ロシア語科の2年生の時、語劇の制作・監督をやるように先輩や同期から推されてまずシナリオ発掘から始まった。1時間くらいでやれる劇の脚本はなかなか見つけにくい。神田・神保町の古書街を歩き回ってやっと見つけたのが文豪トルストイの短編「ニヒリスト虚無主義者」だった。ロシア革命前の19世紀末期、退廃的な世相に投げやりになったインテリ学生を描くドラマだ。
私の同級生で親友のMA君はそんな主役にピッタリだとひらめいた。卒業後放送局のTBSに就職したけど数年で退職してしまった変わり者。シベリア旅行で出会った後家さん(つまりバツイチで子連れ)と国際結婚して始めはイルクーツクに住んでいた。バイカル湖でのオームリ釣りが自慢で気取り屋だ。今は金沢に単身移住して奥さんの経営する「日本料理店」に新潟空港から日本の食材を航空便で送り出しているよ。実に変わり者でしょ・・・。
2年生EN君は前回「仮定法」をやったら、文法や語句整序はほぼ理解できていた。和文英訳が一歩一歩力が付いてくるといいね。今日は「否定構文」に入ってまず「部分否定」を勉強した。「すべて」100%を意味する形容詞の1every 2both 3all は否定文の中で使うと、「すべて〜だ、ということではない」、つまり「一部は〜でない」の意味になるから「部分否定」と呼ぶ。一方「全部〜でない、どれも〜でない」0%なら、not の後に1 any 2 either 3 anyを用いればいい。それを「全部否定」と呼ぶ。 noや neither 1語で表すこともできる。
1年生MU君は前回、「植物の遺伝子組み換え」についての英文を全訳した。Lettuce may become as small as an orange so that it can be eaten like an orange.は 接続詞so thatが「目的」を表すから、「レタスはオレンジのように食べられるように、オレンジくらい小さくなるかもしれない。」となる。今日は文法・作文で「疑問詞」を勉強した。「このグループの中で誰が一番若いと思いますか。」の英訳は、 Who do you think is the youngest in this group? のように疑問詞 who を文頭に出す。しかし「・・知ってますか」なら文頭に出さずに、 Do you know who is ・・・? のようにいう。後者はyesか no で答える疑問文だけど、前者は「誰が?」の答えが欲しいので、軽い動詞の think を飛び越えて、「疑問詞」が文頭に出ていくのだ。believe や imagine など「思う」系や say など「言う」系の動詞の時にはみな前者の例になる。
大学生のYAさんは前回「英検準一級」の第4問で、「授業でのインターネット利用」や「映画の違法ダウンロード」「電子書籍の購入」について、賛否の意見を述べさせるものだった。制限が全部で100語くらいだから1つの質問に30語くらいで書かないといけない。適切な理由を1、2文で表すのに苦労するね。今日はまた第1問「語彙力」と第2問の長文読解をやってみた。
大学の英文法の授業の時に、イギリス英語とアメリカ英語ではどちらの文法が新しいか?と質問され、YAさん一人だけが「イギリス英語です。」と答えて褒められた、と話してくれた。このUG会でそう教わったことが大学でも生きた、とのこと。よかったね。アメリカは400年も前にイギリスの田舎の人たちが、移民してきて開拓した国だから当然言葉もその当時の古い言い回しのはず。イギリス英語は文明の発達と共に進化と変化を続けてきたから新しいのだ。
どこの高校でも期末テスト期間になってYAさんは今日お休み。EN君もMU君も試験対策のために早退した。テストガンバってね。 尾上
(追記)ロシア語科の語劇が「ニヒリスト」に決まって、主役のMA君のほかにも個性溢れる同級生や下級生の中から適役を捜し出した。ロシア語科の大先輩で脚本家の中本信幸さんにアドバイスを依頼したり、六本木の「俳優座」まで行って「19世紀の衣装」を借りる交渉をしたり。今でも毎月山に登っている仲間の3人も実はこの時スタッフ・キャストとして献身的に働いた仲間なんだ。
外語祭の語劇ステージで活躍した字幕 (subtitle) も自分で作ったよ。まだネガフィルムの時代だから、タイプライターで縦書きに打った和訳を一コマずつカメラで写す。その白黒逆転の、つまりネガティブのフィルムを一枚一枚切ってフレームにはさんで、ステージの裏側からスライドプロジェクター(昔は「幻灯機」と呼んだよ)でスクリーンに投影すると、文字だけがくっきりと白く映し出されるという仕組みだ。すごいでしょ。旧来の客席からオーバーヘッドで写す仕組みだと客席には見づらいし邪魔になるからね。
この字幕方式を考案した秋山助手は、「声紋判定」の研究家としても有名で、50年前に起こった「吉展ちゃん事件」で誘拐犯検挙にも大いに貢献した人だ。身代金を要求してきた犯人の電話の声を分析して、年齢や出身地などを割り出したらしい。数人の被疑者の声紋と比較して犯人の割り出しに決定的な証拠をだした、とウィキペディアに記録されているよ。
