった。入試の英作文では「〜を反映している」とか「祝われている」「楽しんでいる」を全部進行形で書いたね。これは日本語の学習者が「テイル形」として教わる動詞形で、今だけなら「進行形」だけど、真理とかいつもの習慣的なことなら「現在形」で、もうすでに終わっていることなら「現在完了」のように使い分けなくていけないのだ。今日は「名詞構文」をやった。動詞や形容詞の名詞形を見たら、それを述語とするような節SVOを組みたてて和訳する方がよい場合が多い。かなり高度なテクニックだけど是非目指して欲しい。
リンカーン第16代大統領が「南北戦争」勝利のあと次のように演説した。有名なゲティスバーグ・アドレスでは・・・government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the earth. ここにも動詞 govern(統治する)の名詞形が使われているから、「人民のために人民が人民を統治する形態がこの地上から消えないようにしよう。」としなくてはいけない。「もう国王はいらない」という趣旨だから、社会科で教えている「人民の人民による人民のための政治」の古来の和訳がいかに誤訳であるかをもっと先生たちにも知って欲しい。
大学生のYAさんは「京都大」入試の和文英訳をやってみた。ずいぶん素直にすっきりとした英文が書けていた。「よいと思うことはどんどん実行すればよい・・」 はYou should put into practice whatever you think is good for you. で十分でしょう。擬態語の「どんどん」が難しいけどここでは「〜はなんでも」の意味と考えたのは正解だ。is goodの主語は関係代名詞のwhateverだから it is good と書いたのはマチガイ。
今日も英検準一級の第3問をやってみた。「ヒマラヤのモスオ族のユニークな家族形態」「生体模倣科学とは?」「アメリカの頭脳流出」はどれも興味深いエッセイで、どれも読み応えがあった。出題者はこんな面白い話しをどこから引っ張り出すのかなあ。YAさん、よく読み取れて今日は80%の正解で合格だ。第4問の「英作文」も少しの文法誤りをのぞけば、なかなかいい英文が書けていたね。
2年生のYAさん、1年生MU君は部活のためにお休みした。 尾上
(追記)湖畔の桜並木には岸信介元首相の筆になる「東山湖」の石碑が立っている。昔、近所に住んでいてよく湖岸を散歩したらしい。ここを起点に「歩きたくなる道、500選」が始まる。静岡県ではわずか10カ所。東部では「下田・爪木崎」「修善寺」「三島・柿田川」とともに選ばれた4つの内の一つなんだよ。
私の案内で散策が始まった。この湖の守り神「厳島神社」を通り、少し登りになってゴルフ場の前に映画監督「黒沢明」の別荘。今は市の観光地になった「岸信介邸」と庭続きの和風喫茶「とらや工房」。その隣に真っ赤な欄干の「観音堂」も桜の名所。向かいの林の中には「国際連盟」脱退の時の外務大臣・松岡洋右の別荘。ちょっと森や林を抜けると目の前にでっかく富士山が聳えている。だから「歩きたくなる道」なんだ。
昔は牧場や牛舎がたくさんあった地域で、広い庭をもった新しい住宅も増えているが高原の別荘地の静かなたたずまいが楽しい。私の車で移動して「乙女キャンプ場」に着いた。この駐車場は御殿場市街地全景と富士山の展望台だ。今日は長尾峠まで登って、そこから「時の栖」まで急傾斜を下った後4人で「忘年会」だ。(つづく)
